大阪の母校である中学校に3週間、『美術科』の教育実習に行って来ました
生徒さんと先生方との3週間の交流は、人生においてとても素晴らしい経験となりました!
私が実施した「研究授業」は『コラージュ』制作です♪
今回は教育実習期間内ということで制作時間が少ないので、絵を描くことが苦手な生徒のことも考慮し、「写実表現に劣等感を持ってしまい、制作が楽しくなくなってしまう絵具のみでの描画」を選ばずに、「納豆の箱でサッカーボールを創る」など、創造力が促進されるような「ちぎり絵」のように、素材感を生かして比較的気楽に楽しめるコラージュにした
授業を通して学んでもらいたいことは・・・・"テーマ"も"座席"も"使う素材"もすべて"自由"の「自由選択」の"難しさ"と"やり甲斐"と"達成感"を知り、『想像力』と『創造力』と『発想力』の向上を実感してもらい、創り上げられていく作品を通じて「個性の違い」=「独創性(オリジナリティ)」の素晴らしさを知り、それゆえ「個性の尊重」の大切さを実感し、作品を通して言語を超えた『深いコミュニケーション』が可能であることを体験してもらう。
素材例
マニキュワ・ペットボトルとそのキャップ・納豆の
パック・アルミホイール・サランラップ・割り箸・
新聞・英字新聞・雑誌の写真・折り紙・和紙・自分で描いた絵・使用済み封筒・広告・写真・布・レース・アクリル板・CD・バッジ・カーテンの工具・ネジ・
ボタン・花びら・葉っぱ・枯葉・木・レコード・レンズ・プリザ-ブドフラワー・ダンボール・卵の殻・パック・時計を解体した部品・鏡・土・・・
ゴミだけでも素敵なコラージュが出来るのです♪
たった一つだけ決まり事他の人が使わないだろうオリジナルの素材を一つ!盛り込む
これは作品の分かりやすい"見どころ"にもなります♪
3週間後、生徒さん達はとても素晴らしい、楽しくて面白い、個性豊かなコラージュ作品を、思い切り楽しんで創ってくれました
「人と違うことは素晴らしいこと」と伝えたら、生徒さん達は他のクラスメイトと違った作品になっていくのを気にせずに楽しんで制作に没頭しているのがとても印象的でした
次のblogにその素晴らしい作品たちだけをupしたいと思います♪生徒さんには了承済みです
美術の授業内容の参考になればと思います
今回は、研究授業の教育指導要領の内容を書きま~す
美 術 科 学習指導案
(1) 題材名 コラージュで自由表現
(2) 教材観
教材設定の理由
〇テーマは「自由選択」。この「自由選択」が重要である。無限にある事物から何を描くか迷いながらも幾つか「発案」し、更に「決定」し、その作業を繰り返しながら、コラージュという媒体で具現化していくことが『想像力』と『創造力』の向上につながる。容易なことではないが、出来あがる作品の意外性に、制作した本人さえも驚きと共に、数々の発見と達成感を得るだろう。2時間の授業で完成できる規模のテーマにしてもらう。楽しくて、授業外での制作で完成度を上げることを奨励する。
〇他者という自分との「個性の違い」を、コラージュ制作を通して楽しみながら認知して行き、お互いの違った考えや立場を大切にするという「個性の尊重」を、コラージュの制作と作品発表を通じて知ってもらう。
〇コラージュ:素材も自由選択。だが、「他者が選ばない自分だからこそ選んだ」というオリジナルな素材を、または想い入れのある素材を1つは必ず盛り込んでもらう。発表時の作品の見どころの一つとなる。紙やプラスチックや鉄素材だけでなく、絵具やクレパスなど、とにかく何でも素材として使用可能。しかし危険な物質は安全面上、遠慮してもらう。
〇其々の素材の違いや発想の面白さから、制作は楽しい雰囲気で盛り上がると予測する。
(3) 指導観
今回は3時間と時間が少ないということで、絵を描くことが苦手な生徒のことを考慮し、写実表現に劣等感を持ってしまい楽しくなくなってしまう絵具のみでの描画を選ばず、「納豆の箱でサッカーボールを創る」など、創造力が促進されるようなちぎり絵(・・・・)のように、素材感を生かして楽しめるコラージュにした。
(4) 指導の全体計画
1時間目:題材発表(20分)→テーマ選択・下描き・構想を練る・イメージ(30分) (家・昼休みに自主制作可)
2時間目:制作(45分)→(5分)
3時間目:制作開始(35分間)→展示作業と感想記入と片付け(15分)
(5) 本時の目標
「創造」「想像」を楽しみながら、「創造力」「想像力」「発想力」を培う。「個性の違い」「個性の尊重」の精神を身につける。同時に制作過程と作品鑑賞が、深いコミュニケーションになることを知る。制作過程の迷いと選択と決断の繰り返しより、完成の達成感の喜びを得る。
(6) 準備・資料
作品例プリントA3、画用紙、アイデアスケッチ用(裏・ワークシート印刷)、名札とコメント用の紙の小さい紙、授業の感想用紙、セロハンテープor押しピン(教員用意)、 オリジナル素材は何か?何を描いたか?
