もう ずいぶん 前のことになってしまったけれど
中学に入学することを とても 楽しみにしていた私
私服の小学校だったので 制服にも憧れていたし
「先輩:後輩:部活動」
テニス部に入り ラケットを持って 学校に行くのが かっこいい~
キラキラ輝かしい毎日を想像していた・・・実際は 真逆で 何かと 痛い目にあった中学校生活だった
さて 入学した その日 教室に入ると
やってきた 担任は いきなり じぃちゃん先生だった 8クラスの8組で みんなと 校舎も違っていた
他のクラスは わりと普通の先生だったように みえたけれど
後々「簡じぃ」と名付けられた 担任は ほとんど 笑わないし淡々としていて 小学校の先生とは大違い
中学の先生は そんなものなのかと ずいぶん びっくりした
簡じぃは 常時 無表情だった気がする
そして 静かに 厳しく いきなりの先制攻撃を始めた
それはまず 「起立・礼・着席」の猛特訓からだった
学級委員が「起立」というと すぐに 立たなければいけないのだ
普通のことのように 思うけれど それは 軍隊の様な1秒を切る 早さでなければならない
もちろん だれひとり そんなことは 初めてだったので やり直しの連続だった
一人でも遅れると 全員がやり直しで できない子は名指しされる
名指しされたら みんなの視線をあびるので ちょっと ふざけたい男子も
繰り返し やりなおしがかかるので 終わらない挨拶に 全員がウンザリする雰囲気の中
すぐに 完璧にできるようになった
正直 みんな 陰ではぶぅぶぅ 文句を言っていた
そんな 個性的な先生のクラスにも 慣れた6月半ば
私は 肺炎になって 2週間ほど 学校を休んだ
その間 まだまだ 小学校気分の私は 一切勉強などしていなかったので
学校へいくと 授業がまったく わからなくなり ついていけなかった
期末テストも泣けるくらい 散々だった
運動も当面 禁止されていたので 球技大会も出られず 教室で 骨折した友人と
あまりのたいくつさに 黒板をピカピカにしていたら
突然 簡じぃが やってきて 「そこに座りなさい」というなり黒板に 数学の問題を書きだした
何回も 何回も 問題を書いて 間違った答えでも 淡々と続けた
そのうち 理解して 答えられるようになると さっさと 出て行った
友人は 「なんで 今 数学やらなあかんねん」といっていたが
とにかく わかるようになった私は 嬉しかった
肺炎になる前 学校で しんどくなった私が 掃除の時間に座っていた時も
簡じぃに 見つかり てっきり 叱られると思ったけれど 「しんどいのか」と淡々と言い 叱られなかった
コミュニケーションなどは それ以外 覚えていないくらいなので なかったように思う
中学2年になって クラス替えがあったけれど
すぐに 条件反射で立ってしまうのは 8組全員が経験したと思う
そして だらだら 立つ みんなを見て 自分が恥ずかしくなったけれど
全員が立つまで始まらない挨拶を 待つ間 いらだちも あった
あの 特訓はなかなか いいものだ・・・とさえ思った
いろいろな 先生がいたけれど 「簡じぃ」は 私の中で 別格だ
どうして おられるのかなぁ