携帯スマホの話をしよう

スマートフォンなどのガジェットと言われる小型電子機器に関する話をメモ代わりに書き留めていきます。

ファーストリテイリングとアスタリスクが和解

2021-12-29 15:32:53 | 知的財産の話題
ファーストリテイリングとアスタリスクが和解したとの記事が出されました。

12月24日、和解が成立したと両者が発表したらしいです。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2112/24/news151.html

和解とは言っても詳細の開示はされていませんので、実質的にアスタリスクの勝利でファーストリテイリングは負けていないとの見栄えを取った形でしょう。
ただし、アスタリスクが表記している1日1台1,000円は、明らかに高すぎるので、かなりのディスカウントはしているものと思われますし、その値段だったら和解は無いと思います。

これまで何度も書いてきましたが、明らかにファーストリテイリングの戦略ミスで知財がアホと言ってきましたが、本来であれば、他社に発注するにしてもリーズナブルなロイヤリティでアスタリスクと折り合うことが先の筈で、後追いにしたために必要となった無駄な経費です。

何度も言います。ファーストリテイリングの知財はアホやな。残念なことは、このネタがもう使えない事だけかなあ(苦笑)。


「はま寿司」「かっぱ寿司」係争

2021-07-06 12:05:38 | 知的財産の話題
「はま寿司」が不正競争防止法関連で「かっぱ寿司」の田辺公己社長を告訴し、6月28日、警視庁がカッパ・クリエイトの本社や田辺社長の自宅を家宅捜索したという。

https://www.fnn.jp/articles/-/205975

またまた、不正競争防止法による告訴ですが、これもソフトバンクと楽天の係争の様に大した話にはなりそうもないですね。現時点では競合他社へ移った田辺公己社長への嫌がらせの域を出ていません。逆に家宅捜査で不正競争防止法に絡む証拠が出てきたらひっくり返る内容です。
出てきたら続報が出るでしょうし、出てこなかったらこの一報で終了です。メールで伝えられるような売り上げデータは営業秘密にはなりません。


ファーストリテイリングとアスタリスクの続報

2021-07-05 17:48:02 | 知的財産の話題
ファーストリテイリングとアスタリスクの続報が見つかった。アスタリスク側のインタビュー記事です。

https://bunshun.jp/articles/-/46125

これが本当なら、ファーストリテイリングの知財はバカだし、使えない人々だと思われます。アパレルメーカーなのでクビが繋がっている訳で、装置メーカーの知財だと失敗続きで即刻クビでしょうね。

機械装置や生産方法の知財では、常に100%安全を確保することは、技術的にも工数的にも不可能です。このため、主な所は抑えつつ、周辺技術に関しては、意図的にスルーしないと自分の首が回らなくなります。
このため、新規領域への参入や周辺技術に関しては、見落としが一定確率で生じます。そして抵触を見逃していた時には、如何に低コストで低リスクで解決するかが知財担当者に要求されます。そして結果として解決策は和解戦略が中心になるのです。

そう言う装置や生産に関する知財戦略の常識から考えると、ファーストリテイリングのやっていることは滅茶苦茶です。

上記のインタビュー記事を信じると、発案はファーストリテイリングとアスタリスクのどちらか分からない感じです。しかし、アスタリスクは特許を出願して登録となっておりますが、ファーストリテイリングは何も行動を起こしていないわけです。登録となった時点で真摯に受け止めるべきで、ゼロ円契約なんて、口が裂けても言えないでしょう。完全に喧嘩を売っています。

弁理士や弁護士の値踏みは我々でも日常的に行います。交渉過程での戦略立案にも値踏み結果を使うことがあります。この人物ならどうするかと言った感覚です。
しかし、値踏み結果を相手に伝えるなんて稚拙なことは絶対しません。百害あって一利なし。高圧的に出て何か良いことがあるのでしょうか? ファーストリテイリングの知財は交渉をしたことがないズブの素人集団なのか? 多分、会社組織の体制として出入り業者に高圧的に出る社風がしみ込んでいるのでしょうね。 残念な会社のようです。


SOFTBANK楽天訴訟続報

2021-06-02 09:59:14 | 知的財産の話題
昨日この事件の予想を書いているのですが、私の予想でも盛りすぎだったようです。私の書き込みの前にリリースされていますが(苦笑)。
私は、この問題は楽天に悪影響を及ぼすという他の記事を読んで、そうじゃないだろうと書き込んだものですが、現実は私の予想よりも更にツマラナかったようです。

