夢色

集めてるもの 見たもの 書きたいものを 思いついた時に。
基本ネタバレ注意。
火月 神の気まぐれ よろずメモ。

<ハムレット@兵庫県立芸術文化センター>

2017-05-06 | 舞台

舞台といえばシェイクスピア。
中でもハムレットは有名すぎて、古典的なイメージがあって、舞台友達も以前観た時に寝てしまったって言うから(笑)勝手に敬遠してました。
でも、やっぱり一度は観ときたいな~とは思ってて。
そんな時に 内野聖陽さんハムレット、叔父のクローディアスを國村隼さんがやるというので、勢いでチケットをポチってしまったの(笑)
大まかなあらすじだけで、今回の舞台演出についてはあまり予習はせずに向かいました。

席は2階の真ん中あたりで、会場をよく見渡せる見やすい席でした。
舞台の上に少し広いステージがあって、その下手側には横向きにステージかぶりつきで観客席が!
キャストさんもお客さんもめっちゃ緊張するやろな~お客さんも舞台の一部になってる
ステージの上手側にはイスが並べてあって、キャストさんがそこで待機していたりしました。

始まってすぐに、あれ?これ・・・一人何役もするんだ・・・ って今更かよ!って一人ツッコみ(笑)
人物認識が出来ない私が付いていけるかな~・・・途中で混乱したら、もう終わりだわ・・・って一抹の不安を抱えながら観たけど、全然大丈夫だったw
それはもうキャストさんたちの素晴らしさが故で。

國村さんはホント良い声で、悪い叔父と殺された父の亡霊とを演じてました。
いや~ ほんとにすごい俳優さんだなって思った。
岡田くんも共演することが出来て、良い経験になったんじゃないかなぁ。
最後追い詰められていって叫ぶところとか、迫力ありすぎ。

ハムレットの内野さんも王子としての気品がある存在感で。
やさぐれてるところも色気がある。

母親の浅野ゆう子さんは、ハマってたと思うなぁ。
テレビでは逆にクサいお芝居に感じるときがあるのだけど、舞台のほうがそれがよくハマってて 王妃としての品もあるし、醜さや弱さも感じられるし、上手だなーって思った。

オフィーリアを貫地谷しほりちゃんがやってて、超可愛かった!
気が狂った後の支離滅裂な感じ、それでも良いトコのお嬢さんの品の良さ、純潔な感じが、天真爛漫な雰囲気のしほりちゃんによく合ってた。

旅一座の村井國夫さんはもう、さすがって感じで、修羅場の再現を演じてるところとか貫禄抜群。


基本はシリアスで進むんだけど、意外にハムレットとかが面白い事を言ってきたりして、笑いが起こるシーンがいくつかあったので、それも良かったなぁと思います。
緩急ないとね。

音楽には、尺八の生演奏が使われていて、なんと贅沢!ってなりました。
役柄に合ったカラーの衣装が、それぞれ何となく和風をミックスしたようなもので、カッコよかったです。
ちなみに、「to be or not to be…」の訳は、「あるべきか、あらざるべきか…」になってました。。。ちょっとピンと来なかったかな・・・。


で、舞台としては。
なんかね~・・・ほんと、演劇!って感じの舞台だった!(笑)
セリフが芝居がかってるというか、意味のない言葉遊びが重ねられてて、なかなか話が進まない端的に必要事項だけをドキュメンタリーみたいに描いていったら半分くらいの時間に収まるんじゃないかって感じ(笑)
だから多分、合わない人にはシェイクスピアって合わないんだろうな~って納得した
私は逆に、そのザ・舞台って感じが、「おぉ~!いいぞいいぞ~これぞ舞台!これぞシェイクスピア!面白いではないか!」ってめっちゃ楽しんでた(笑)
どの役もセリフの長回しが多いから、よくこんな長い台詞を覚えて 間違えずにしゃべって、しかもそこに感情を乗せるという。。。役者さんってほんとに凄いよねぇ
あ、内野さんもちょっと噛んだけど違和感なく修正してた。
周りで船漕いでる人がチラホラいたけどそんな中で私はグイグイ引き込まれて、どんどんワクワクするのが自分でもわかって、あぁ、これがシェイクスピアなんだ!って思ったし、一番最初に観たハムレットが、このキャストにこの演出で、本当に良かったなぁって嬉しくなった。
グッジョブ 私(笑)

