各務原飛行機場航空祭・ブルーインパルス
世界では著名な経済人や多国籍企業が集めた膨大なお金を、タックスヘブン(バミューダ諸島など世界10か所の租税回避地)に隠してアップルビーで所得隠し税逃れをしていました。
大手法律事務所「アップルビー」から流出した顧客データ文書が「パラダイス文書」と言われるのです。
パラダイス文書の中の著名人には、エリザベス女王、ヨルダン王妃、ブラジル財務相、ジョージ・ロス米投資家、カナダトルドー首相の腹心ブロンフマン投資家の名があります。
同じ文書の中の巨大企業には、米アップルビー、スポーツ大手ナイキなどがあります。企業は国を跨い記帳することで、数億ドルの税逃れをしていることが分かりました。
国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJの本部ワシントン)は、世界19か国の「アップルビー」の膨大な登記情報から税金逃れの顧客データを調査しています。
ICIJは、昨年判明したパナマ文書を含めてすべての情報公開を目指しています。
多国籍企業の税逃れは全世界で年間1000億から2400億ドルに及ぶとOECDは見ています。
国際協力開発機構(OECD)や主要20か国(G20)が主導して6月には、不当な約70か国の課税逃れを防止するため、多国間条約に署名しました。
パラダイス文書の金の流れは、最貧国の税収になるはずだったお金を、グローバル企業が懐にしていたことを明らかにしたのです。
多国籍企業が事業を展開する国別の収入や従業員数等を、ICIJが調査して税務当局に報告する仕組みを作り、これをOECDが把握すれば税逃れの防止が可能になります。
政治家のトップや大企業や多国籍企業は、自国の法律に基ずく税金をきちんと払い貧困層へ手当てをして、経営黒字分は従業員の賃金に回して行くべきです。
この様な政治家や企業主の富の独占と税逃れをさせないようにして、貧困問題、最低賃金、非正規雇用者と差別の問題を、国際的に検討していかないと国際紛争は減りません。
日本は経済大国ですが、格差が広がって26年度には年収1億円以上の社員は全就労者の0.013%の1万7348人なりました。
加速する日本の格差社会では富裕層と貧困層の2極化が進んでいます。
26年度では年収300万以下の人口が全給与所得者の4割を占めました。
貧困率は、日本は世界第4位、幸福度は53位です。
世界全体では最も裕福な最上層の62人が保有する資産は、世界の人口のうち経済的に恵まれない下から半分に当たる約36億人が保有する資産とほぼ同額です。(国際的NGO,16年1月調査発表)
21世紀の労働者の格差拡大は中間層の減少によるもので、中間層の減少分が大量の貧困化を生んだのです。
一日1.9ドル(約190円)未満で暮らす「極度の貧困層」はサハラ砂漠以南、南アジアに集中して世界全体で7億67百万人います。
しかし、21世紀に入ってからはアフリカ諸国、中東、南アジアの「極度の貧困層」は減少傾向が続いています。
問題は不況の中で非正規社員やパートタイマーが増加し、海外から来た外国人の雇用によって人件費が下落している状況です。
97年の金融危機後、大企業は授業員のリストラ化を始めて、平成に入りグローバル化の波に振り回され、一気に広がったのが非正規労働者の採用解禁でした。
89年に19.1%だった非正社員の割合が、16年にはほぼ倍の37.5%になりました。
急激な少子高齢化が進む中で生産労働人口が減少していることが景気不況のもう1つの理由です。
不況の中で株価だけは下落することなく、トップ高の様相を呈しています。
11月11日に東京株式市場は26年ぶりに日経平均株価が2万2937円となりました。
最近の日本の株高要因は外国人投資家の買い戻しにあります。自民党が衆院選挙で勝利し、北朝鮮の挑発行動が止まっていることがあるようです。
アベノミクスが始まる13年に、日銀による金融緩和で円高が是正され、企業業績が回復したことと、公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と上場投資信託を購入する日銀が株や投資を買い支えている面があります。
安倍首相は14年1月、世界経済フォーラム総会、ダボス会議で経済の成長戦略として年金積立金を活用する姿勢を強調しました。
政権の方針に基ずいてGPIFは年金基金を株投資の拡大する運用幅を24%から50%に比率を倍増させました。
少子高齢化が始まり積立基金だけでは年金給付が不足する局面に入った時期に、株価を引き上げるために株価投資を拡大するリスクは大きく危険です。
年金基金を株式投資する危険を防止するため、限度率は24%になっていたのです。
年金生活者が増加していることからも、若い世代の将来受け取る年金が減額される可能性が出て来ます。
日銀は異次元緩和を4年半続けても、物価上昇率は2%にほど遠く、国債発行額の4割440兆を買い占めても上場投資信託の買い入れで株価を押し上げて「官製相場」の様相が強くなっています。
GPIFが運用比率を倍増してから15,16年には多額の損失を出しています。
それでも政権が環境、社会、企業統合を重視して投資するESG投資を重視しています。経済を持続可能な状況に持って行けるでしょうか。
ESG投信を国内株の1割、3兆円を投資拡大し、国債や社債などの債権を買い、更には不動産への投資によりESG投信をするとしています。
「ESC投資]は、目先の利益を追い求める投資の反省から貧困問題の解決、公平・公正な社会づくりをするものですが、日本ではうまくいっていません。
今の株価も何時までも高値が続くことはなく、危険なESG投信に失敗し、外国投資が売りに出たときは不安が一気に加速して東証一部平均株価は1万円程の下げを見ることになります。
これは日本だけの問題ではありません。米欧の中央銀行では緩和策を修正する方向にあり、中国でも同じような状況にあります。
金持ちばかりが優遇される政治に、国民が殆ど疑惑の目を向けないことが不思議でなりません。
国民の4割は年収300万円以下の貧困層です。金持ち優遇ではなく非正規雇用者の賃金格差、少子高齢化社会、独身者・単身世帯問題を真剣に検討すべきです。
緩和強化を続ける黒田日銀総裁の再任で、再度のリーマンショックが来なければよいのですね。
蘇生