みんな世間体を気にして生きている。
「世間」という得体の知れない厄介なものに支配されて。
窮屈なのに、ほとんどの人がその窮屈さえも気づいていない。
ある人が言う。
「この世なんてすべてはまぼろし。世間も自分さえもやがて消えていく」
この言葉の境地に辿り着くのは、ずっとたってからのこと。
その時は意味すらもわからなかった。
続けて、こうも付き加えてきた。
「その世間があなたがしんどい時に助けてくれることはない」
「なのにそんな世間に気をつかい窮屈に生きているのは時間の無駄」
「それに、あなたにずっとかまっているほど世間も暇じゃない」
「あなたが思っているほど世間はあなたに興味なんてないのだから」
そこまで言われれば、苦笑いするしかない。