(産経新聞9/30大阪6版)
*Web産経WEST:喉あめ服用で懲罰動議可決 子連れ騒動の熊本市議会
→https://www.sankei.com/west/news/180928/wst1809280102-n1.html
*Web産経WEST:喉あめ服用で懲罰動議可決 子連れ騒動の熊本市議会
→https://www.sankei.com/west/news/180928/wst1809280102-n1.html
新内閣発足とか、新文科大臣の教育勅語発言とか、あるいはお隣さんの言いがかりによる旭日旗騒動とか、それなりに色々あった1周間。なんですが、ワタクシ的に今ひとつぱっとしない気がしたりもして、「さて今週のお題は如何いたしましょうか」と(ウチの)奥様にお訊ねしたところ、「議会でのど飴?」とのお答え。そう、熊本市議会議員の緒方夕佳さんですが、
「それに、我が子は静かだったし、議事進行に全く支障がない状況だった。開会時間も15分ぐらいと聞いていたので、問題なく座って過ごせると思っていた」
「とても機嫌の良い子で開会日は静かに過ごせると確信していた」
という発言にカチンときて以来、(ウチの)奥様的にお気に入りキャラのようです。
*#225 「我が子は静かだったし、議事進行に全く支障がない状況だった」・・・泣く子はダメなの?
→https://blog.goo.ne.jp/kawai_yoshinori/e/22053f000535446fa8011e3d552f0ac3
で、今回は緒方夕佳さんと熊本市議会のお話。
冒頭画像の記事によると、
〈喉あめをなめながらの登壇、是か非か-。28日に開かれた熊本市議会の定例会本会議で、乳児を連れて議場に入り騒動となった緒方夕佳市議(43)が喉あめを口に含んで請願を巡る質疑をしたことに、批判の声が上がった。議事進行が約8時間止まって紛糾。市議会は同日、謝罪を拒んだ緒方市議への懲罰動議を、本人を除く全員の賛成で可決し、議会から退席させた〉
という顛末に、
〈緒方市議は取材に「数日前から体調を崩しており、発言中にせきなどで迷惑を掛けないよう服用した。弁明の機会も与えられず、退席の懲罰は残念」と語った〉
〈市議会事務局によれば、議場での市議の飲食について定める規定はない。だが、批判した市議らは「議会の品位を重んじなければならない」とする議会規則に抵触したと主張している〉
が双方の言い分。
これについて(ウチの)奥様は、腹が立つより呆れてるといった感じで「天然なの?」と呟き。それに対して「いや、むしろ確信犯だと思う。子連れの時と同じで(彼女なりの理屈では)勝算あっての売名行為じゃないの」というのがワタクシの見方。さて、どちらでしょう?
さて、こういう話題が大好きそうなハフィントンポストですが、やっぱりきましたよ。
RKK熊本放送の議会中継動画を見ると、緒方市議が質疑のために登壇しようとした際、朽木信哉議長が「緒方議員、まだ待ってください!」と制止。続けて「何か口にくわえておられますか」と質問。
会場から失笑が漏れ、緒方市議が「龍角散のど飴をくわえています」と答えた。登壇し、緒方市議が「のどを痛めておりまして...」と話し始めたが、その後、ほかの市議から次々と「臨時休会!」と怒号が飛ぶ事態に。
ハフポスト日本版の取材に対し「数日前から風邪の症状が出ており、咳が一度出ると止まらないこともあった。議会の登壇中に、そうした事態にならないよう、サポートのつもりで口に含んだ」と話した。
緒方市議によれば、これまでに、咳をした際に他の市議から「咳がうるさい」などの指摘を受けていたという。
*HUFFPOST:「のど飴」で議会を退席に。乳児同伴で話題になった熊本・緒方夕佳市議に真意を聞いた。
→https://www.huffingtonpost.jp/2018/09/28/ogata-kumamoto-nodoame_a_23545398/
はい、期待通り、うっすらと緒方さんにお味方して援護射撃ですね。〈「数日前から風邪の症状が出ており、咳が一度出ると止まらないこともあった。議会の登壇中に、そうした事態にならないよう、サポートのつもりで口に含んだ」と話した〉なんて言われてしまうと、うっかり「そりゃ無理もない」とか思ってしまいそうです。おまけに〈咳をした際に他の市議から「咳がうるさい」などの指摘を受けていた〉というダメ押しまでありますし。
