美江寺宿場まつり
この国の権力の中枢は今、荒んだ「卑」の景色の中にあります。国民は安倍政権を1年 前に一強政権に押し上げ、今も44%の支持を続けています。
安倍総理はこの1年間、首相と財務省に対する疑惑について国会に対しきちんとした説明をせず、正常な議会運営に協力して来ませんでした。
加計学園の獣医学部新設問題、森友学園の国有地売却について疑惑が深まって来た段階でも、1年前からの信憑性のない答弁を繰り返しています。
有ったことを隠し、改ざんしたもの総てを出さないからです。
国会を正常化する責務は野党質問に反論するのでなく、昭惠夫人に出てきた疑惑や財務省が隠蔽した決裁文書について、何も答えない首相自身に責任があるのです。
首相はこれまで、獣医学部新設を知ったのは17年1月だと繰り返していました。
ところが2年も前に、首相は加計氏に何回も会っていたことが分かりました。
愛媛県の職員作成文書が21日に国会に提出され、その文書には、15年2月に加計学園の加計理事長と首相が面会し、獣医学部新設について話し会った上、首相が加計氏に「そういう新しい獣医学部はいいね」とコメントしたと記載されています。
首相は昨日の国会答弁で、2月25日に加計氏に面会したことも、獣医学部新設についてコメントしたこともないと否定しました。
不都合な事実が発覚すると、県の文書については「コメントする立場にない」と逃げてしまいます。
首相が加計氏との面会を否定する根拠は、官邸へ加計氏が出入りした記録が残っていないとしています。
首相の名が毎日の動静記事にないと言いますが、新聞社の記者が確認できたものに限ぎられ記者が気付かれないこともあります。
首相の横柄で不誠実な言い逃れを許さないためには、議会制民主主義の行使として加計氏と官邸と学園の接点として柳瀬唯夫元首相秘書官を証人喚問すべきです。
首相は自己に疑惑が無ければ、野党が要求する首相関連の証人喚問に応じて審理を促進すべきです。
これを拒否する理由は、官邸の疑惑隠しに過ぎません。国会を停滞させるだけです。
首相は国会では常に「しっかりと、丁寧に、謙虚に、真摯に、膿を出し切る」と美辞麗句を重ねています。
この首相の常套句は、もはや国民に届く力を失いつつあります。
次は、森友学園への国有地売却で、財務省が決裁文書を改ざんしていた問題です。
財務省が書き換えた個所からは、学園と安倍首相夫人との接点を国側が当初から把握し、特異な取引と認識していたことが浮かんできます。
15年2月4日に財務省近畿財務局が作った決裁文書に「夫人からは『いい土地ですから前に進めて下さい。』とのお言葉をいただいた。」旨の籠池泰典理事長が近畿財務局との打ち合わせの際(Ⅰ4年4月28日)に語った内容として記載されていました。
打合せの3日前に、鴨池理事長が首相夫人を現地に案内して夫人と並んで写る写真を財務局に提示しました。
同じ日の文書には、1月8日首相夫人が森友学園に訪問した際に、学園の教育方針に感涙した旨が記載されていました。
国有地の安価売却を17年2月に朝日新聞が報じた際、新設予定の名誉校長には首相昭恵夫人が就いていました。
昭惠夫人が名誉校長だった15年9月に「鴨池園長、副園長の熱い熱い教育に対する思い、お手伝いできれば」と述べた記載もありました。
昭惠名誉校長は少なくとも3回、学園が運営する幼稚園で講演をしています。
改ざんされた14件の決裁文書は、14年6月から16年6月の「特例承認決裁文書」です。
財務省にとっては極めて異例の契約に応じる姿勢を示したものです。
その後の15年5月に貸し付け契約を結んだ際の決裁文書では、「特例的な内容」「本件の特殊性」などの記載のほか「貸付料の概算額を伝える」などの記載が削除されました。
文書の書き換えは、佐川宣寿前理財局長の国会答弁に合わせて書き換えが行われたと説明されています。
麻生財務相は、書き換えが「政府への忖度がはたらいと考えるか」との質問に「いいえ、考えていません」と答えています。
佐川氏証言と忖度記事が財務省決裁文書の書き換え理由だったのです。
誰が書き換えを指示したのかについては佐川宣寿前局長の前の書き換えは「トップ」だと言っていますが、不法行為者の役職や氏名は言えないのです。
麻生財務相は、同省理財局の一部職員に責任を押し付けていますが、政権の打撃防止を図って逃げています。
