安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

アンパンマンの気持ち

2013年11月06日 | 月刊ブログ
 学校の横の公園を横切ると、ほんのりと銀木犀の香りが、遅い秋の訪れを感じさせます。11月になるとやっぱり肌寒くなってきました。
 先日、NHKの「クローズアップ現代」という番組で、10月に94歳で亡くなったやなせたかしさんの追悼番組を放送されていました。子どもたちを夢中にし続けてきたヒーロー「アンパンマン」の作者、やなせたかしさん。子供たちに大人気のアンパンマンは、まさに「国民的ヒーロー」です。困っている人に自分の顔を食べさせるという特異なヒーローが生まれた背景には、やなせさん自身の戦争体験に裏打ちされた「正義」への信念があったといいます。
“そうだ おそれないで みんなのために 愛と 勇気だけが ともだちさ 何のために 生まれて 何をして 生きるのか 答えられないなんて そんなのはいやだ” 「アンパンマンのマーチ」より
 子供向けの歌のはずなのに、なぜか私たち大人にも心に沁みるメッセージが含まれているような気がします。
 長い下積みを経て、57歳で花開いた苦労人でもあったやなせさんが、最後の瞬間までこだわり続けた「正義」と「生きる希望」。
 この「アンパンマン」の歌を聞いて、東北で被災された方々はとても勇気づけられたと、インタビューで答えられていました。
“愛と勇気だけがともだちさ  ああアンパンマンやさしい君は  いけ! みんなの夢まもるため”
“そうだ うれしいんだ 生きるよろこび  たとえ 胸のキズがいたんでも”
“わすれないで夢を こぼさないで涙 だから君はとぶんだ どこまでも“

 被災直後、不安で辛い日々を送っていた3人の小さい子供を抱えたあるお母さんは、ラジオから流れてきたこの歌を聞いて、「自分も子供たちの未来のために頑張ろうと励まされました。」と今は、笑顔で答えていらっしゃいました。
 やなせ たかしさんは、「今度の震災の時にね、いちばん多く歌われたのがアンパンマンのテーマソングであったというのを聞いた時はね、本当にうれしかった。 役に立ったと思いましたね。」
「 僕も長い間ね、自分は、いったい何のために生まれたのか、何をして生きるのか、ずいぶん悩んだんですけど、やはり、だから自分は子どものためにお話を書いたり、絵本を描いたりするのが自分の天職だなあと、このごろになって思うようになった。」(「NHKクローズアップ現代」インタビューより)と生前話されていました。

 考えさせられますね。何のために生まれてきたのか、誰かの役に立てるのかということを94歳で天寿を全うしたやなせさんの言葉として聞くと、まだまだ未熟な自分のことを振り返って日々の生活を反省するばかりです。
 
 さて、当佐世保校では、公務員1次試験の結果が出そろって、各自、次のステップに進んでいるところです。実際は、2次試験の結果を待っている学生がほとんどで、落ち着かない日々なのかもしれませんが、一つのヤマを乗り切ったという満足感からか、学生たちはとても輝いています。
 講座生や、ガイダンスに伺った高校の生徒さんの中にも、1次試験に合格をしていて、吉報を届けてくれています。それぞれ目標に向かって努力している姿は生き生きとして、話をしているとこちらまで元気になります。「アンパンマン」の軽やかなメロディーを口ずさんでしまいそうです。

 はるか昔、私が高校生のころ、やなせたかしさんの「詩とメルヘン」という雑誌を読んでいたことを、やなせさんの経歴の中にあった書名から思い出して、ちょっと懐かしくなりました。あの時も私は大ファンだったのでしょう。

 一つの歌がたくさんの人を感動させられるなんて、本当にすばらしいと改めて感動しました。
人が亡くなってもその作品や思いは、感動した人の心の中に生きていくのですね。
私も、ほんの一人でもいいので、私の思いを懐かしんでくれる人がいてくれるように、今の自分が誰かのために、できることを、やっていこうと思いました。

 写真は、南アフリカ原産の多肉植物ハマミズナ科コノフィツム属の「祝典」です。極端に退化し茎と一体化してころころと石ころのように見えますが、花色は黄色や朱色、橙色や紫色と多様な美しい花を咲かせます。自然の神秘さをうかがわせます。

 Photo by mizutani

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