来月、満100歳になる予定だった父方のおばあちゃんがなくなりました。
数えで101歳。
ケアハウスに来て5年、元気にひとりで暮らしていたけど、去年11月頃から食が細くなり、そのせいか肩で息をするようになったということで今月上旬に急遽入院。ニコニコはしていたけど、いきなり小さくなっちゃって、点滴のおかげで持ち直したけど、数日前に熱をだし、その連絡から12時間後に息をひきとりました。直接の原因は心不全だけど、老衰。大往生です。
それからは大騒ぎ。
キコは最後の”高橋さん”なので、なるべく関わるようにしました。お仕事終わらせて実家へ行ったら、もうおばあちゃんが浴衣を着てお布団に横たわってました。でも、今にも目を覚ましそうな穏やかでニコニコ顔。霊安室がいっぱいでとりあえず実家にご帰宅。
パパは葬儀屋さんの分厚い資料を見ながら、親戚の皆さんと連絡とったり、遠くから来るのでホテル探したり。うちのお寺さんが新井(妙高市)にあるんだけど、近々お願いすることになると思いますって連絡してたんだって。でも、ホテルがないっ!キコも検索するけど本当にない。新大の二次試験?にしては混みすぎ?と思ったら、福山雅治が朱鷺メッセ2daysだった。恐るべし福山雅治。
翌日は納棺。
キコんち、玄関入って左、左に回ってリビングなんだけど、棺が左折できないってことで、お庭の窓から入れることになった!パパが慌てて雪かき。棺って意外と大きい。パパがお庭の雪かきと、やっぱりホテルがとれないから親戚さんが泊まるお部屋のおふとん用意している間に、キコとママとで納棺前の準備をじっと見学。
男女でスタッフさんが来て、まず手を合わせてテキパキと作業。大きいタオルをかけて浴衣から薄いピンク色のお着物にお着替え。エステサロンのように、一人がタオルを持ち上げ、もう一人がするするとひっぱるように浴衣を脱がして行く。ホットタオルで身体を拭き、ピンクのお着物を広げ白い襦袢も広げ、縦にくるくるっと巻いて身体の下から通す。あっという間にお着替え完了。首元にタオルを巻くように立て、うちらからちょっと見えないようにして、たぶん、鼻とか耳とか口に綿を入れてる。こういうのは微妙に見せないような配慮。顔の部分はグローブしているけど、その他は素手です。はい。
うちは浄土真宗本願寺派なんだけど、浄土真宗は亡くなったら49日を待たずすぐ天国行けるんだって。だから、杖や草履、三途の川の通行証?とかの旅支度は不要。ピンクのお着物にセットで付いているから、足元に置いておく。へ〜、浄土真宗そうなんだ。
そしてなんとシャンプー!
首の部分が凹んでいる四角い桶とお湯入りのバケツ、電動シャワーを持ち込み。良い香りのするシャンプーで髪を洗う。で、電源お借りします、とドライヤー!「ヘアスタイルどうしましょうか?」と言われ、「ボリューミーにお願いします」とキコ。髪の毛一本、水滴ひとつ落とさずお見事。
ピンクの着物に合わせてメイクしますね、とクリームファンデーションからフルメイク。いつの間にか、目の下のクマがちゃんと隠れていた。
白いおふとんの上にピンクの着物を着てうっすらかわいいメイクをしたおばあちゃんは、産まれたての赤ちゃんにも見えるけど、ちょうどおじいちゃんのお仏壇の目の前だったから、やっぱり嫁入り前の細くて肌の白い娘さんな感じ。お嫁にいくみたい。
「(燃えないから)指輪どうしますか」と聞かれたので、特別誰かににあげたいという遺言もなかったし、本当にお嫁にいくみたいだったから、ママとキコで「つけたままで」と答えました。おじいちゃんに36年ぶりに会えるのに、指輪してなかったら大変だもん。
こういうの見たくないパパを呼び出して湯灌。ホットタオルで手と足を拭いてあげる。36キロしかないのに、手と足はかなりしっかりしていてびっくり。ほんと丈夫だったんだろうな。骨はスカスカだったけど、筋肉でなんとか立ってたらしいよ。昔の人ってやっぱり動いていたんだと思う。
その後、末期の水。お薬に世話になることなくずっとビールを楽しんでいたので、ビール。口に綿棒みたいなもので含ませてあげる。
そしてやっと中に入れた棺を脇に置き、おふとんでおばあちゃんをくるむとなんと、おふとんの後ろには取っ手がある。喪主のパパが頭の方、キコが足元をなんとなく介添えして4人で棺に入れる。ドライアイスをお腹に置いて白いおふとんをかけ、ケアハウスの方に欲しいと言ってもらったというペアのぬいぐるみと、生前よく作っていた鶴の置物を置いてあげて納棺完了。
