沖縄では「ハーリーの鐘の音で梅雨が明ける。」
と古くから伝えられている。
昔は旧暦の5月4日にハーリーが行われていた。
ハーリーとは元来、航海の安全や豊漁を祈願し、
サバニと呼ばれる伝統漁船で競走を行う行事。
ハーリー船に乗りこんだ漁師たちは船頭の
鐘の音に合わせて櫂を漕ぐ。
ハーリー競走が行われる港から鐘の音が鳴り響く。
この鐘の音が梅雨明けを知らせると
言われている。
現在では5日に行われるところが多いが
古くからの漁村では旧暦の4日に行うところもある。
旧暦の5月4日のことを「ユッカヌヒー」と呼ぶ。
今年は6月の2日が旧暦の5月5日だった。
この日を境に、頑固漁師は雨が続こうが
「梅雨は明けた。」と言う。
6月の1日は沖縄本島では激しい豪雨に見舞われた。
大雨が降った翌日くらいから南西の風が吹き出した。
沖縄において梅雨明け直後に吹く、湿気を帯びた
南〜南西の比較的強い風のことを「夏至南風」と
書いて「カーチバイ」「カーチベー」と呼んでいる。
夏至南風、カーチバイで検索するとたくさんの
お店がヒットする。字も沖縄っぽくて
「カーチバイ」という言葉もやさしく聞こえるからだろう。
しかし、海に出ていく者には、まことに厄介な
風である。西寄りの風が吹くと行けるポイントも
限られてきて、その風が約10日から
長ければ2週間近く続くこともある。
どうやらカーチバイが吹きはじめたようだ。