■ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実(著 マーシャ・エンジェル)(2005/11/30)
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ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実(2005/11/30)マーシャ・エンジェル (著), 栗原 千絵子 斉尾 武郎
【翻訳刊行に寄せて】福島雅典
医師や製薬産業の姿は、傲慢にも社会を欺き、生命を冒涜しており醜悪そのものである。
医学を司る者が神を演じようとすれば、医学的災害が生じるのは当然である。
わが国において薬害は後をたたず繰り返され、悲しむべきことにいずれも科学的不正という人災により被害が拡大したものである。
科学者の不誠実な行為が果てしない退廃と荒涼を社会にもたらすことを我々は十分に経験してきた。
歴史から学ぶことができない者に、未来はない。
言うまでもなく、科学的根拠に基づく医療が成り立つには、まず、公正な医学研究が行われ、その成果が公正に社会に還元されなければならない。
本書は、医学研究が人間の都合で歪められ、正しい結果が得られていないという現実を暴き出す。
医学研究における科学的非行が頻発し、医療への信頼が失われる。
あるいは、科学的に質の保証されない情報がマスメディアを通じて、日夜、きわめて巧妙に人々の目に耳にすり込まれる。
医薬品の開発と販売はしっかりと市場メカニズムに組み込まれ、皮肉なことにとうとう、新薬のコストは家計で賄える限界を越えてしまった。
あまっさえ、本来は人間が創り出すことなどあってはならない病気という需要が人為的に創出されさえもするのだ。
そしてついには医療不信から、安心と納得を求めて医療漂流民が続出する。
これは他国の話ではない。
わが国の現状でもあるなのである。
科学はもはやかつてのそれではない。
科学はビジネスと結びつき、その水面下では熾烈な特許戦争が繰り広げられている。
今や販売戦争を勝ち抜くため研究結果を権威づける手段として世界中から競って論文が投稿されるトップ・ジャーナルは、ビジネスの僕と化しつつあるのではないか?
モンスターのごとく肥大化した科学を奉じる共同体は、すでに善意によって制御しうる域を超えている。
哲学のない科学は狂気(凶器)である。
科学を妄信しトップ・ジャーナルを崇める状況は、何か、歪んだ宗教とでもいうべき様相を呈している。
こうした医学研究を取り巻く狂気の渦から逃れ、真実に照らされる正しい未来への道を拓く方法はあるのだろうか?
答えは単純である。
我々の目指すゴールが何であり、何を信じるのか。
すなわち、真実を知り、妄信の生成されるメカニズムを知ることによって、洗脳を解くことである。
〇メディア掲載レビュー
製薬ビジネスにかかわるすべての人に読んでもらいたい書籍が登場した。
副題が「製薬会社の真実」とあることから、本書をいわゆる暴露本ととらえる人もあるかもしれないが、その主張のほとんどはしっかりとした根拠に基づいている。
著者のエンジェル氏は、医学雑誌The New England Journal of Medicineの前編集長。
タイム誌が、米国で最も影響力のある25人に選んだこともある人物だ。
掛け値なしに一流のジャーナリストである同氏が、「製薬企業は不誠実で狡猾だ」と全力を挙げて告発するために著したのが本書である。
「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」
「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」
「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」
などその内容は刺激的である。
ただし、著者が“悪”と断じている行為は、業界にとってはどれも当然のものばかりだ。
(日経バイオビジネス 2006/01/01 Copyrightコピーライト2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
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■ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実(マーシャ・エンジェル)
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