夏の衆参ダブル選挙へまっしぐらといった様相になってきた。
消費税の値上げを見送るからと、だまし討ちの解散総選挙で安倍首相が大勝したのは1年半前のこと。その味が忘れられないとみえて2匹目のどじょうを狙おうとしている。
著名な経済学者らを官邸に招いては『値上げは見送るべき』と進言させる演出が続く。ただ、いくらもともと軽薄な性分だったとはいえ「リーマンショックや大震災のようなことがない限り値上げする」と言い続けた手前、値上げの中止はアベノミクスの失敗を認めることになることぐらい分かっていようから、再度の見送りの口実が難しい。
もっとも、前言を翻すくらいのことは恥と思わない厚顔無恥ぶりの人間性だから、選挙のためなら恥はかき捨てといったところ。
「消費税値上げを先延ばしするから国民に信を問う」と、同じ手口で解散しダブル選挙に持ち込み、大勝するというシナリオはもう出来上がっている。過去のデータをみればダブル選挙に自民党が強いということは立証済みだ。
そこまで、恥も外聞もなく選挙に勝つことに執念を燃やすのは、憲法を変えたいからだ。戦争の放棄を誓った憲法9条を廃止したいという安倍首相の個人的な趣味に他ならない。政治は国民のためにあるもの個人の趣味で世界唯一の平和憲法を改悪されたんじゃたまらない。
かつてのファシズムは軍靴の音をたててやってきたが、今はソフトスーツに身を包み革靴を履いている。それでも本性は変わらないから、意に反するマスメディアに圧力をかけて口封じをする手法は、ヒトラーのような独裁者のそれとなんら変わらない。
同じ手口でまた騙されるのか、国民の賢さが問われようとしている。