ホレイショーの北村さんが影の主人公って感じで、彼の口から語った経緯を見ていたんじゃないか、って思うくらいだった。
最後に、フォーティンブラスを内野さんが威風堂々と演じて、弔砲が聞こえる中を逆光でステージの正面から奥へ歩いていくところは鳥肌でした。
そして、全てが終わった後、ホレイショーが一人静かに去っていく演出が素晴らしかったと思います。
少しの虚しさ。
これって正統派の舞台に欠かせない物かなぁって思う。

ストーリーとしては最後はホレイショー以外の皆が死んじゃうから、我に返ると、「・・・・・・・・・で?(´・ω・`)」って真顔になるけどもw
や~ 落ち着いて考えると、主要キャストは結局は自己愛と自己満足で突っ走ったがために死ぬことになるんじゃないか・・・?
まぁシェイクスピアは、そういう 人間が最も人間らしいところを表すのが上手ってことなのかなぁ。
金閣寺の時にあったけど、分からない・・・でもえーねん!面白い!気に入った!楽しい!っていう気持ちを、ここでも久しぶりに感じることが出来ました
いつも思うけど、本でも絵でも音楽でも 何でも、長い間が経とうとも繰り返し観られて、極上だと評価されて、残り続けているものって言うのは、やっぱり素晴らしいなって。
面白かったって思っても、何度も読み返したい、観返したいって思う本や映画は、やっぱりほんの一握りだし。
そんな中で残って行ってるものっていうのは、やはり何かしらの”他のものとは一線を画した何か”を持っているんだろうなと思います。
それが好みかどうかは別の問題なので、私の好みではないけども良い、とか、そりゃあまり超一級品ではないかもしれないけど、私は好き、っていう物を見つけると、普通の好きとは違う不思議なドキドキがあります。
それを私は、「あぁ今アドレナリン出てる感」と名付けてる(笑)
これ何?! 何か分かんないけど、好き!! っていう気持ちで、終わったらぐったりするんだけど、それが心地いい疲れなんだよな~


シェイクスピア初心者でも楽しめる舞台だったと思います。
難点はイスが合わなさ過ぎて、ほんとしんどかったことくらい

はぁ~ 独特の言葉使いに若干眉間にしわを寄せながら観てたけども、端的に言って、これは面白い!!
やっぱり古典をきっちりと体験するのも、良い事だなぁと思い、大満足して帰ってきました。


<回るエスプリ。>

2017-05-05 | ごはん

今日はママン&パパンの誕生日も込みで、家族ごはんに行ってきました~
高島屋の「リュミエール レスプリカ」は、以前友達と行ったリュミエールKARATOの姉妹店。
優しくてとっても面白いマネージャーの田中さんの、丁寧なサーブを受けて楽しい時間を過ごせました。
どれも美味しかったので、詳しいメニューは覚えてないけど(笑)
 
 アサリと~ ん~・・・一番下は安納芋のリゾット。
名物 野菜の遊園地  こないだとはまた違った盛り付けにテンションup
ガラスプレートの下は、本物の土なんだって。インスタントコーヒーじゃなくて(笑)
食べちゃダメだよ、ってママンに忠告しといたw

 ぷりっぷりのエビと、お米のあられで揚げたもの。しっかりと野菜の味がソースに凝縮されてる。
オレンジ色のはルタバガっていう根菜のソースで、生の時は白いのに、火が入ると黄色っぽく色が変わるんだって。
何回も聞き返す・・・ルタバガ・・・(笑)

