骨董・古物のワールド

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「人民戦線の史的考察」(中間報告) 東亜研究所発行 No. 1549

2019-11-15 13:11:17 | 戦時下の文物

 私、もとより共産主義運動の知識など皆無でありますので、ピントは最初から合っておりません。申し訳ございません。ただし古いものに興味のある立場ですので、どんな種類の御品であれ、分かる分からないはさほど大事なことではございません。

 古い御品に興味があるというだけでございます。まず東亜研究所でございますが、昭和13年に企画院の一部署として設立された日本の国策を立案する機関でございました。この本は世界各地の人民戦線の進行状況を分析する目的で書かれております。私が特に注目しましたのはその中でも「支那」の人民戦線の現状分析でございます。ソビエトによれば当時の支那革命はブルジョア民主主義革命にすぎず、支那共産党の勢力の伸長が一部地域では認められるが、全中国の共産化を完成するには程遠いと分析しているようでございます。

 ややこしいお話はおいておきまして、この冊子の表紙の右上に「秘」の判子がありまして通し番号の63が打ってありますので、厳重に管理されていたのが分かります。現在からすれば何でもない内容ではございますが、当時の日本の状況下では"危険な取り扱い注意の御品"であったのでしょう。


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