郡上市八幡町 鯉幟寒ざらし
政府は23日、国の財政見通しを示す試算を発表しました。
財政再建の指標として政府が2020年の黒字化を目指していた国と地方の基礎的財政収支(PB)は、高成長を見込んで20年度の赤字幅が10.8兆円に拡大するとしました。
基礎的財政収支(PB)は、黒字になると社会保障費や公共事業費などの政策経費を借金以外の税収で賄える指標です。
今回の政府指標では、来年の消費税増税で得られる税収増のうち、借金返済に回すはずの1.7兆円を教育費無償化に使うとの政府方針と、生産性の見直しにより経済成長率も従前より引き下げたことよるものです。
この結果、高い成長率を見込んだ場合でも、20年度のBPの赤字幅は、昨年7月の試算時の8.2兆円から2兆円超を拡大します。
BPが黒字になる時期は、従来の試算である25年度から、2年遅れ更に、27年度に伸びる見通したなりました。
安倍首相は昨年9月に衆議院を解散したとき、「PBを20年度にする目標」を断念したばかりです。
今年6月には、新たな目標と計画を「骨太の方針」に明記するとしていますが、財政健全化目標は遠退くばかりです。安倍首相は「BP黒字化」を夢に見ているに過ぎません。
5年間の安倍政権は膨大な日銀の金融緩和で、外人投資家の買いで株高の中、市場では海外の投資家の3兆7千万円の売越しが見え始め、世界中の巨大な資金は、一部富裕層に集中しています。
今年に入って東証平均株価は、バブル後26年ぶりの2万4千円超えの最高値を付けました。
日本の個人投資家の動きは、それでも鈍いままです。
一般投資家には、賃金も上がらず、購買力も上がらないため「骨太の方針」の物価上昇率2%実現が難しい景気動向にあり、株投資による利益を期待しせん。
日銀の国債買いや上場投資信託買いによる官製相場は、今後、政府が財政健全化に失敗すれば、次には外国人投資家の売りで株の大暴落が待っています。
石破茂自民党元幹事長は、インターネット番組で総裁選の論点について、この官製相場を見て「この国が30年、50年先もあるのかだ」と指摘しています。
果てしない金融緩和で、日本は破産しないと思いますか。
国の借金一千兆円は、国民一人当たりにすると830万円です。国債の9割は日本人の国内保有だから、例えば国民一人の借金が800万であっても、自己資産が725万円あれば破産はないとする人があります。
「肩車社会論」は、昔は現役10人でお年寄り一人を支えていましたが、将来は1.3人で一人を支えることになります。
65歳で「支える人」を分けるのでなく、全就業者で計算するとどうなるのでしょう。
平成22年度の所得年収300万円以下(貧困者)の人口割合は40%台(貧困率では、日本は世界第4位)ですから、9年後の27年には少子高齢化により就業者一人で高齢者一人を扶養していくことが困難になります。
更に、30年度には単身世帯が、未婚、離婚で急激に増加していきます。
石破元幹事長ではないですが、20年先には国の財政で介護・医療費の増加、年金基金を改革することできず、税収を確保することも難しくなることは明らかでしょう。
国の財政政策をアベノミクスに依存して、日銀の無策ともいえる膨大な借金垂れ流しで、後の福祉・環境・子育て支援・高齢介護を真剣に取り上げず、大企業と高所得者の株による収入確保だけ進めて来た政権の失政にあります。
今年はブログで、日銀の在り方、国債に頼る政権の在り方、内閣と官僚側との癒着、人口問題と貧困対策、環境と資源開発について、この欄でしっかり議論していきたいと考えています。
そして来年は、年号が代わります。
新しい天皇の下で、世界が「混乱の時代」に向かいます。
どこの国も自国第一の身勝手なことばかりしていたら、世界に紛争が無くなりません。
日本はどんな社会的モデルを作ったらよいかを、ブログで提案して行こうと思っています。
蘇生