自由素材、ノリ、ハサミ、カッター(生徒持参) 創ってみてどうだった?
(7) 評価の観点
想像力が掻きたてられ、楽しみ、また迷いながらも向き合い打ち込んでるか。発見、迷い、感動など、言葉や行動や取り組む姿勢から、生徒の打ち込み具合を知る。苦手な生徒には、何かしら学びがあったかどうかが観点。
(5)の本授業の目的が達成されているかどうか、過程と作品、感想から知る。
1時間目(初日)
過程 学習課題 生徒の活動 教師の働きかけ・発問
展開
題材発表 配布したプリントを見てもらう。
今回の題材について知識を深め、知ってもらう。
本授業の目的について知ってもらう。
多様な作品例の写真を見ながら、どんな素材が使われているかクイズ形式で答えて行ってもらい、コラージュについての知識を深めてもらう。
クイズ感覚でドンドン答えて行ってもらう
クイズを盛り上げる
プリント参照でドンドン発言して記入して行ってもらう。
プリント、画用紙、アイデアスケッチ用(裏・ワークシート印刷)を配布。
今日は、皆さんに絵を描いてもらいます。
テーマは自由です。
絵って何で描くんやった?・・・絵具ですね。
が、今回は主に絵具以外のもので絵を描きます。
絵具以外で、どんなもので絵を描けると思いますか? 絵を描く道具に何がありますか?
主に絵具以外のもので絵を描くことを『コラージュ』と言います。
皆さんにはこの『コラージュ』を50分×3回にわたって創っていただきます。
本授業のの目的は、「自由選択」『創造力』の向上と、作品を通じて「個性の違い」を知り、それゆえ「個性の尊重」が大事であることを知り、絵によって「深い心のコミュニケーション」が出来ることを体験し知ってもらう。
絵具以外で、どんなもので絵を描けるか・・・
配ったカラーの写真のプリントを見て、どんな素材が使われてるか当てていってもらい、わら半紙に記入して行って提出してもらう・・・・(クイズ形式)
→参考例のバリエーション豊かなコラージュのプリントを見て、どんな素材を使っているか当ててもらいつつ、課題に入りやすいように引き込む。
他にも、左下の素材例を言っていく
テーマも画用紙の大きさも自由なのですが、一つだけ必ず守ってもらいたいことがあります。
他の人が使わないだろうオリジナルの素材を一つ!
