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先月のことで恐縮です。
今年も、地域の文化センター祭りに木の実工作で参加しました。
地元の里山を手入れするNPOの仲間たちと一緒です。
毎年、里山や河原、それぞれの出かけた先で拾い集めて来た
木の枝やどんぐり、草の実などをテーブルに広げて
子どもさんや親御さんに、好きなように工作してもらっています。
今年は、天候不順が理由なのか、クヌギのまんまるどんぐりが少なく、
例年より一週間、開催が遅かっただけでこんなに?と思うほど
他の草木の実も不作でした。
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わたしは、一番多摩川の近くに住んでいて、毎年こちらでも材料集めをするのですが
土手から降りて「なんだか荒れてる」と思った通り、こちらもまったく当てが外れてしまいました。
去年はセンニンソウの白い綿毛がふわふわと目を引き、
活動写真を展示したパネルを縁取るほど、長い蔓をたくさん採っていけたのに
今年は綿毛をついにひとつも見つけられない有様でした。
それでも諦めきれず自転車を引っ張って歩いて行くと
ひとりの女性とすれ違いました。
とても身綺麗でお洒落な方でしたから、土手でランニングやウォーキングされるわけではなさそうです。
おはようございます、とお互いに挨拶は交わしましたが、視線を逸らされたのが心に引っ掛かりました。
すぐに自転車で男性がやって来たので、また挨拶を交わし、少し離れた場所で見つけたノイバラの実を見ていると
そのお二人が話を始めたのが聞こえてきたのですが
「猫が増えた」「減った」という会話が聞こえてきて、思わずピーン!
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わたしにもやっと合点がいったのです。
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結局、その場所のノイバラも黒ずんでいたので採取は諦め
自転車を向けなおし、お二人のそばに行くと目が合ったので、
思い切って「猫にご飯あげてらっしゃるんですか?」と聞いてみました。
それで、おそらくわたしを猫好きとわかっていただけたようで
先ほどのヨソヨソしさとはうって変った笑顔が返ってきました。
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土手の先の方で、昔から、猫にご飯をあげているおばあちゃんがいるのですが
この場所も、そのおばあちゃんが毎日、焼酎大五郎の空ペットボトルに水を汲んで持ってきていて
その女性を含めた4名で交代でご飯を上げたり、病気のコを獣医さんに診せたり避妊・去勢手術を行ってきたそうです。
いっときはかなりの数がいた猫がとても少なくなり、淋しいような、でも喜ばなきゃいけないような
複雑な気持ちでいたのですが、ちゃんとお世話をしてくださっていた方がいたのです。
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『TNR活動』というやっと耳に馴染んできた言葉こそご存じではなかったですが
捕まえて手術を施してご飯を上げながら様子を見守ってきた、
地道で粘り強い行為を誰に指示されることもなく継続されてきたのです。
猫にもいろんなコがいるのでね、すぐに寄ってきてくれるコはいいけど
具合が悪いのがわかってても、どうしても捕まえられないコがいて、
お医者さんにも連れていけないまま姿を消したコもたくさんいます。
そうおっしゃいました。
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写真を撮らせてね、と言うだけですりすり寄ってくるコ、たしかにいますよね
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春にわたしが見かけたコたちのうち1匹は亡くなったそうですが
捕まえられなかったコが産んだコたちで、今はここに7匹いるので
よかったらおやつを持ってきてあげてくださいね。
と言われました。
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その方が川向こうから来ているとうかがって思い出しました。
うちのダンナが朝走りに来て、たまに川向こうから来ている女性にお会いすると話していたのです。
その話をすると「あら~」と覚えていてくださいました。
というのも、「ねこにえさやらないで~」と言いながら走り去られたり、
お皿を蹴飛ばされたりしたこともあるらしく、人がくると緊張するそうです。
それで最初、わたしにも目を合わせないようにされたのだなと思い至ったのですが
淋しいですね、人間は穏やかに話し合うためにも口があるのに。
ここが気持ちの良い場所になって何年になるのか、記憶にないのですが
以前は笹だらけで、とても女性が一人で歩けるような場所ではありませんでした。
わたしが子どもの頃は、それこそ猫や犬がよく捨てられて行くような場所でした。
そこを地域の方たちが毎月手入れをして、こんなに日当たりの良い気持ちのよい場所にしてくださったので
猫たちが居心地がよいのは、その方たちのおかげでもあるのです。
ですから、手入れの時に思わず撤去したくなるようなことは避けないとなりませんし
猫が好きな人も、嫌いな人も、気持ちよく感じられる場所でなければならないなと思います。
そんな理想を言うのは簡単ですよね
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おやつをあげるほかに、なにか出来ることあるかな?
近いのに、用事がないとなかなか行かない場所です。
でも、できるだけ散歩に行こうかなと思います。
猫も、山も、ごみを捨てないのに、
汚れてると、そのせいにする人たちがいるので、
落ちていたら拾ってこようかな。
あとは、寄ってくるコがいたら頭を撫でてくるくらいでしょうか。
今日は天気がいいから日向で寝てるかもしれません。
仲間たちが必死で集めた材料で出来た作品をもう少し載せておきます。
今年は、「ここに持ってくれば子どもさんにプレゼントしてもらえる」と
自作のどんぐり作品をわざわざケースを買って入れて持ってきてくださった方がいました。
たくさんです。
みんな喜んで持っていってもらえました。
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来年はまたたくさんの材料が採れるといいな~。