平成20年11月25日にFMICS用に書いたモノです。
加筆は赤字で入れています。
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もし、年金の受給額が都道府県によって金額が違うとしたらどうなるでしょうか。たとえば埼玉県は20万円、鳥取県は40万円だとしたら、誰もがみんなおかしいといって怒り出しますよね。実はこれに似た話が実際に高等学校の私学助成に起きているんです。その差額は、なんと218,333円!!
実はこの金額は、平成19年度の私立高校の運営費補助金(以下、補助金)を生徒一人当たりの単価にした受給額トップの鳥取県(455,900円)と最下位(47位)の埼玉県(237,567円)との差額です。仮に二つの県の在籍生徒数750名の私学だとしたら、約1億6千3百万円の差額になります。この件を文部科学省に問い合わせると、「私立学校運営費補助金は各都道府県に任せてあります。」とアッサリ回答されました。2位の東京都の353,150円と比べても115,583円の差があり、46位の沖縄と比べても49,766円とあまりにも地域格差がありすぎる感が強いです。皮肉にも埼玉県は平成15年から、最下位の座を他県に譲ることなく守り続けてきました。言い換えるなら、埼玉県民のために私学助成金分を他に流用し、私学が犠牲になってきたということです。
こういう場合私の性格的に、どういうわけか調べたくなるんですよ。
こんな話あるんですかぁ!!・・・とかいう感じで問い合わせてしまいます。
埼玉の私学は大変です。
いい機会なので、この補助金について調べてみると、3つの方式があるということがわかりました。①単価方式(区割り含む)が主流で、採用している都道府県は37と多く、教員数や生徒数・学級数等を基にして算出します。②標準運営方式は、公立高校の単位費用から、教員数や生徒数・学級数等に基づいて算出しているところが6県あります。③補助対象経費方式は経費配分によって独自の算出方法で決めます。この方式は埼玉県を含めて4県です。
4県しかないということです。
これは県が勝手に決めるといっても過言ではありません。
埼玉県を悪く言うつもりは毛頭ありませんが
これと同じような話が「保育士修学資金貸付制度」でもあります。
東京都はこの制度を導入しているのに
隣の埼玉県は導入していません。
問い合わせると
今後もないというようなニュアンスでした。
先日、埼玉県私学振興大会があり、本校の保護者と教職員を含めて24名で参加してきました。大会の趣旨は私学助成を全国平均(単純平均:318,470円)にしてくださいと保護者とともに埼玉県にお願いをするわけです。毎年動員がかかり、会場は2,000人を超える保護者と教職員が集います。
諸事情が重なり昨年度から「埼玉県私立小学校中学校高等学校保護者連合会」を新たに立ち上げて、せめて補助金を全国レベルまで引き上げてくださいとの嘆願に力を入れ始めました。
その結果、昨年は付き合い程度に民主党の議員が数名参加した程度でしたが、今回は民主党に加え、自民党の大物衆議院議員含め16名・参議院2名・県議6名が参加してくれました。
今年のメンバーを見ると、やっと埼玉県にも春が訪れるような兆しが見え始めたという感じでしょうか。今後に期待感は高まります。
期待通りにならなかったようです。
話を大学に戻し、帰属収入から見た経常費補助受給率の10%前後の割合から見た場合、高等学校の運営費補助はとても魅力的だと思いませんか、なんと言っても少ないといわれている埼玉県でも28%前後あり、鳥取県だと約45%です。
この点からも、大学の定員を増やすより高等学校を併設校に取り込んで勢力図を広げている大学の戦略が見えてきます。
ついこの間も短大の募集を停止して中高は残した法人がありましたね。
大学は学部を作るより、私学を取り込んだ方がよかったのです。
中央大の横浜山手のようにね。