高さは約7.2cmくらいの小ぶりですが、煎茶の御道具としてはほぼ標準的な大きさでございます。鉄砲口の御品でございます。その用途は茶葉を入れて湯を投じて、茶味を出してさらに茶碗に注ぎ分ける、煎茶の道では最も主要な御道具とされています。
このような小型になったのは中国の明時代からでございまして、最良の茶味を出すにはこのような小容量を扱える形状が好ましいとされているようでございますが、門外漢はさっぱり分かりません。
芭蕉の葉の模様は江戸時代の末頃から非常に好まれておりまして、今日では日本でもよく見られます。中国原産のようで、煎茶の源を思わせる好ましい模様と考えられたのかもしれません。