 国産牛とポークの串焼き。ソースで串を描いてるのがおシャレ ボルチーニ茸のソースがたまらん

小さな手巻きオルゴールでHappy birthdayの歌を鳴らしながら(笑) チョコレートでメッセージの書かれたプレートを持ってきてくださいましたわーいわーい

 デザートは、マンゴー! マンゴーのかき氷にミルクジェラートと、マンゴーのピューレソース

 カフェオレにはメッセージ付きでかわい~

 クッキーと、抹茶ケーキと、しゃりしゃりパンナコッタ

美味しい白ワインと一緒に、ごちそうでした


<海北友松展@京都国立博物館>

2017-05-05 | Art

実はあまりちゃんと意識して知っていたわけではなかったのですが、建仁寺の龍は大好きで、今回京都でその絵師・海北友松の展示があるということで、やって来ました。
GWだし、めっちゃ混んでたらどうしよう~って思ってたんだけど、覚悟してたほどには全然混んでなくて、逆にビックリ
皆、どこに行ってるんだろう・・・(笑)

 三十三間堂の向かいにあるレトロな建物。でも今回はその隣に建てられた平成知新館での展示です。
前は明治古都館に行ってた気がするんだけど、気のせいかな・・・?
今回の平成知新館はとっても近代的な建物でした。

海北友松は、どちらかというと海外のほうが有名なのかなぁ。
龍を描かせたら右に出るものはないと言われてたみたいで、本場の大陸の高官が描いてくれと求めるくらいだったそうです。
 

力強い初期の松や、建仁寺の障壁画もなかなか見事です。
水墨画は、水面に浮かぶ2隻の舟がシュッとした筆遣いで幾何学的な印象。
とくに私は、墨の濃淡だけで描かれた 木の幹が画面の上のほうで ふっと消えて見えなくなる描き方が気に入りました。

斎藤利三や、三成といった武将とも親交があったようで、ここで三成が出てくると思わなかったよ~ 
もともと武士の出身でもあり、いろんな武勇伝があるみたいで、楽しい人だなと思います。

龍の絵はやっぱりすごくて、いくつか作品は展示してあったけど、やっぱりメインの阿吽の龍が一番好きだな~。
圧倒的な迫力なんだけど、どこか可愛らしいファニーな感じが好き( ´艸`)
鼻毛もしっかり描いてたり(笑)
雲に見え隠れしながら空を翔る様に描かれているので、平面なのに躍動感が溢れています。 

後の龍の部屋は、照明を落として 龍ばかりを並べて展示してあるのも、面白かったです。
でもやっぱり最初のメインの掛け軸のほうが好きだなあ。

次いでは、「花卉図屏風」が煌びやかで、思わず歓声を上げそうになった!
満開の牡丹もだし、対になってる梅の屏風のほうも、梅の枝ぶりが優美です。

一番最後に展示してある「月下渓流図屏風」は、アメリカから60年ぶりの里帰りなんだって。
静かに照らす月明りの中、流れるせせらぎが静かなのに息遣いが聴こえるようで、ずーっと眺めていたいくらいでした。

動物の絵も独特で、「野馬図屏風」はいろんなアングルの馬が描かれているのだけど、一頭 ぷりっぷりのおちりが描かれてて(笑)思わず笑いそうになった
それに、別の一頭は顔が、情けないアニメに出てくるキャラクターみたいに目が点々、な感じで。
でもそれがへたくそ、とは思わない、ちゃんと芸術になっている、そのギリギリの描き方が流石だと思います。

「柏に猿図」めちゃくちゃ可愛かった!
黒白のテナガザルの毛並みがふわっふわで。
こっちおいでって手を出したら、そのまま手を伸ばして腕の中に来てくれそうなくらいに可愛かった 


特別展の間には、仏像の展示も挟まれていたりするので、結構なボリュームだと思います。
またしても足が壊れるかと思った
そして、こうやって一堂に会するところでみるのもいいけど、次は建仁寺でそのままの姿で観ることが出来たらいいなぁと思いました!

グッズも可愛いのがいろいろあって、 お猿さんをデフォルメした一筆箋が可愛すぎて一瞬だけ迷ったけど衝動買い
先日はミュシャを観たけど、やっぱり日本画も 静けさと勢いがあって、良いなぁと思いました。
展覧会は21日まで、おすすめです