平成21年5月13日にFMICSに書いた原稿です。
赤で加筆しました。
今春、ミツバチの減少が農業にとって重大な問題だという報道がありました。日本では、「いないない病」ともいうハチ群崩壊症候群(CCD)が世界中でおこり、大量のミツバチが行方不明になっているそうです。名古屋大学の門脇辰彦准教授は、みつばち減少の原因を「寄生ダニや農薬、ハウス栽培のストレスに、ウイルスなどへの感染が重なって大量死につながるのではないか」と生きるための環境が変化したことを挙げています。このニュースではじめて知ったのですが、ミツバチは受粉作業を人間よりも効率よくしてくれるため、農家にとっては重要な存在だったということです。
ミツバチで思い出したたとえ話ですが、ヨーロッパで一年中多くの花が咲く国があり、その国で養蜂を営むと多くの蜂蜜が取れると考えた人がいました。1年目は思惑通りに沢山の蜂蜜が取れ大喜びでした。しかし、ミツバチは蜜を蓄えるために働いているので、2年目になると花がいつでも咲いていることに気づき蜜を集めなくなってしまったという落ちです。
蜜蜂でさえ状況を判断して
一年で変化できるのだから
と考えると
人間は
現状を鑑みると今の子ども達は、欲しいものは手に入れる機会が多く年中花が咲いているミツバチのような状況だといえるのではないでしょうか。私が子どもの頃は、冷房もカラーテレビもありませんでした。当然、テレビゲームもありません。夏はどこの家でも網戸か蚊帳を吊り、部屋の隅には蚊取り線香がありました。それでも不自由だと感じた子どもは、少なかったと思います。
後に考えると
不自由だと感じるのは
比較するものがあるからで
ない時には感じないモノなんですね~
当たり前か。
「百ます計算」の蔭山英男さんは、「子どもたちに期待を寄せすぎた結果、受験学力がものをいう社会になり、テストの点数を気にする保護者が増えた。」といっています。
最近の大学はテストのための教育の終着駅と化し、学ぶことの本来の目的を見失い汗をかけなくなった学生がキャンパスに溢れているのではないかと感じています。苦労することなく、何でもそろうような空間の中を飛び回っている2年目のミツバチのような状態です。
よく言われているのが
授業はまじめに出席しているけど
なんだか
覇気がない学生が増えてきた。
この状態を打破するためには、学生の要望に簡単に応えることではなく、1年目のミツバチが蜜を集めるような環境を学生に与えることだと思います。まずは、身体から汗を出し、その後に頭から汗を搾り出させられる環境づくりが理想の大学です。
こんなこと現状の大学では
出来ないから
面白いんですがね~
いまどきの学生がどうのこうのというよりも、働いている環境を学生のために変えられる職員が力を発揮しないと、学生の“いないいない”キャンパスだけが残りかねません。
定員の厳格化の恩恵を受けている大学は
現在はバブルまっただ中だといっています。
関東のそこそこ大学は
集まっているのだから
改革なんてしなくていいよ。
という空気が蔓延しています。
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