今年最初の出し物ですので、持ち主に似合わない、派手目のお品をだしました。昨年、いつもお世話になっている方からお譲りいただきました。まことにありがとうございました。常にはひねくれた出し物が多いのですが、今日はめでたい日ですのでたまには素直なものでいいかという感じです。
時代は元禄時代で輸出用の製品です。比較的に数があります。中国の景徳鎮が明朝の衰退とともに西欧諸国への輸出が出来なくなり、オランダの要請で伊万里において代替品を製造して輸出したのです。想像するに景徳鎮の陶工も17世紀の初めには日本に渡ってきて、磁器製造を指導して初期伊万里が始まり、九谷様式の染付や色絵、柿右衛門様式など一連の発展の流れの一部と思います。
ちょっと蛇足でありますが、何を買うかということはもちろん大事ですが、もっと大事なことは誰から贖うかというほうが、100倍くらい大切と考えます。世間というものは人と人がつながって、なにかの出来事があるわけです。それ以外のことはなにもありません。それは骨董・古物の世界も全く同じです。皆様におかれましても本年こそ”良い出会い”がありますように祈念して駄文を終わります。