事実は、情報漏洩に気が付いたソフトバンクがろくに調べもしないで、速攻で警察に駆け込み、警察が調査した結果、漏洩情報は糞みたいなもので、損害賠償を請求できるような代物ではなく、ソフトバンクは上げた拳の降ろし先を探っており、楽天は青天の霹靂でひっくり返っていたという状態。
本来内々で密かに処理するはずだったが、何を間違えたかソフトバンクの法務が、詳細が判明する前に提訴したため、面倒な事後処理中。和解で解決予定。と言った内容のようです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/94dfc7148fdb0ff05606aba6c55706a3740279b9?page=2


SOFTBANK楽天訴訟

2021-06-01 15:22:34 | 知的財産の話題
ソフトバンクは、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムなどに関する営業秘密を持ち出したとして、同社元社員と転職先の楽天モバイルに対し、10億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。ソフトバンク社営業秘密である4Gおよび5Gネットワーク用の基地局設備や基地局同士・基地局と交換機を結ぶ固定通信網に関する技術情報を不正に持ち出したらしい。

・楽天モバイルおよび楽天モバイル元社員に対する損害賠償請求(不正競争防止法第4条)
・楽天モバイルの不正競争により建設された基地局の使用差止請求(同法3条1項)および廃棄請求(同法3条2項)
・楽天モバイル元社員が当社から持ち出した電子ファイル等の使用・開示差止請求(同法3条1項)および廃棄請求(同法3条2項)
だそうだ。

それでは、根拠となっている法律を読んでみよう。
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不正競争防止法 第三条(差止請求権)
 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2 不正競争によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある者は、前項の規定による請求をするに際し、侵害の行為を組成した物(侵害の行為により生じた物を含む。第五条第一項において同じ。)の廃棄、侵害の行為に供した設備の除却その他の侵害の停止又は予防に必要な行為を請求することができる。

第四条(損害賠償)
 故意又は過失により不正競争を行って他人の営業上の利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずる。ただし、第十五条の規定により同条に規定する権利が消滅した後にその営業秘密又は限定提供データを使用する行為によって生じた損害については、この限りでない。


第五条(損害の額の推定等)抜粋
 営業上の利益を侵害された被侵害者が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為を組成した物を譲渡したときは、その譲渡した物の数量に、被侵害者がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、被侵害者の当該物に係る販売その他の行為を行う能力に応じた額を超えない限度において、被侵害者が受けた損害の額とすることができる。
2 不正競争によって営業上の利益を侵害された者が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、その営業上の利益を侵害された者が受けた損害の額と推定する。
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元社員による秘密情報持ち出し流用に関してはソフトバンクが勝ちそうだが、楽天に対する損害賠償は難しいのではないかな?
使用停止は命令できて、楽天は既に使用停止しているようだが、損害賠償といってもソフトバンクの損害は無い訳だから。単にこの情報で楽天は利益を得ていると、第五条第2項に基づき賠償を請求しているものである。

この訴訟は新しい切り口であり、この提訴に踏み切ったソフトバンクには敬意を評する。これまでの不正競争防止法絡みの案件は、基本的に門外不出の「技術情報」の漏洩による損害に関して提訴されてきた。だから条文も被害者の逸失利益か被告の利益で損害額を推定する建付けとなっている。
今回の場合は、実はソフトバンク自体はほとんど損害は受けていない。楽天の通信網展開が早くなり、楽天は利益を得るであろうが、その前提となるソフトバンクの損害は実はほぼゼロである。なぜなら、キャリアは他にdocomoとauがあり、楽天の利益がソフトバンクの損害とはならないのである。強いてあげればauがローミング期間が短くなり損害を受けるかもしれないが、auはこの件にはノータッチである。
法の建付けが、第四条にあるように原告の営業上の利益侵害を基本にして、それが算定困難であれば第五条第2項にあるように被告の利益を算定するとなっているところに、原告の損害ゼロで切り込んだので面白い案件である。

裁判所がどのような結論を導き出すのか大変興味深いが、私の予想は、不法行為を認めて、情報の使用中止を命令し、損害賠償額に関してはお茶を濁す。である。ソフトバンクの損害算定は余りにも荒唐無稽であり、証拠になるような代物ではないから。それと基地局の場所は時間を掛けて探せば分かるものであり、営業秘密と特定できない可能性もある。ソフトバンクの法務も多分百も承知でアナウンス効果を期待しての提訴だと、私は踏んでいるが、如何なものか?今後の展開に注目である。