1991年のいわゆる「大学設置基準の大綱化」以降、段階的に、文科省が大学の設置認可の規制緩和を続けてきたことの影響が大きい。その結果が、量的にも拡大した私立大学の「定員割れ」や経営危機を招来させたのだとすれば、文科省としても、ただの傍観者を決め込んでいるわけにはいかないという事情もあった。
(略)
端的に言えば、文科省の基本的なスタンスは、「学校法人の経営基盤の強化は各学校法人が自らの責任で行うべきもの」とする点にある。ただし、「経営分析及び指導・助言等を通じ」、各学校法人が「主体的な改善努力」を行う場合には、文科省としてもそれを支援する。
(略)
これについての基本方針は、仮に「学校の存続が不可能」となった場合でも、「在学生が卒業するまでの間は授業継続を求める」というものであり、それも立ち行かない場合には、関係者の協力によって「転学」を支援するというものである。
(略)
国立大学の法人化、学長のリーダーシップ、ガバナンスの確立といった経営改革から、以前の記事でも紹介したが、大学の「機能別分化」、FDの推進、初年次教育やキャリア教育の促進、「三つのポリシー」に基づくPDCAサイクルの確立といった教育改革にまで及んでいる。
(略)
ひょっとすると、文科省からすれば、こうした大学経営・教育改革の推進は、先の(1)で示された経営基盤の強化への「支援」のつもりだったのかもしれない。
(略)
大学改革を支援するはずの補助金にしても、基本的には公募型の「競争的資金」が軸であり、国立大学の運営費交付金に至っては、実績に応じた「傾斜配分」まで導入されることになった。
(略)
18歳人口が再び減少カーブを描く時期に向けて、大学の経営危機が深刻化するのは、当然の理である。だからこそ、最近になって高等教育政策は、東京23区内の大学の定員管理を厳格化させたり、大学間の統合や統廃合を促すような枠組みづくりの施策に本気で乗り出してきたのではないか。
ということになり
現在はついこの間まで
定員割れを起こしていた大学でさえ
定員が充足された状況なのです。
そして
まだ
浮かれている大学は
気付いていないかもしれませんが
今年入学した学生(110%)は
3年後は
確実に
定員充足率100%を切るはずなのです。
そして
来年度
入学する100%の学生の
3年後は
90%前後になるのです。
その後は
ずっと続くので
大学経営が難しくなってきます。
続く
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