就職活動、略して「就活」。
何でもかんでも省略して言うこと自体、
私は好きになれないし、
本質は、
「何時でも、何でも、何処ででも働く社員」として、
会社に入る「就社」だろう、
と思ったりもするわけですが、
それはともかく、
経団連。一般社団法人、日本経済団体連合会。
(ホームページ→http://www.keidanren.or.jp/)
色々言われて変えてみたけど、
結局色々言われるんで、
やっぱり元に戻そうかなあ、
というニュースです。
(Web産経ニュース:就活日程「元に戻すのも選択肢」 経団連会長がルール見直し言及
→http://www.sankei.com/economy/news/150907/ecn1509070035-n1.html)
そもそも、経団連加盟企業が全てではないし、
もともと、私には縁のない世界の話ですが、
いささか恥ずかしく、
当事者にとっては迷惑な話でしょう。
素朴に「何じゃそりゃ」と思ったのですが、
そんな中、
山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]という人の、
「就活問題をこじらせた経団連「指針」の本質的欠陥」
(DIAMOND online→http://diamond.jp/articles/-/78148)
という、ちょっと素敵なコラムに出くわしました。
〈批判を受けたことは認識しているが、大きくは変えたくないし、そもそも現時点で何をどう変えたらいいのかが分からない、という本件に関する経団連の当事者能力のなさがよく伝わって来る大変残念な会見だ。
社員の採用は企業経営の根幹に関わる重大事だ。榊原氏も経営者であるから、本件について何らかの定見を持っていて然るべきだ。余計なおせっかいだが、彼の出身企業の経営は大丈夫なのかと心配になる〉
こういうジャブの出し方、好きなんです。
〈ルールが変わったことで良くなったことは一つもないし、ルールが変わったこと自体も悪影響を及ぼした、というのが率直な実感だ〉
〈就職活動期間の長短のメリット・デメリットは一概に言えない。
学生・企業によっては、じっくり時間をかけて選びたいというケースもあるし、早く終わってくれる方が好都合だという場合もあるだろう。
そもそも、企業が採用活動に関して制限を設けることがおかしいのだと思い至る〉
ふむふむ、です。
で、
〈なぜ「採用活動の指針」という名の協定が存在するのか。ズバリ言ってしまえば、経団連企業は、採用という本来競争的であるべき行動に関してカルテルを結んでいるのだ〉
だと指摘して、
〈まず、経団連は、「採用活動の指針」を廃止して、企業の採用活動に一切関与しないことを宣言すべきだ、というのが結論だ。
第一の理由は、それが一番フェアだから。
第二の理由は、企業も学生も、お互いの合意に基づいて好きな時期に好きな契約を結べることがより便利で合理的だから。
第三の理由は、企業も学生も「大人」なので、自由な合意に干渉すべきではないからだ〉
と、しています。
山崎 元さん、気に入りました。
もうひとつ、
こちらは新聞コラムなだけに硬い文章ですが、
趣旨は解ります。
(Web産経ニュース:学生と企業を消耗させる就活 新卒一括型から通年型に見直しを
→http://www.sankei.com/column/news/150919/clm1509190009-n1.html)
〈今回の見直しがうまく機能しなかったのはなぜか。それは産官学によるルールを守らず、抜け駆けする企業が相次いだからだ。このまま元に戻してもルール破りを許していては、同じことの繰り返しになるだけだろう〉
〈今の就活は学生だけでなく、企業にも多大な消耗戦を強いている〉
まあ、そうでしょう。
けれども、
〈「経団連に加盟していない企業がルールを破る」というなら、社会全体でルール順守を促す仕組みを考えたい〉
というのは、やや無い物ねだりで、
経団連に対する義理(?)を感じます。
それでも、
〈ただ、こうした騒動は新卒一括採用を前提としているために起きたものだ。本当に優秀な人材を確保するには通年型採用に移行し、中途を含めて広く門戸を開くべきだ。留学や社会人などの経験がある多様な人材を獲得することは、その企業の競争力強化に必ずつながるはずだ〉
と、一括採用自体への疑問を呈して、
それを結論としたところは素晴らしい。
企業にとって効率が良いのは確かでしょうが、
そこ(採用)の手間を惜しんでいては、
生き残るのが難しい時代だろうと、私も思います。
現状、
日本で、いくつかの企業を渡り歩くのは、
物凄く優秀な人か、
ちょっと、どうしようもない人か、
あるいは、不幸にしてリストラ、倒産に出くわしたか、
の、どれかで、
一般的とまでは言えません。
たとえツマラナクても不満があっても、
たまたま(!)入社した会社で頑張るのを美徳とするような、
厄介な誤解がまだ根強くあります。
マクロ経済が好調で求人倍率が高い、
というのが大前提ではあるのですが、
中途採用がもっと「普通」になって、
「転職」ならぬ「転社」が容易になれば、
結果として雇用労働者の待遇も良くなっていくと思います。
そうそう、
上の産経新聞コラムを読んだ時、
「そんなん言うとらんで、まず自分とこが中途採用すればイイのに」
なんて悪態をついてたら、
翌日、下の「お知らせ」が出ました。
「社会人経験12年未満」という、
実質的な年齢制限は気に食わないのですが、
ともあれ、
「お主、なかなかヤルなあ」
と思いました。
私自身、
どちらかと言えば、所属する会社というよりも、
携わる運行ルートに重きを置く運転手業界の人間として、
入社なり、転社なりが、
もっと容易に、風通し良くなればなあ、
と、願っているところです。
何でもかんでも省略して言うこと自体、
