西武新宿線、上井草駅徒歩7分、とにかく場所がわかりずらい。
電柱などにちひろ美術館の案内看板があったのに、途中でなくなり、ちょっと迷った。
場所は住宅街の中にあります。
ここはちひろさんの自宅があった場所を美術館にしたものです。
従って、美術館は4つ部屋に分かれて展示されています。
これは館内です。コーヒーが飲める落ち着いた雰囲気です。良いですね!!
中庭の写真です。ちひろは花が好きだったようです。
花が好きな人はやさしい人ですね。女性でも花が育てられず、枯らしてしまう人がたくさんいます。
見習って欲しいものですね。
館内に入るとちょうど館内の方がレクチャーをする、というアナウンスがあったので参加いたしました。
こんな感じでした。写真撮影不可、という注意書きがなかったので写真を遠慮なく撮らさせていただました。
これがちひろの写真です。
今回のテーマは「ちひろの赤ちゃん」
ちひろは32歳の時に長男、猛さんを生みました。
ちひろは生まれてきた赤ちゃんの写生をしました。何枚も何枚も。かわいくてしょうがなかったのです。
しかし、生活が苦しく、夫は司法試験の勉強中で収入がありません。収入はちひろの絵筆の収入しかなかったのです。
当然、生活は苦しい。やむなくちひろは赤ちゃんを長野にある実家に預けました。
そして絵筆で収入を稼いで、お金がたまったら実家に帰り、赤ちゃんに会いにいきました。
そしてデッサンを何枚も描く。こんな生活が10ヶ月も続きましたが、ようやく、上井草に一戸建ての新居を得ることが
できたのです。かわいい赤ちゃん、自分の赤ちゃん・・・・・。
赤ちゃんのかわいい水彩画。これがちひろの水彩画の基本となったのです。
これはちひろの作品です。
ちひろの水彩画の特徴は、下書きがないこと。髪のソフト感を出すために少し鉛筆で使っているだけです。
あとはサインに「ちひろ」と鉛筆で使っていますが・・・・。
とにかくこの方は下書きなしでいきなり水彩で絵を描いていたのです。
これはデッサン力がないとできないことです。
その証拠に、ちひろは赤ちゃんの一瞬の動きを的確に捉える能力にたけていたのです。
特に、赤ちゃんの手や足の指の動き、水彩で描かれているのですが、よく見ています。
見事です。ぜひ見に行ってください。赤ちゃんの一瞬、一瞬の動きを捕らえることにすごくたけています。
これはちひろのアトリエを再現したのもです。
落ち着いた中で絵筆をとっていたのですね。
私も絵を描いていますが、アトリエ?らしきものは、LDKの片隅に3畳位のスペースがあるだけです。
できれば、ワンルームでいいのでアトリエを持ちたいです。できれは夜景の見える高層マンションで好きな
ワインを飲みながらクラッシック音楽を聞きながら、デザインしたい・・・・。
すいません、私情を挟んでしまいました。
ちひろは1974年9月にがんで亡くなりました。55歳でした。
今回の展示会は絶筆の赤ちゃんの絵がありました。
これは1974年6月23日、アトリエにあった未完成の赤ちゃんの絵を息子さんが病室に持ってきて
療養中であったちひろに赤ちゃんの目と口を入れてもらい、完成させたものです。感動ものでした。
最後までやさしい表情をした赤ちゃんの絵を描きました。
優しい方だったのは写真を見ればわかります。
ちひろの絵画は赤ちゃんで始まり、赤ちゃんで終わったのです。
かわいくて仕方がなかった赤ちゃん。今回の展示会はちひろが一番描きたかった水彩画の集大成だったのかも
しれません。
いわさき ちひろさん。観音様のような方です。