さらに追撃もありました。
海外メディアもこの一件を取り上げ、熊本議会の姿勢に疑問を呈している。
イギリスのガーディアン紙はその出来事を引き合いに出して、「乳児を議会に連れてきて退席処分になった議員が、今度はのど飴をなめて退席に」というタイトルで、のど飴退席事件を掲載した。
緒方議員本人にもインタビューし「(子供を議会に連れてきた件で)議員たちは自らの態度が時代遅れだと非難され、気分を害しています。それ以来、私が自己中心的で理不尽な振る舞いをしているかのように描きたがっています」という同議員の言葉を紹介している。
テレグラフ紙も「のど飴をなめるという害のない行為で、議会が8時間も延長した」「飲食に関する規則は設けられていないにも関わらず"品位の尊重"に触れると言い張った議員もいた」と、熊本市議会の対応を批判的に取り上げた。
その上で、今回の騒動は「のど飴を職場でなめることの是非」に留まらず、「エチケットやルール、上下関係の融通が利かない社会を浮き彫りにした」と、日本社会をこっぴどく批判している。
*HUFFPOST:のど飴で退席を命じた熊本市議会。海外メディアが批判「融通が利かない社会」
→https://www.huffingtonpost.jp/2018/10/02/kumamoto-city-assembly-cough-drop_a_23547941/
出ました「(海外)ではの神」。〈「(子供を議会に連れてきた件で)議員たちは自らの態度が時代遅れだと非難され、気分を害しています。それ以来、私が自己中心的で理不尽な振る舞いをしているかのように描きたがっています」〉とか〈「エチケットやルール、上下関係の融通が利かない社会を浮き彫りにした」と、日本社会をこっぴどく批判している〉とか、舶来物の権威(?)のその口を借りてモノを言う、のパターンです。緒方さんこそが「先進的」で市議会多数派のオジサン達(誰もそうは言ってませんが)こそが時代遅れだと印象付けたいんでしょうね。
ワタクシとしては、騒動が熊本市議会内のことである限りにおいて、好きにしたら良いと思うんですが、それをネタに日本社会一般を批判されるとなると「いやいや、ちょっとお待ち下さい」と反論したくもなります。
っていうか、ちょっと引っかかるんですけど、
喉あめをなめながらの登壇、是か非か-。(産経新聞、最初の一文)
と、
のど飴をなめていた議員が、退席を命じられた――。(ハフポスト、最初の一文)
とでは、それだけで印象が違ってくると思うんですけど、どうでしょう?
例えばその辺の会議でも、皆の発言を聞いているだけなら喉飴舐めてる人がいても、まあ仕方ないかなと思うでしょう。その人が自席で(!)何か発言したとしても、それも、まあ許せます。けど、登壇して(前に進み出て!)、それでも喉飴舐めてたら、さすがに「うん?」と感じるんじゃないでしょうか? そこはやはり、どの程度「品位」が求められる場面なのかということと関わってくると思いますね、害はなくても。
それこそ、一定数の人達を代表して(身内相手ではなく)外で(エライ人の前に出て)話をするとなれば、少なくとも自分なら喉飴舐めません。
冒頭画像の産経紙面になく、Webの方にだけある「双方の意見」です。
〈傍聴していた同市の無職女性(76)は「民間企業でも、喉の痛みやせきがあれば、のどあめを服用して人前で話すこともある。質疑を止めるほどのことでは無いのでは」と語った〉
〈本会議に出席した大西一史市長は閉会後、報道陣に「あめをなめながらの質疑は、社会人としてあり得ない。非を認める姿勢も必要」と述べた〉
さて緒方夕佳さん、何処で何をするにも自然体の「天然」か、あるいは、時代や社会を批判するために色々と計算した上での確信犯か、貴方はどちらだと思いますか?
ついでにもうひとつ、登壇する時(!)、貴方なら喉飴舐めますか?
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