私は好きになれないし、
本質は、
「何時でも、何でも、何処ででも働く社員」として、
会社に入る「就社」だろう、
と思ったりもするわけですが、
それはともかく、
経団連。一般社団法人、日本経済団体連合会。
(ホームページ→http://www.keidanren.or.jp/)
色々言われて変えてみたけど、
結局色々言われるんで、
やっぱり元に戻そうかなあ、
というニュースです。
(Web産経ニュース:就活日程「元に戻すのも選択肢」 経団連会長がルール見直し言及
→http://www.sankei.com/economy/news/150907/ecn1509070035-n1.html)
そもそも、経団連加盟企業が全てではないし、
もともと、私には縁のない世界の話ですが、
いささか恥ずかしく、
当事者にとっては迷惑な話でしょう。
素朴に「何じゃそりゃ」と思ったのですが、
そんな中、
山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]という人の、
「就活問題をこじらせた経団連「指針」の本質的欠陥」
(DIAMOND online→http://diamond.jp/articles/-/78148)
という、ちょっと素敵なコラムに出くわしました。
〈批判を受けたことは認識しているが、大きくは変えたくないし、そもそも現時点で何をどう変えたらいいのかが分からない、という本件に関する経団連の当事者能力のなさがよく伝わって来る大変残念な会見だ。
社員の採用は企業経営の根幹に関わる重大事だ。榊原氏も経営者であるから、本件について何らかの定見を持っていて然るべきだ。余計なおせっかいだが、彼の出身企業の経営は大丈夫なのかと心配になる〉
こういうジャブの出し方、好きなんです。
〈ルールが変わったことで良くなったことは一つもないし、ルールが変わったこと自体も悪影響を及ぼした、というのが率直な実感だ〉
〈就職活動期間の長短のメリット・デメリットは一概に言えない。
学生・企業によっては、じっくり時間をかけて選びたいというケースもあるし、早く終わってくれる方が好都合だという場合もあるだろう。
そもそも、企業が採用活動に関して制限を設けることがおかしいのだと思い至る〉
ふむふむ、です。
で、
〈なぜ「採用活動の指針」という名の協定が存在するのか。ズバリ言ってしまえば、経団連企業は、採用という本来競争的であるべき行動に関してカルテルを結んでいるのだ〉
だと指摘して、
〈まず、経団連は、「採用活動の指針」を廃止して、企業の採用活動に一切関与しないことを宣言すべきだ、というのが結論だ。
第一の理由は、それが一番フェアだから。
第二の理由は、企業も学生も、お互いの合意に基づいて好きな時期に好きな契約を結べることがより便利で合理的だから。
第三の理由は、企業も学生も「大人」なので、自由な合意に干渉すべきではないからだ〉
と、しています。
山崎 元さん、気に入りました。
もうひとつ、
こちらは新聞コラムなだけに硬い文章ですが、
趣旨は解ります。
(Web産経ニュース:学生と企業を消耗させる就活 新卒一括型から通年型に見直しを
→http://www.sankei.com/column/news/150919/clm1509190009-n1.html)
〈今回の見直しがうまく機能しなかったのはなぜか。それは産官学によるルールを守らず、抜け駆けする企業が相次いだからだ。このまま元に戻してもルール破りを許していては、同じことの繰り返しになるだけだろう〉
〈今の就活は学生だけでなく、企業にも多大な消耗戦を強いている〉
まあ、そうでしょう。
けれども、
〈「経団連に加盟していない企業がルールを破る」というなら、社会全体でルール順守を促す仕組みを考えたい〉
というのは、やや無い物ねだりで、
経団連に対する義理(?)を感じます。
それでも、
〈ただ、こうした騒動は新卒一括採用を前提としているために起きたものだ。本当に優秀な人材を確保するには通年型採用に移行し、中途を含めて広く門戸を開くべきだ。留学や社会人などの経験がある多様な人材を獲得することは、その企業の競争力強化に必ずつながるはずだ〉
と、一括採用自体への疑問を呈して、
それを結論としたところは素晴らしい。
企業にとって効率が良いのは確かでしょうが、
そこ(採用)の手間を惜しんでいては、
生き残るのが難しい時代だろうと、私も思います。
現状、
日本で、いくつかの企業を渡り歩くのは、
物凄く優秀な人か、
ちょっと、どうしようもない人か、
あるいは、不幸にしてリストラ、倒産に出くわしたか、
の、どれかで、
一般的とまでは言えません。
たとえツマラナクても不満があっても、
たまたま(!)入社した会社で頑張るのを美徳とするような、
厄介な誤解がまだ根強くあります。
マクロ経済が好調で求人倍率が高い、
というのが大前提ではあるのですが、
中途採用がもっと「普通」になって、
「転職」ならぬ「転社」が容易になれば、
結果として雇用労働者の待遇も良くなっていくと思います。
そうそう、
上の産経新聞コラムを読んだ時、
「そんなん言うとらんで、まず自分とこが中途採用すればイイのに」
なんて悪態をついてたら、
翌日、下の「お知らせ」が出ました。
「社会人経験12年未満」という、
実質的な年齢制限は気に食わないのですが、
ともあれ、
「お主、なかなかヤルなあ」
と思いました。
私自身、
どちらかと言えば、所属する会社というよりも、
携わる運行ルートに重きを置く運転手業界の人間として、
入社なり、転社なりが、
もっと容易に、風通し良くなればなあ、
と、願っているところです。
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