鏡海亭 Kagami-Tei ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石? | ||||
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生成AIのHolara、ChatGPTと画像を合作しています。
第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29
拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら! |
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小説『アルフェリオン』からAIによる名場面画像集、ついに第57話の分を公開!
兄妹のような……いや、むしろ、互いが互いの分身でさえあるような、ルキアンとエレオノーアです。本ブログの連載小説『アルフェリオン』からAIのオボロさん(*)が画像を生成する名場面集、今回は、いよいよ二人の「闇の御子」がその真価を発揮する第57話に入ります。ちなみに現在、『アルフェリオン』の最新話は第58話(連載中)ですので、ついに画像集が小説本編に追いつこうとしています。
(*)オボロさんとは「Editorial Oboro」(GPTsの機能を通じて小説広報支援用にカスタマイズされたChatGPT)のことです。多彩な機能のひとつとして、小説を読んでその内容を画像化することができます。
では、第57話へ。
アマリアさん、自身の一部をパラディーヴァに憑依させて分身として行使するという荒業で、同時に二つの極大呪文を詠唱します。エレオノーアとルキアンの闇の御子コンビも色々と反則級の能力を発揮していますが、この人はこの人で、常識はずれですね。

その一方の呪文は、範囲内の味方全員を何度でも完全回復し続ける力。……えぇぇっ!?
「慈悲深き大地よ、豊穣の女主人(ドミナ)の一群よ、その恵みを我らに分け与えたまえ。木々の宿り主(ドライアード)、森の精たちと共に、地の底より汲み上げし生命の力を……」
「《聖苑の門(トーア・ツム・ハイリゲン・ヴァルト)》」!!
彼女が静かに呪文を唱え終わると、御子たちの足元が淡い緑の光に包まれる。そこから、黄金色に輝く植物が無数に芽吹き、蔓を伸ばしてたちまち成長して、彼らの姿を覆い隠すほどの丈になっていく。

天上の花園のような、金の蔓草とそこに開いた同じく黄金の花々の中で、ルキアンは体中に満ちていく力に思わず身震いした。立っているだけでも精一杯であった数秒前の彼の姿は、そこにはもはや無い。

ただでさえ膨大なアマリアさんの魔力が、付近一帯の土地の霊脈から(それが枯れ果てない限り)魔力を永久に吸収し続ける地の御子の支配結界「地母神の宴の園」によって、事実上、底無しになっています。強力な暗黒系呪文を連発して魔力を使い果たしていたルキアンも全回復です。
フラメアの言葉によれば、「来た来た来た、無限に魔力を供給する《地母神の宴の園》は、回復魔法と相性がいい。どうだ、私たちは、倒れても倒れても立ち上がる《不死者(アンデッド)》同然よ!」
いまや御子たちは、あまり嬉しくないたとえですが、ゾンビのように倒れても倒れても何度でも起き上がる不死の集団と化しています。
そうかと思えば、アマリアさんは同時詠唱のもう一方で、この戦いのカギとなる戦力のエレオノーアを守ります。

「目覚めよ、地の底深き坑道に眠る精たちよ。我、振る舞うは蟒蛇(うわばみ)たちの美酒。呑めよ、歌えよ。隠されし聖なる銀鉱、掘り起こし、鍛えて放て、魔銀のゴーレム」
「いでよ《白銀の巨像(コロッスス・アルゲンテウス)》、エレオノーアを護れ!!」
指先で宙に文字を書くような仕草をアマリアが素早く3回繰り返すと、青い光で描かれた円形の魔法陣が、地面に一つ、二つ、そして三つと次々に浮かび上がり、それぞれの円陣から巨体をもった何かがせり上がってくる。

神秘の鉱石・聖魔銀から錬成された神話級のゴーレムを、彼女は一度に三体も創造したのだ。
ルチア譲りの《歌い手》の能力を発揮し始め、戦いの流れを変えようとしつつあるエレオノーアを、御使いの竜は直ちに目ざとく狙ってきた。アマリアの読み通りである。四頭竜の首の一本が、その大きさに似合わぬ素早い動きでエレオノーアに迫る。そこに《白銀の巨像》が立ちはだかり、竜の首を掴んで引き倒そうとする。巨像の重量をものともせず、跳ね飛ばす神竜。だが、失われた時代の魔法金属の頂点《オリハルコン》にも匹敵するという堅牢無比、かつ、あらゆる魔法に耐性のある体をもった《白銀の巨像》は、こうした肉弾戦では絶大な力を発揮する。それが三体も立ちふさがるのを突破してエレオノーアを襲うことは、さすがの神竜にとっても簡単ではない。
なおかつ、巨像との戦いに注力しすぎたために、四頭竜は小さな人の子たちのことを侮って――御子たちに不用意に接近し過ぎたのである。歌い続け、守られながらも、御使いのその隙をエレオノーアは見逃さなかった。
「今です、おにい、さん!!」
エレオノーアが叫ぶと同時に、それに応えるようにルキアンも声を上げ、両手を高く掲げたかと思うと、目の前にいる四頭竜の固い外皮に向かって手のひらを叩きつけた。
「ルカさんが言ってたこと、《死霊術師との戦いでは、触れられないよう気をつけろ》!」