または旅先のチケットや写真など、想い入れのある大切なものを必ず一つは入れてください。
かぶったら仕方がないけど、描く絵や使い方は違うから同じにならないから安心してね。
画用紙は好みのサイズに切ってくれていいです。
制作時間はあと2時間分しかないので、間に合うように創ってくださいね
構想を練る
・
アイデアと下絵を制作 10分 テーマ選択
下描き・構想を練る
イメージを描く テーマを各自、考案・決めて行ってもらう
目に陳列している素材を見に来てもらい、想像力を刺激しアイデアを生んでいってもらう。
軽く完成予想図やアイデアを自由にプリントに描いて行ってもらう。
考案過程で、会話形式で数人発表してもらう。 →
「テーマ決まった?」
「どうしてそのテーマにしたの?」
(他者にとっての参考になる) ・・・・
素材例
マニキュワ・ペットボトルとそのキャップ・納豆の
パック・アルミホイール・サランラップ・割り箸・
新聞・英字新聞・雑誌の写真・折り紙・和紙・自分で描いた絵・使用済み封筒・広告・写真・布・レース・アクリル板・CD・バッジ・カーテンの工具・ネジ・
ボタン・花びら・葉っぱ・枯葉・木・レコード・レンズ・プリザ-ブドフラワー・ダンボール・卵の殻・パック・時計を解体した部品・鏡・土・・・
それでは、どんな絵にするのか、どんな面白い素材を使おうか、アイデアスケッチして行ってください。
花・世界・好きなもの・人物・社会啓発・風刺画・4コマ・・・何でも良い
先生が持ってきた素材、面白いのがいっぱいあるから見に来て、もうドンドン貼って創り始めたい人は、創り始めて行ってね。
考案過程で、数人、先生との会話形式で発表して行く。廻って一人一人に声かけ
「テーマ決まった?」
「どうしてそのテーマにしたの?」
(他者にとっての参考になる)
「素材は何使うの?使いたいと思う?」
「一人一人、テーマも使う素材もバラバラで一人として同じ人はいませんね。」(個性の違いを知り、尊重し合うことを気づかせる。)
あと2時間ほどしかコラージュを創る時間がありませんので、今の段階でも、休憩時間やお家でもどんなコラージュにするか、出来る限りまでアイデアを完成させといてくださいね。
大切な友達や家族にプレゼントする目的で創ってもいいですね。Ex.)家族旅行
家で創ってほぼ完成させてきてくれてもいいです。持って帰りたい人は先生に声をかけてください。後はちょっと仕上げるだけという状態で来週初めていただいてもよいです。
自由の中から選んだテーマや素材はバラバラ。
他者との違いを実感し、違いを楽しんでもらう。
「40人いたら40通りの個性があり、地球上に64億人いたら64億通りの個性があり、考え方がある。同じテーマでも50通り、64億通りの違った絵が生まれます。それをこのコラージュ制作から感じていただければいいかと思います。スケール大きいことやっているんだよ、君達は((笑))」
「これを独創性、オリジナリティといいます。」
絵はその人の心を描写したものなので、その人の大切思っていることやメッセージを、心を、絵から感じ取ってもらう。
だから絵や作品を大切にしてください。
くれぐれも傷つけるようなことは言わないように気をつけてくださいね。
来週は「用意ドン」でコラージュ制作を始めるので、まだどんな素材を使おうか、絵を描こうか決まっていない人は考えて来てくださいね。
しめ 5分 今回の授業の内容を再認識してもらい、来週の持ち物などを知ってもらう。
アイデアスケッチと作品例のプリント回収。
今日は「コラージュにどんな素材が使われているのか」知っていただき、「アイデアスケッチ」をしていただきました。
来週は、本格的にコラージュ制作を授業開始と当時に開始します
テーマと素材を何使うか決まっていない人は、次回までに決めて、素材を見つけて、持ってくるのを忘れないように、必ず持って来てください。当日とは言わずに明日にでも早めに持ってきて机の中にでも入れておいてください。
忘れたら創れないので。
自分が創る際に必要な、ノリとカッター、ハサミも忘れないように。
休憩時間や昼休みやお家で、友達と楽しみながらドンドン進行させて行ってもいいです。より完成度が上がり良い作品が出来上がりますので。
それではお疲れ様でした。
最終日、ネームプレートに「タイトル」「名前」「オリジナル素材と説明」を書いてもらい、作品の下に付ける。
各クラスの教室の壁に、先生が展示しに行き3日間のみの、『コラージュ展』を開催する。
作家体験をしてもい、作品を通じて、いつも知っているクラスメイトの意外な感性や個性を知ってもらい、楽しんでもらい、作品を通した言語を超えた「深いコミュニケーション」を体験してもらう。