棋楽庵の九州将棋ふまわり日記

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■「第27回毎日杯争奪豊築将棋名人戦」熱戦譜-S級第5R▲早咲誠和対△村上圭(平成18年3月26日)

2006年05月29日 | ◆豊築将棋名人戦
★「第27回毎日杯争奪豊築将棋名人戦」熱戦譜
  第5R:▲早咲誠和 対 △村上圭 

 (平成18年3月26日:福岡県吉富町「吉富亭」)

▲早咲誠和
△村上 圭




▲7六歩    △3四歩
▲6六歩    △6二銀
▲7八飛(A) △6四歩
(A)飛車先保留には三間飛車が有力な戦法の一つ。
▲4八玉    △4二玉
▲5八金左(B:第1図)








        △3二玉
(B)慎重な手。▲3八玉では△6五歩の角交換から馬作りを狙われる。
▲3八玉    △6三銀    
▲7五歩    △1四歩
▲1六歩    △4二銀(C)
(C)玉を堅くすることよりも中央の厚みで勝負することを選択。
▲2八玉    △6二金(D)
(D)7筋を厚くして独特の感覚。
▲3八銀(E:第2図)
(E)この場合は穴熊よりも美濃囲いが自然。




        △5四銀
▲5六歩(F) △6三金
(F)このあたりの模様のとり方が難しい。しかし一局の
   将棋の中でかなりの部分を占める大事な所といえる。
▲4六歩    △8四歩(G)
(G)金銀の配置も決まったので飛車の活用を図る大事な手。
▲6八銀(H) △8五歩
(H)もう浮き飛車にしない形なので左銀の活用を図る。
▲7七角(I) △9四歩(J)
(I)▲7六飛は△6五銀で駄目。


                   (J)端歩は居飛車の税金。
                   ▲9八香(K) △8四飛(L)
                   (K)角交換の後の△8八角を甘くする。
                   (L)中段飛車の位置エネルギーは大きい。
                   ▲6七銀(M) △3三角(N:第3図)
                   (M)6筋と7筋を攻められるので銀をあがってバランスを取る。
                   (N)間合いを詰める手。


▲9六歩    △9二香(O)
(O)自玉とのバランス、取られる形から見て△9三香が良かった。
▲3六歩(P) △6五歩(Q)
(P)玉のコビンを開けて危険だが、やってこいという手。
(Q)当然の仕掛け。
▲6八飛(R) △7四歩
(R)攻められた筋に飛車を回るのは振り飛車の常套手段。
▲7六銀    △6六歩
▲同 角    △同 角
▲同 飛(S) △8八角(第4図)


                   (S)角交換の後はどちらが読み勝っているのか。


▲7七角    △同角成(T)
(T)桂馬を跳ねさせて負担にするのが後手の狙い。ここ△7九角成は
   ▲6三飛成△同銀▲2二金で詰み。
▲同 桂    △2二角(U)
(U)打つなら△3三角が良い。
▲5七角(V:第5図)
(V)後手が見落としていた手。飛車取りを受けながら後手の飛車を
   間接的に狙う。これで先手がやや有利に。





        △8六歩(W)
(W)△6六角▲同角△4四歩のほうが粘れた。手持ちの飛車はやはり大きい。
▲8五銀    △8二飛
▲7四銀(X) △同 金
(X)好調な銀出でこの金銀交換は先手良し。
▲同 歩    △8七歩成
▲8三歩(Y:第6図)
(Y)歩を成ったために叩かれることに。△同飛は▲8四歩△同飛
   ▲6二飛成で後手の8四飛車が先手の5七角にあたってしまう。




        △同 飛
▲8四歩    △6三飛
▲同飛成    △同 銀
▲6五桂(Z:第7図)
(Z)取られる桂馬が跳ねだせて気持ちの良い一手。△7四銀には
   ▲5三桂成が決まる。以下△同銀▲7二飛△5二歩▲7四飛成。







        △6四銀
▲6一飛    △6五銀
▲同飛成    △7七と(a)
(a)と金の活用だが、竜が利いているので△9八との実利が勝った。
▲6一龍    △5二銀(b)
(b)▲5二金を防ぎつつ固めた手だが。
▲8一龍    △6一歩
▲6四桂(c:第8図)
(c)得した駒で攻めれる展開は先手優勢。




        △6九飛
▲5二桂成   △同 金(d)
(d)桂馬を2枚手にしたこと、先手の歩切れ、と金の活用を見せて
   粘っているが。
▲5九金引(e)△6七飛成
(e)飛車を6筋から動かせないことを見越しての飛車取り。
▲9二龍(f) △6二桂
(f)この香取りが金取りになるのが大きい。
▲5八銀(g:第9図)
(g)手厚い銀打ち。歩切れだが、後手の持ち駒も少なく、形勢が良い
                   ときの指し方といえる。




        △6五龍(h)
(h)ここでは△7六竜が勝るが五十歩百歩。
▲6九香(i) △6六桂(j)
(i)痛烈な手。歩が立たないのが痛い。
(j)形勢が悪いときは流れに逆らわずに指すことが大事。ここは△7四竜
   としたい。
▲7三歩成(k)△5八桂成(第10図)
(k)遅いようで桂取りのと金は早い。






▲6五香(l) △5九成桂
(l)▲5八同金右もあるが,竜を取ってしまうのがわかりやすくて
   早い勝ち方。角や金が当たっているが、危険なようでも早い勝ち方を
   選ぶことが逆転を許さないコツ。
▲同 金    △6七と
▲7五角    △7四歩(m)
(m)首を差し出した手。
▲6二と    △同 歩
▲同香成    △同 金
▲5四桂(n:第11図)




        △6一歩
(n)最後の決め手。△同歩は▲4二角成△同玉▲6二竜でたちまち寄り。
▲4二桂成   △同 玉
▲5四桂    △3三玉
▲4二銀    △2四玉
▲2五銀(o:最終図) まで105手で早咲さんの勝ち
(o)△1三玉には▲1五歩で詰めろがほどけないので投了もやむなし。
   早咲さんは四年連続(通算六回目)の優勝。村上くんは二年連続で
   S級四位となる。


                   <自戦解説:早咲誠和>
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