日本の政治史上ありえない財務省本庁舎での組織的隠ぺいが行われたのです。
財務省本庁が行った記録文書の改ざんを誰が指示しようと、実行者が誰であろうと責任は組織のトップである大臣が取るべきです。
首相が3月12日の国会で、「行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感している」と言っているのであれば総辞職をするは当然です。
麻生財務相にはもう一つ、自分が任命した事務次官の不祥事があります。
女性記者へのセクハラ発言が報じられた財務省の事務方トップの福田淳一事務次官が辞任に追い込まれました。
麻生財務相は、自ら辞任を求めた事務次官に対しセクハラ行為の事実確認を優先することを公言し、福田氏には辞任を認めませんでした。
週刊新潮が福田氏のセクハラ発言を報じた翌日、麻生財務相が口頭注意にとどめる考えを示したため、同週刊誌は福田氏のセクハラ発言であるとする音声データをネット上で公開しました。
福田前次官のセクハラ発言の内容の一部は「浮気しようね」「胸触っていい?」「手しばっていい?」「好きだからキスしたい」です。
発覚当初、財務省が福田氏からの聞き取り調査した結果を発表しましたが、世間は「世間と乖離している。10年前の感覚である」として批判に拍車をかけました。
これに対し、記者クラブも福田氏はセクハラの被害者への配慮を欠いているとして、クラブ加盟各社には弁護士を委託し、調査への協力を要請しました。
野田聖子総務相や二階堂幹事長も【♯MeTooを合言葉にセクハラ根絶を訴える運動】の高まりを配慮して、福田氏の辞任を促しました。
官邸は次官の発言が、森友学園問題や公文書の改ざんという不祥事に飛び火することを恐れ、ようやく福田氏の辞任を受け入れました。
麻生財務相がセクハラ発言調査結果の責任を取って辞任すれば、安倍政権には多大な影響が生じます。
安倍内閣には他にも財務省の取引決裁文書(公文書)改ざんと、防衛省のイラク日報隠ぺい調査公表では組織的隠ぺいを否定しており、安全保障上シビリアンコントロールに問題があります。
セクハラ発言を否定して批判が政権への飛び火となるのを恐れ、官邸は、財務相、防衛相、文部科学相らの辞任を回避し、疑惑隠しに懸命です。
スポーツ監督の指導の在り方について、5月にアメリカンフットボールの大学定期戦で日大が関西学院大の選手に悪質なタックルをして負傷させた問題がありました。
怪我をさせた日大選手は日本記者クラブで記者会見をして定期戦3日前の練習から外されて精神的に追い詰められていた時、「相手選手を1プレー目で潰せば(試合に)出してやる。」という監督の話をコーチから伝えられ、更に「相手が怪我をして秋の試合に出られなかったら、こっちの得だろう」と念を押され、更に、試合当日には監督から「やらなきゃ意味ないよ」と直接言われて出場した試合でタックルを実行しました。
怪我をさせた選手は、記者会見で監督とコーチの責任問題について言及せず、自分の判断で悪質な指示を断れなかったことは自分の弱さだったと答えていました。
日大の監督とコーチは、選手には危険なタックルをするように言ってないと否定しています。
日大広報部は、選手に「潰せ」とゲーム前によく使う言葉です。それは「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味だと説明し、今回は選手と監督コーチ間のコミュニケーション不足に尽きるとしています。
日大の対応について、スポーツ庁の鈴木長官は「(大学)が声を出していくべきだ。」林芳正文部科学相は「前提としてしっかりとした事実が解明されることが大切だ」と述べています。
この問題は、スポーツ界の指導がどんどん過激になってきているとき、選手とその家族がどんなに対応すべきか、悩んでいると思われます。
怪我をさせた選手の気持ちと日大広報部の説明を聞いていると、指導部は勝つためには、選手をクラブの道具類くらいに見ていて人間として扱われないように思われてなりません。
スポーツ関係者、自治体、文部科学省において、過激指導の実態を把握して今回のような過激化は防止する必要があります。
混乱している日本再生には、政府の体制改善が急務です。
腐敗した安倍内閣は、しっかり、丁寧に、謙虚に、真摯に説明ができません。総辞職しか方法はありません。
蘇生