遺族年金の相談がありました。
ちびっこ1人と専業主婦の若い奥さまが残されました。
遺族年金として一般的に考えられるのは、①遺族基礎年金+②遺族厚生年金の2階建て。
でも、ご主人は会社を辞めて数日後に亡くなったといいます。
つまり、①基礎年金よりはるかに額の多い②厚生年金が出ないんです。
民間の保険で言えば、解約して数日後に亡くなったというイメージ。
いや、民間の保険には無いおまけみたいな決まりがあるので私はそれに期待しました。
会社員の間に初診日がある病気を原因として5年経つ前に亡くなっていれば、②厚生年金支給の可能性があるのです。
でも、ダメでした。
どう考えても病院にかかっていないんです。
①基礎年金だけということで、年間1,020,000円、息子さんが18歳になるまで支給ということになるでしょう。
奥さまは言いました。
「有給が30日くらい残っていたんですよ。それでも、ダメですよね。」
悲しみもつかの間、ちびっこと2人で食っていかなければいけない奥さまは、「有給をフルに使って退職していれば…。」と考えるのもわかるわかる…。
かわいそうだけど、でもでも、この奥さまは若くて健康で冷静で話も分かる人だったので私は発想を変えてもらおうと思ってもっとキツいことをはっきり言いました。
「この遺族基礎年金が出るだけラッキーかもよ!」
だってね、このご主人よぉ、フリーター期間がかな~り長くて、軽く10年以上は年金保険料をブッチしてるよぉ。
年金の支払いを免除してもらう手続きなんか当然していないし、まともに払った期間なんてここ2年ほどの会社員の期間だけじゃん。
①基礎年金だって、ホントは納付要件でダメっぽかったものを、法律の特別付録みたいな決まりでギリギリ満たした感じだし。
そう考えると、この①基礎年金だけでもありがたく感じる!よね、って話です。
考えようによっちゃ、離婚による養育費より額も多いんじゃない!?
そして、この奥さまっていうか、この女性に、私は働いてもらいたいです。
ちびっこも来年は学校に行くわけだし、フリーターにだって会社員にだって公務員にだって社長にだってなれるじゃない。
こんなにつらい思いをしたこと、年金の仕組みや必要性が分かったこと、そして、自分は頑張れるってこと。
そういうことを、世の中にどんどん発信して強く生きていってよね。
夫の退職日や死んだ日にちのことを悔やんで生活保護ゲットのために作戦を練るよりも、自分にも家族にも社会にも貢献できるくらい前向きに頑張ってよね。
って思うんです。
やっぱり年金は大切だってこと、でも自分も頑張ろうよ、ってこと、いろんなことを考えさせられる案件でした。