おさらい会で「大江山のシテをやった」
大江山(おおえやま)
京都府の北の方で兵庫県との県境付近に大江山という山がある。その山に酒呑童子という鬼がいるという。時々都の上って悪さをするので、時の天皇から源の頼光に退治してこいと勅命が下り、頼光は五十余人の手下を連れて大江山の鬼退治に出かけた。
源の頼光(みなもとのらいこう)
酒呑童子(しゅてんどうじ)
謡曲「大江山」のシテ「酒吞童子」は4ページの終わりから登場する。
とてもこわ~い鬼なのでそれにふさわしい謡い方をしなければとしっかり練習をした。
「シカシカ」と書いてある部分はシテが狂言師と対話する場面で相手のセリフは書いてない。
都から酒呑童子にさらわれた女が洗濯をしていたところに山伏に変装した頼光の一行が道に迷ったから泊めてくれという。
その洗濯女が酒呑童子に取り次ぐ場面である。
結構セリフがある。酒呑童子は強いので、まともに闘っては勝ち目がないというので、散々酒を呑ませて酔っぱらって寝込んだ所を襲うという卑怯なことをして鬼の首を取るのである。
ワキヅレの役をする人が欠席をしたので先生が代役で私の横に席をとった。
一曲終わった後で謡い方が違うと注意された。それで、私はこういうふうにならったと生意気にも楯を突く。
うちに帰って謡本を入れていたケースを開いてとんでもないことをしたことに気付く。
何と先生の謡本が中に入っていたのである。
サー大変。とんでもないことをやらかしてしまった。
早速先生に電話して平身低頭?
幸いなことに、先生は「いや、今度の時に返してくればいいよ」と、それほど気にしていなかった。
どうしてそんなことになったのだろうとその時のことを思い出して考えた。
先生もまさか生徒に反抗されると思わなかったので、気が動転していたのだろう。
私の座っていた机の上に自分の本をおいて忘れていたのだろう。
それを私の机の上にあるから自分の物だろうと、無意識に片付けてしまったのだろう。
先生も思いがけないことを言われたものだから気が動転していたのだろう。
スーパーなどで生活に困っている訳でもない老人が万引きするってことが時々新聞記事になる。
おそらく万引きした人も万引きする気は一つもなく、うっかりレジを通らずに出てしまい清算したものと思い込んでいたのだろう。
私も同じようなことをしてしまったのかもしれない。
老人になったら何をしでかすか分からない。
気を付けなければ。
今度会った時はなんてお詫びをしようか。
みんなの前で恥さらしをしなければならないのかな。
買ってお金払って買ったものを忘れたり
しょうがないよ。