安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

ハレの日

2011年10月07日 | 月刊ブログ
 急に涼しくなって、あわてて長袖の洋服を引っ張り出して着ています。
先週と今週は、気温の差が10度もある日があって、体調を維持するのも一苦労です。

 先日は、卒業生の結婚式にご招待を受け、華やかな時間と空間を味わってきました。最近はずっと気分が低空飛行だったので、異空間での数時間は本当にリフレッシュさせていただきました。
 愛し合う二人の満面の笑顔や、最高におしゃれをして人生で一番きれいな新婦の姿を見ながら、日々の雑念から開放されていく自分を感じていました。新郎新婦の紹介のスクリーンには、このIBAを卒業するときの写真が映り、「卒業、ぎりぎりでした。先生ありがとう!」とコメントされていました。当時のことが走馬灯のようによみがえってきて、瞼が熱くなりました。「諦めずによかったね。がんばったね。」と心の中で応えました。この学校での時間があるから、社会人になり、結婚という人生の節目を通過することができているのです。そう思うと、私たちの役割は、決して軽いものではないことが、改めてわかります。
 招待された同級生たちも、このような時にしか会えないのですが、本当に久しぶりでした。「元気にしていましたね。」と近況を聞いたり子供の写真を見せてもらったりと、うれしい時間が過ぎていきます。
 宴の途中、卒業生である新婦のお母さんがあいさつに来られました。卒業式以来6年ぶりにお話をして、お母さんもとても喜んでいらっしゃるようでした。出席のお礼をおっしゃいましたが、「こちらこそ、本日はご招待いただき本当にありがとうございました。」と感謝しました。この数時間は、別世界でした。気分が低空飛行のわたしも、幸せを分けてもらったようでした。
 メッセージボードには、「お互いを思いやる気持ちがある限り、愛は永遠です!」という言葉を書いて、ふたりの幸せを祈りました。
 
 生活していく中でいくつかのエッセンスは必要です。毎日の時間は単調に流れていきますが、その中で自分の感情をリセットする手立てとして、いつもとは違った空間を味あうのも一つの方法です。
 民俗学で著名な柳田國男氏は、昔の人は、日常をケの日、特別な日をハレの日といって、ハレの日にはケの日のこと(たとえば洗濯や掃除)をしてはいけないことになっていたといいます。今でもお正月には洗濯や掃除はあまりしませんが、そういう歴史があることは、なかなか知らないのではないかと思います。そうやって、ハレの日には、特別な日、用の着物を着て(晴れ着といいます)、今は毎日がお正月のような食生活ですが、当時は、日常口にすることができないご馳走をいただいていました。昔の人は、日常と特別な日を区別して、生活に変化をつけてメリハリをつけていたのかも知れません。(晴れの舞台なども使いますね。)
 もともとハレとは、折り目・節目を指す言葉だったそうです。現代では単に天気が良いことを「晴れ」と言いますが、江戸時代までさかのぼると、長雨が続いた後に天気が回復し、晴れ間がさしたような節目に当たる日についてのみ「晴れ」と記した記録があるそうです。

 私も、その日結婚式に出席してから、低空飛行を続けていた気分が一新して、すっかり元気を取り戻しました。
 時には、日常と違ったことを経験するのもいいなと思いました。

 今月の写真は、姫りんご。こんなにたわわに実がなって、枝が折れそうなくらいです。 もうすぐ秋のお祭りが各地で開催されますが、私の大好きなりんご飴の出店は毎回楽しみです。りんごの自然な赤みを覆い隠すような真っ赤な紅飴の甘さと、りんごの甘酢っぱさの競演は不思議とマッチして、お祭りでは人気者です。
 
 この佐世保では、毎年「よさこい祭り」と題して全国から踊り隊が100チームを超えて参加をしています。佐世保商工会の2代目3代目の若い経営者が、佐世保を盛りたてようと提案したそうです。
 長崎市の伝統ある「おくんち」とは対照的に、町おこしのための新しいお祭りを市民の手で作っていくことに、私はとても共感しています。
 佐世保校でも「公務員合格カレー」のお店をだして、お祭りを盛り上げていきたいと思います。
 もちろん、この日もハレの日です!

photo by mizutani

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