夢色

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火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<「散り椿」試写会>

2018-09-21 | Movie

なかなか岡田氏と縁遠くなってしまった最近。。。
それでも一足早く観たかったので、嬉しかった!
実は予告を観てると、最後は悲劇なのかな~って覚悟してたんだけど、・・・まぁ、多少悲劇だったけど(笑)、でも、穏やかな気持ちで観終わることが出来ました


皆の演技が素晴らしかったなぁ。
何より、景色が素晴らしくて。
日本の四季折々が、寒さ暑さを感じられるくらいに芳しく。
流石、大作さんでした。


岡田くんの私的一番は、ゼロなのは揺らがないけど、でも今回、この作品の演技は良い!って思いました。
なんというか、人間らしい、というか。
しゅっとした 作られた几帳面さとか、主人公感が無くて、奥さんの事 とても愛しくて好き!って気持ちが伝わるし、イチャイチャしてるし(笑)
だからこその采女に対するモヤモヤした気持ちだとか、垣間見える「鬼の新兵衛」の強さとか、最後の押さえきれない怒りとか。
若い時の四天王+坂下姉妹の回想シーンの時は、若い時分の青い感じとか。
一つ一つの表情や仕草が、また一段上手さが上がったなぁって思いました。
殺陣も凄くて。
時代劇の殺陣って好きなんだけど、型に嵌ってるところが在るから。
岡田くんのは、実践的で、、、本当にきっと奴は人を殺れると思う(`・ω・´)
笑。
低い位置でしゃがみながら斬り合うとか、刀同士だけじゃなくて合間に体術や手技を入れたりして、ワクワクする殺陣だった。
最後、西島さんと二人で向かったシーンとか、ちょっと黒澤監督時代の時代劇とか西部劇みたいな、スタンダードだけどノスタルジックなオマージュに感じられました。
あ、でも、そのシーンは思ったよりもスプラッタで、ちょっとビビった
最後の最後、思わず声が出てしまって、そんなっ!!卑怯!酷い!!ってなりました。

岡田くんが道場や、霧の中で、一人で刀を振っているところは、本当に綺麗で。
強い物は美しいね。
腰が入って、ブレない。
本物の岡田くん自身の強さや稽古の賜物が形に残るのは、私も嬉しい。
家老に向かって行く、「鬼だ」と言われる時の表情は、怒りと血に塗れて忌むべきものかもしれないのに、否応なく惹きつけられて、言葉にできない凛々しい顔でした。
哀しみと怒りと、強さと、仏界の修羅ってこういう顔をしているんじゃないだろうかしら。


ていうか、蜩の時の家老は、嫌な奴なりに民のことを想っているところもあったりしたけど、、、今回の家老は普通にただ悪い奴じゃん!
笑。
全部、こいつのせいで、そのせいで皆死んじゃったじゃん!!!
ってなった(笑)
そして若様も、勝手な事したからこんな事になったんじゃん!って、ちょっとなった(笑)


西島さんが本当にチャーミングで。
いつまで経っても少年のような笑顔が、素敵です
そして、知的な所も、自己犠牲な所も、萌えますな(笑)
イチオシは、藤吾の前で「久しぶりに篠殿に会いたいものだ」って行ったときに見せた微笑みで、もう本当に胸が掴まれて、キュンキュンしました
笑。
とっても切なく、繊細で柔らかい中に強い芯が通った人だったなぁと。

同じく、新兵衛との縁談を受けた時点できっぱりと采女への気持ちを捨てた篠は、強くしなやかな女性だなと思いました。
昔の好きな人への憧れという気持ちと、今の夫を愛するということは、全く別物として存在することが出来る。
女性にはそういう強さを持てる生き物だと思いました。

華ちゃんも、新兵衛に対する義兄への信頼から一人の男性として慕っている気持ちへ微妙に変化していくところが、女性らしく、でも嫌味なく、可愛らしかったです。

大作さんが斬られたところもちゃんと分かったよ

池松君も、役と彼自身とが、素晴らしいながらも青さがリンクしていて、清々しかったです。
岡田くんが考えた鶴の舞を二人で雪の中振るっているシーンは、綺麗で透き通っていました。


四天王の絆と言うか、覚悟というか。
それぞれが思うところや濡れ衣に対して多くを語らないところとか、良いか悪いかは別として、昔の日本の侍らしさが貫かれていて。
理不尽な事とか清濁混ざっている感じとか、なんというか、それぞれ一人一人や風景一つ一つに血が通った空気感に包まれた作品でした。
それぞれが、「生きている」という命が感じられると思います。
最初から最後まで、スクリーンに釘付けでした。
もう一度、大事に大事にしながら観たい、と思えるお話です。
是非たくさんの年代の方に観てもらいたいと思いました



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