角灯と砂時計 

その手に持つのは、角灯(ランタン)か、砂時計か。
第9番アルカナ「隠者」の、その俗世を生きる知恵を、私にも。

#003 「気持ちは解るよ」

2014-12-18 20:37:26 | 私の嫌いな言葉
「うん、うん。気持ちは解るよ」
と、気軽に言う人がいます。
「いい人」なんだろうと思います。

でも、じゃ、気持ちを解ってくれて、何かしてくれるのか、
というと、
ほとんどの場合、何もしないんです。
何故って、
たぶん、話の内容を「理解」しているだけで「共感」してないから。

でもまあ、そういう人は、
みんなの友達になろうとして、誰の友達にもなれないだけだから、
放って置きましましょう。

放って置くわけにいかないのが、
「テロは許せないが、気持ちは解る」などと言っちゃう人です。
「気持ちは解るが、テロは決して許されない」ならいいんです。
二者は全然違います。

「気持ちは解る」を主文にしてしまう人は、
実際テロで犠牲になった人や、その家族を前にしても、
同じことが言えるのでしょうか。

テロというのは、その性質からして、標的を選びません。
というか、
標的にしやすい、つまり市井の普通の人を狙って恐怖させることを
テロリズムと言うのです。
自分や、自分の家族が、直接標的にされることも有り得ます。
カナダでも、オーストラリアでも、
たまたま、そこに居合わせただけの人々が狙われました。

それでも、やっぱり「気持ちは解る」のかなあ。

「弱い者ほど相手を許すことができない。
 許すという気持ちは強さの証なのだ」

と、ガンジーさんは言ったらしいのですが、
私自身、私の家族がテロの犠牲になった時、
そう在りたいとは思いますが、自信はないですね。

「気持ちは解るよ」の人は、
ものすごく強い人なのか、あるいは、
それを気取っただけのチョー無責任な人なのか、
どちらかだと思います。


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