犬がおるので。

老犬から子犬まで。犬の面倒をみる暮らし。

犬の相続問題は加速する。

2015年02月09日 | おせわがかり日誌


母からきいて気になっていたことがある。


近所の資産家が亡くなり、

そこの家には法的に相続人になれない家族がいるのだが、

つまりその方は深刻な障害があって、一般社会では、

生活をすることができないので、

立派な日本庭園があり、倉から納屋からあるような、

そんな大きなお屋敷を、遠い親戚が相続することになったらしい。

問題はそこに、犬がいたこと。

そのうちは昔から犬が好きで飼うのだが、

可愛がりはするのだがしつけと世話というかケアをしない。

だから犬はかまってほしければ一晩中でもなくし、

時々脱出してはつかまり、放浪期間に好き放題する。

不思議なのは何回飼っても、いい犬に育つ子がひとりもいず、

みんな同じようなタイプになってしまい、

その何代目かの最後の犬もそうで、そして飼い主が亡くなった。

当然だが、世話をする人はいない。


飼い主が亡くなってから自由に庭を走り回っていた犬は、

あるとき仕事で入ってきた庭師が門を開けたときに脱走、

一日遊びまわってつかまって以来、遠くに住む相続人により、

納屋にくくりつけられたままになった。

もちろん世話をする人はいない。

時折来る相続人がまとめて餌を置いていき、

水も飲んでいるのかどうか。

相続人から頼まれたのか、付近住民から頼まれたのか、

民生委員が見に来ることがあるようだったが定かではなかった。

なんでこんなに詳しいのかといえば、

こんすけを実家に預けて小豆島へ行ったとき、預けた日に、

母と散歩の練習をしていて、そのときにご近所の方たちから、

「あらその犬どうしたの」と声をかけられ、

こんすけの話をしているうちに立ち話の人数が増え、

そしてそこは問題の資産家の家の前で、

鳴き続ける犬の声がしていたものだから、

あれやこれやと話がひろがり、

大体のストーリーが分かったのだった。

それが去年の12月27日のことで、現在は2月。

状況は改善されていない。




そしてこれがつい先日母から届いたメールだが、



「こんちゃん幸せだね。お隣の誰も居ない家でわんちゃんがずっと鳴いています。可哀想でなりません。」



もう2か月近くも同じ状態が続いていることになる。

なんていうことなんだろうか。

老人が犬を飼うのをやめればいいという人もいるが、

さびしくて、お金があって、老いていて、という人が、

動物を買ってはいけない、という法律なんか作れるだろうか。

無理だろうな。だとしたら、どうすればいいのか。



うちはもう引き取れない。

こんすけだから引き取れたのだ。

オレコとの相性を考えても、

壮年期のオス犬との同居は無理だ。

広いスペースで顔を合わせないで、

運動できる時間もあって、というのでないと。




気になるがどうしようもなかった。

顔を見て、姿を見たら、

なんとかしてあげたいと思うかもしれないけれど、

現実的に、そのパワーはなかった。



飼い主は、

あとに残された犬のことをどうするとか、

決めておくべきだよね。

自分がさびしいからと言って、

「犬でもいれば」

といって買うのはだめだよね。

ちゃんと犬を幸せにします、

そういうお世話をします、

というのでないと、だめだよね。



悩んでいても私には力がなく、

どうにも仕方がないのだが。

師走の井戸端会議では、

犬好きの方たちもいて、

彼らがなんとかしてあげたいねえ、と、

言っていたことに、期待しているが、

うまくいくかどうかはわからない。



悶々としていた時、ミグノンのブログを見たら。


法律から見たペットトラブルの講演とパネルディスカッションでは、とても相談の多い「親が亡くなったので動物を引き取って欲しい」問題がスッキリした。
なんとなく、家屋や財産と一緒に動物も相続するんだから、動物だけ引き取れっていうのはおかしな話し、と考えて話しをしてたんだけど合ってたみたい。
いま相談されている10頭越えの人たちは、早く引き取りに来てくれないと家の処分ができない。
私は譲渡に向けてワクチンと検査と写真撮影を早くして、すぐに移動させたいなら親戚か近くの病院かペットホテルにいったん預けて、と話しても引き取れしか言わないから話が進まなかった。
先生が言うには家を売るためには動物をなんとかしないといけない、資産価値もどんどん下がる、と言っていたのがヒントになったから、そこを全面に出して説得してみよう。


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これからこういう問題はどんどん増えるはず。

なぜお金になるものだけを相続するという考えなのか、

それでいいと(親戚同士などで)されるのか、わからないが、

自分に置き換えてみて、もしそういうことがあったとして、

その人が犬や猫じゃなくて、私の苦手なヘビだのをたくさん飼っていて、

それも相続すべきなのだといわれたら、どうしたってヘビは無理だから、

なんとか引き取ってもらうように動くだろう。

引き取ってもらえないとなったら、仕方がないので、

可愛がることは無理だけど、面倒を見ることになるだろう。

ただ残された資産をそこに使えばいいという恵まれた状況なら、

そういうことに費用を使うと思う。


そんなことしたらもらえるお金が減るからやらない、という選択は、ないだろうな。