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衆院予算委員会で首相は、稲田自民党政調会長の「現実に合わなくなっている憲法9条2項をこのままにしておくことこそが立憲主義の空洞化だ」との指摘に対して「7割の憲法学者が、自衛隊に対して憲法違反の疑いを持っている状況をなくすべきだという考え方もある。」として9条2項を改正し、国防軍を創設する必要性を国会で初めて認めました。
憲法を守る国会での首相と自民党政調会長との質疑です。質問者の「立憲主義の空洞化」は、参院議院運営委員会理事会において違憲の疑いがある安保法を「可決」したとする特別委員会議事録の作成経緯を調査するよう参院事務局に求めている時期になされた質疑です。
自民党は、新安保法可決するまでは、歴代の内閣が守ってきた単独自衛権行使の範囲において戦力保持するという憲法9条2項を守って来ました。安倍内閣になって、14年7月の集団的自衛権の行使を容認する閣議決定は歴代の内閣の解釈を大転換です。
安倍政権は、次々と閣議で違憲状態を重ねる決定しています。公明党を含む政府与党は「立憲主義」をどう捉えているのですか。
広辞苑には立憲主義について「憲法を制定し、それに従って統治するという政治の在り方」としています。稲田政調会長の「立憲主義の空洞化」は、首相は憲法を守る立場にいるので、憲法改正を放置している責任があるように聞こえます。
稲田政調会長は、前回の国会で集団的自衛権を可決して、どこへも行ける自衛隊をになっています。首相は何をぐずぐずしているのかと尋ねたのです。
「空洞化」とは、法律は既に出来ている、その法律は憲法の上位にあって、法律を自衛隊に適用し運用していることを言っているのです。憲法は飾りなのでしよう。
この政調会長の質問に首相の答弁は「自衛隊の存在自体に憲法違反のおそれがある。」と言っています。
日本の現行憲法を預かる首相の立場からは、自衛隊の存在自体を憲法に適合する単独自衛権行使の範囲内に規制して、戦力の行使には行き過ぎがあれば、自衛隊を改めなければなりません。
その自衛隊を、憲法違反の状態にするため閣議や国会での強行採決しているではないですか。
安倍首相は、歴代の内閣が守ってきた「単独自衛権」を守らない違法なガイドラインのような国際的協議、国連や外国訪問での演説、戦後70年記念講演、記者会見、そして政府を拘束する閣議決定を続けてきては、政治学者の7割を納得させることはできません。
国会で、このような国民と学者を無視した論理逆転した法案審議を続けている限り、国会中継を聞く人も理解もできないし、怒鳴り合い、野次の飛ばし合い、野党の意見や提案を無視し、聞かない、時間稼ぎの議場は、高給議員の報酬稼ぎの場でしかありません。
国会の参院不要論が出てくることも、納得できます。衆院も議員定員を大幅に減員する必要があります。知恵を絞り工夫をすれば、もっと、国民のためになる議論ができる国会にできるはずです。国会には欠陥が多過ぎます。
政権与党の憲法解釈には、国民の50%を上回る反対があります。世界情勢が混沌として来た今だから、自衛隊が他国に出かけて、他国軍の後方戦闘支援や駆けつけ警護が紛争解決に役立つとは思えません。戦争の危険が増加するだけです。
中東で日本が信頼されているのは、軍事行動という対症療法でなく、国連平和維持活動(PKO)協力、現地住民・子供の心のケアと教育、若者のカウンセラーと養成といった平和のための活動を続けて来たことがあります。
新安保法成立後、自衛隊は凄い勢いで改編が進んでいます。防衛省の16年度予算案は、財政状況が厳しい中で、更に財政赤字を増やして、防衛費や外交予算が前年度より740億円1.5%増やして、5兆円を突破して他省庁の民生予算を大幅に上回っています。
安倍政権になって4年連続で防衛費が増えており、米軍との平時の共同警戒監視活動に備えて高額な武器を多数購入します。中国や北朝鮮の動きを理由に自衛隊を強化しています。
その内容は、グローバルな安全保障環境の改善として無人機グローバルホーク3、輸送機オスプレイ4、ステルスF35戦闘機6、新空中給油・輸送機1、哨戒ヘリコプター17、最新悦イージス艦1、潜水艦1(数字は建造数)などの建造費が計上になっています。
これらの武器は、明らかに日本防衛の枠を超えた他国との安全保障活動を行うものが多くあります。ステルスは三菱小牧工場で組み立てをしていますことから、自衛隊基地の名古屋空港に配備予定であります。
今後は、名古屋空港は米軍との装備品の共用方針であることから、米軍や他国軍の整備を行うことになり、憲法9条に違反する議論が必要です。
更に、昨年暮れに防衛省は、オーストラリアとの潜水艦を共同開発・生産を協議しており、武器輸出の解禁が破られ、自衛隊の活動を拡大するものとしてこれも問題です。