クララ(眩草)
学名:Sophora flavescens Aiton
分布:シベリア 中国 朝鮮 日本
別名:クサエンジュ(草槐) 同じマメ科の樹木のエンジュ(槐)
に似ている事からクサエンジュ(草槐)の別名を持つ。
地方によっては
ヒロハクララ(広葉眩草)キツネノササゲ(狐の大角豆)
マイリグサ(未比里久佐)など
花期:7~8月 花色:黄緑色 草丈:60~150cm
シベリア 中国 朝鮮半島 日本に分布し各地の山野に自生する多年草。
草丈60~150cm葉は豆科特有羽状復葉で初夏に茎の先端に淡い黄緑色の
長さ15~18㎜程度の蝶形の花を穂状に付ける。
(クサフジの花の様子に似ているがクサフジは紫色で草丈も低い。)
クララと言うとおよそ日本的ではない外来種という感じの名は誤って食べると
眼がクラクラする事から呼ばれたもので西行法師の歌にも
「荒れにける沢田の畦に苦参生ひて秋待つべくもなきわたり哉」
とある様に古くから知られた在来種である。
花の後の豆果が実る。幾つかのくびれのある円柱形で先端は長く伸び尖っている。
根は木質化して直径2~3cmになる。
花期から結実期(7~9月)に菜根して水洗い後天日乾燥させる。
支根を取り除きその周囲の皮を取り除いたものがクジン(苦参)になる。
皮の付いた物も凡用される。
生薬名:クジン(苦参)根 日本薬局方生薬 漢方処方用薬
名前の由来:服用した際軽度の中毒症状として眩暈を起こす
クララグサ(眩草)より出た名前。
クジン(苦参)は根に苦味があり根が薬用の人参に似ているので
クジン(苦参)の名になった。
クジンに含まれるアルカロイド、フラボノイド、サポニンは
細菌の増殖を抑制しアルカロイドマトマトリン滲出性炎症を改善し
下痢を止める作用が知られている。
漢方処方用薬では皮膚疾患用薬とみなされる処方及びその他に
少量配合される。しかし民間薬としては毒性が強いため使用されない。
鹿田山フットパス(6/22)クララ
クララは昆虫に対しても有毒で茎葉を刻んでウジを殺したり
クララの茎葉やクジンの煎じ汁で家畜を洗い寄生虫を退去したり
植物に付く害虫を殺虫剤にしたりする。
しかしオオルリシジミと言う蝶だけはクララを食草としている。
クララが花穂を出すとそこに産卵し幼虫は花を食べながら成長し蛹になる。
クララの自生地は減少しておりそれを食べるオオルリシジミも減少し
絶滅危惧種に指定されている。
薬草と花紀行のホームページより