死霊術師であった過去の世代の御子、ルカ・イーヴィックの力を彼は借りています。
「ルカさんの記憶が教えてくれた。魂から、奪い取れ、《エナジー・ドレイン》!!」
さらに押し込まれたルキアンの掌が、神竜に密着し、生命力や魔法力を恐ろしい勢いで吸収し始めた。それに比例してルキアンの力が急速に増大していく。ゼロ距離での接触を必要とする能力であるため、強敵相手にそう簡単には使えない。だが成功すれば、敵にただダメージを与えるのみではなく、ダメージを与えた分だけ体力や魔力の最大値そのものまで削り取り、引き下げる。
「あれは、単純なドレインじゃない。高位の不死者(アンデッド)のみが、たとえば吸血鬼の始祖君主(バンパイア・ロード)や不死の魔道練達者(リッチ)がやっと使えるような、《レベル・ドレイン》では? 闇の御子は、生身の人間なのにそれを操るのか。どうなってるんだ、めちゃくちゃじゃないか!」
仮にも魔道士の端くれであるばかりか、かつて魔道学院で学び、魔法理論にもそれなりに詳しいグレイルは、ルキアンの力、いや、《真の闇の御子》の力を正しく理解していた。

「おにいさん。私たちの怒りを、見せてやるのです!」
エレオノーアの姿が揺らぎ、荒い粒子で描かれた映像のように見えたかと思うと、また大きく揺れて、一瞬、尼僧のような黒い衣をまとった外観になる。
二つの高位魔法を無事に発動させたアマリアが、一息もつかないまま、エレオノーアのいでたちを見て声を上げた。
「まさか、闇の御子の《固有外装》だと? 彼女の魔力が急激に上昇していく!」
その一方、エレオノーアに生じた変化を自らも感じ取った四頭竜、その複数の頭が目を光らせ、怒りの形相で歌声を大きくした。途方もない魔力のこもった歌が怒涛の如く押し寄せてくる。

――うるさいのです。
エレオノーアが大きく両手を広げ、目を閉じて一声唱えると、《天使の詠歌(エンゲルス・リート)》の力はたちまち霧散する。あとかたもなく消滅したのだ。
――もう二度と、ここで天使の声が響くことはありません。ルチアさんの想いと、メルキアさんの生成って(つくって)くれた歌が、私を支えてくれているのです。
彼女の背中には、例の蝶の羽根のような形をとったオーラが青白く輝き、夢幻のごとく羽ばたいている。

「浮かんだ!? な、なんなのよ、あれ」
まさに蝶のように舞うエレオノーアを見て、フラメアが怪訝そうにグレイルと顔を見合わせた。そこにエレオノーアが慌てて奇妙な警告をする。ただ、彼女の声自体は真剣だ。
「みなさん、念のため、耳、閉じてください! み、耳っ!!」
「《死仙の憤怒(ツォルン・デア・トーデスフェー)》」
ひとたび深呼吸した後、エレオノーアが腹の底から耳をつんざくような高い声を発する。彼女の声は《天使の詠歌》を切り裂く一閃の刃であり、まさに音速で御使いの竜に到達した。目で確認できる物理的な傷はつけていないにもかかわらず、雷に打たれたかのごとく、竜の巨体、全身が震え、その直後、わずかな時間だが麻痺したように引きつった。
本当は、ここでイアラとエレオノーアの会話が先に入るのですが、話の流れは前後して、自分たちの本気をイアラに見せようとするエレオノーアの戦いの画像から先に参りましょう。
「おにいさん。魂の記憶。覚えてますよね。御子が御子たる所以……人が人でないものと戦うための力、御子の怒り、人の子に与えられた《神に仇なし得る》力」



「闇の力を……わたしの……おにいさんの……わたしたちの、闇の力を思い知れ!」
エレオノーアの声に続いて、彼女とルキアンは二人で叫んだ。
怒れる御子の力、その真の名前を。

「《天轟(イーラ)》!!」



「やりましたね、おにいさん!!」

すべてが白い世界につつまれ、何も見えなくなる。視界が元に戻った後、何度か立て続けに閃光が広がり、御使いの竜が呻く、大地を揺るがすような苦痛にまみれた咆哮が初めて聞こえた。高熱で溶けたような大穴が開き、四頭竜の首の付け根一帯が吹き飛んでいる。御使いの姿勢が大きく乱れ、もはや体勢を維持できず、横倒しに崩れ落ちた。
その決定的な瞬間をとらえ、アマリアが叫ぶ。
「とどめだ、御使いに《絶対状態転移》させる余裕を与えるな! いまこそ《星輪陣》のもと、五柱の力を、想いをひとつに。イアラ、頼む!!」
さぁ、最後の御子、水の御子イアラの出番が……。

彼女は鬱回想……。でも、イケメンのナイト(笑)、いや、水のパラディーヴァ、アムニスが助けてくれた記憶!! 君にすべてがかかっている。と、盛り上がったところで、続きは次回(!)。
本日も鏡海亭にお越しいただきありがとうございました。
次回もお待ちしております!
ではまた。
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