FPの胃袋 ~FP・社労士 川部紀子のブログ~

ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士 川部紀子の腹の内。

FP・社労士事務所 川部商店

ディープ仙台

2007-09-12 | FPの胃袋(旧ブログ)

ディープ仙台

ディープ仙台

ディープ仙台
なんだよ、このにおい…。
女1人でこの店に入るのはどうかと思うけど、3泊4日の仙台出張を満喫すべく、のれんの破れたこの店に入る。
わかった、このにおい!
カビのようなホコリのような、何とも言えないこのにおい。
生まれ故郷、占冠村のボロボロの納骨堂のにおいだ。

とにかく、散らかっているし、ペトペトしている。
客は私1人だけ。
たいして飲めないくせに、ビールを注文すると、出てきたのは、おっと、瓶ビール!
この店、“狸”っていうらしい。
ママのお母さまが昭和28年に始めたっていうから、実に54年の歴史を誇る。
今のママは、「私は美容師で全く水商売知らないから…。」と言うが、後を継いだのは昭和50年。
後を継いで、32年って、ママ充分知ってるよ、水商売。
と思ったけどね…。

私は瓶ビール1本は飲めないから、ママにお酌しながらおしゃべりを聞く。
ママのお父さまは無声映画の活弁師だったそうで、「チャップリンの映画もやったし、NHKにも出て有名人だったの。」
と、東北独特のアクセントで嬉しそうに話す。

頼んでもいないのに、焼き鳥10本と“豆腐汁”なるものが出てきた。
「ウチのフルコースです。これを食べれば、帰りにラーメンを食べなくても大丈夫!うふふ。」とのこと。

壁には、お父さまが書いたという、文章やらメニューが貼ってある。
焼き鳥は“70両”。
そして、お父さまお気に入りと思われるこのフレーズがあちらこちらに見られる。
“酒はエヘラエヘラ飲むもの”
なんて素敵なことばなんだろう。

小さなテレビで流れているのは、なんとも見事に昭和の歌謡曲。
阿久悠さんが亡くなった関係で、たまたま特集をやってただけなんだけど、この偶然の演出に私はシビれるのでした。

お酒という文化、そして、その文化の歴史と情緒を感じた仙台の夜でした。