東国を目指して都を旅だった僧は美濃の国赤坂の宿で一人の僧に呼び止められた。今日が去る人の命日であるから弔ってくれと頼まれ弔ったあと僧の庵室に招かれた。そこには仏像はなく、代わりに武具が並んでいた。不思議に思った旅の僧はその訳を聞いた。その僧はこのあたりでは山賊や夜盗が出て人を襲うため、土地の人々を助けるためだといって消えた。土地の人の話では、それは熊坂の長範の幽霊ではないかという。
懇ろに長範の霊を弔っていると、明け方になって先ほどまで僧の姿をしていた長範の霊が長刀を持って現れて当時の様子を語り始めた。
都から豪商人がやってくると聞き仲間を集めて襲ったが、そこには年若い剣豪がいた。
牛若丸にこてんぱんやられてしまう。
キリの部分です。上段に謡い方を細かく書いてある。
能も終わりの部分になるとそれらしき謡い方になる。はは-んもうおしまいなのだなと分かり退席する客が出てくる。能に限らず芝居が終わりごろになるとそれらしき雰囲気が出るように作られている。
戦いの場面になると強吟になり、謡い方もテンポよくなり、独特な雰囲気になる。強吟のところだが不思議に頭に入るのだ。
能と仏教は仲が良くやたらと難しい仏教用語が出てくる。
どういう意味じゃかと辞書をくる。仏教の勉強をさんざんさせられるが、仏教は難しい。
幽霊とは夢の中に出るものと思っていたが。そうでもないらしい。
熊坂の長範とは加賀の人らしいがさてどこの人だろうか。どっかに遺跡があるのだろうか。あったら見に行きたい。
安宅関というのがあるが、これは芝居の中に出てくるもので、本当にあったかどうか怪しい。それでも小松市にとっては貴重な観光資源なのでなかったとは言わない。
牛若丸(後の源義経)は70人もいる敵をバッタバッタとやつけるほどの凄腕なのに陸奥の国に落ち延びるためにわざわざ多くの供を連れて行くはずがない。一人で旅したほうが目立たないでよほど安全だと思う。なのにどうして供を連れて北陸を通る必要があったのか。
能には地元に関係している物が多くある。北陸に関係している演題を手繰っていきたい。
陸奥ってことは青森なのかな?