お通夜の日は、朝からまた打ち合わせ。ずっと同じ方が担当してくれて当日も司会進行してくれるんだって。パパとママとキコと、ぺちゃくちゃうるさい家族にお付き合いしてくれてありがとうございました。お斎の席順ひとつにしてもあーだこーだと飛び交うんだもん。
そうこうするうちに親戚、家族も到着。三姉妹で喪服を値踏み。「結婚を機にママに”喪服は良いの買いなさい”と言われた」、という教えは皆一緒。で、どうしたかと言うと、次女7万円、三女8万円、そして長女キコ1万3千円・・・。うん、そろそろ新調しようと思ってたんだけどね...。喪服はちょっとカッコ悪いくらいが良いんじゃない?みたいな勝手な言い訳...。
お通夜、お葬式と久しぶりにウチのお経を聞く。なんかよく聞いたなって思う。な〜もあ〜みだ〜んぶ〜、とか、なまんだぶつなまんだぶつ、あなかしこ〜あなかしこ〜、とか。あと、普通の日記みたいな文章を読む部分とか。でも、おじいちゃんの時は、拍子木みたいなのもあって、妹ちゃんと笑いをこらえるのに必死だったんだけど、期待していた拍子木みたいなのがなくて残念。妙高からは持ってこれなかったのかな〜??あと、シンバルみたいなのもあったような記憶が。
と思ったら、もう京都の本願寺行きたくなっちゃって大変!お経聞くの、キコ好きなんだよね。なんか。
お葬式終わって、出棺。やっぱり斎場はちょっと雰囲気違う。急にかしこまる感じ。明らかに喪主のパパがまとう空気感も変わったような気がしたよ。いろいろ書類を確認して大きなドアがパタンと閉まった瞬間、なんか感じた。
そしてお斎。かなり豪勢なお料理です。はい。
でも、途中で斎場へ。すでに棺はなくあっつい空気が充満した部屋に白いお骨が残っている。みんながびっくりしたのが鶴!チラシで作った鶴が何十羽とそのまま形が残っている。紙なのにね、きっと燃える温度が違うのかな?でも、触ると灰になる。不思議な鶴だった。写真あるけどアップロードは遠慮しておきます〜。
おばあちゃん、入れ歯とかはないけどブリッジしてたの。そのバネ?が残ってた。ってことは、キコのインプラントのネジネジも残っちゃうってこと!?ちょっと恥ずかしい...そういうことも歯医者さん言ってよぉ、みたいな。セラミックはどうなるんだろ。キコ、”いまのとこ”指輪はないけど、半端な指輪よりずっとずっと高級なセラミックやジルコニア、クラウンが奥歯に入っているんですっ!これらはどうなるんだろう〜。知っているけど、改めて妹ちゃんたちに、ネジネジ一本あるからびっくりしないでね、と伝えておいた〜。
そして、バスに乗って再び現実のお斎会場に戻ってフルコース後半、鮭いくらご飯やデザートプレート食べたり、人間って勝手。でも、いつまでもメソメソしたって生きていけないから、つらいことは忘れるようにできているんだよ、人間って。たぶん。パパもお寺さんに日本酒注ぎながらすごい飲んでたもん。
パクパク食べていると恰幅の良いお寺さんがおもむろに読経スタート。35日のお経。すでに天国へ到着しているので、天国までの道のりを迷わぬようにというお経じゃなくて、お釈迦様に感謝するお経らしいよ。後から調べてみた。
おばあちゃんの場合は、もう天国のおじいちゃんに会って再会を喜んでいる頃だろうから、結婚式にあたるのかもね。そう思ったら、ご本尊も来ているし、セルフィーする勇気が出た。
これはお斎会場にて、キコすでにワインで酔っ払い。
お葬式の翌日は、ケアハウスのお引越し。入院した時に、もう戻ることはないと思うと一部引越ししたばかりだけど、その時はまだおばあちゃんこの世にいたのに、もういないんだもんね、主人のいないお部屋の引越しは初めてです。パパは悲しみに浸る間もなくバタバタ。斎場からの帰りのバスで5分ほどぐっすり寝てた。パパの寝顔を見るのはなかなかないからやっぱり疲れてたというか、ほっとしたというかなんだろうな。
大人になってから喪主側になるのは初めてだったので、いろいろ勉強になった。おばあちゃんが身体を張って教えてくれた。そして「みんな仲良く美味しく食べて飲んで、いつもニコニコ賑やかに」が、キコんちらしさなんだろうなと改めて思う。
このブログにも書いたことあるけど、100歳のおばあちゃんと36年前に亡くなったおじいちゃんは、この年代にしては珍しい恋愛結婚。戦争の傷を癒すために湯治に訪れた福島で、おばあちゃんを見初めて新井まで連れてきたの。
67歳で天国へ行ったおじいちゃん、36年待ってまたきれいになったおばあちゃんに天国でまた惚れちゃうんだと思うよ。 いいなそういうの