安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

花咲くとき

2019年04月11日 | 月刊ブログ

 先週は、家族と西海橋公園にお花見に行きました。このようにお弁当を持って出かけるのは本当に久しぶりです。急きょ決まったそのピクニックに、有り合わせの材料でお弁当を作るのにも、つい鼻歌が出てきます。今週が満開だという情報は瞬く間に広がり、私たちが目的地に着くころには、すでに駐車場は満車状態です。それでも何とか樹齢深い桜の下に場所を確保することができました。緩やかな風に、時折桜の花びらがひらひらと舞っています。同じピンク色でも、白いもの赤みを帯びているもの、黄色の八重桜も珍しいものでした。満開の春は、私をリフレッシュさせてくれました。

 

 4月1日に新しい元号が発表されました。これまでとは違い、日本最古の歌集「万葉集」から引用され、この「梅花の歌 序」には、太宰府の長官であった大伴旅人が梅花の宴を開いたときに詠まれた歌が収録されているということです。

 福岡にいる学生時代の友人によると、今も役所跡が残る大宰府政庁の北西部にある「坂本八幡宮」周辺に旅人の邸宅があったというのが有力とされているそうです。普段は、友人など近隣の人達の散歩やジョギングコースくらいで、寂しい佇まいの八幡宮だそうですが、以前は1日20人が訪れる程度だったのが、新元号発表後は3000人ほどに急増したとのことです。1300年前に歌われた令和の舞台はどこなのか、謎が深まる中、それもロマンがあっていいということでしょうと、友人は、「坂本八幡宮」の混雑した様子と、「令和」と書かれたパネルを持った自身の写真をメールで送ってくれました。ちっとも変わらない優しい笑顔にこちらも顔がほころびます。

 

 そう言えば、2月の末、ひょっこりと、学生時代の別の友人から、今佐世保に来ているのだけれど、と連絡がありました。ちょうどタイミングよくお昼休みの時間だったので、早速学校近くまで来てもらって会うことになりました。

 もうずいぶんと時間が経っているのに、なんのわだかまりもなく、久しぶりに会う兄弟の会話のように近況を報告し合って、「じゃあ、また、元気でね。」とそれぞれの場所へ戻っていける関係は、そう誰でも手に入れられるものではないと、年月を重ねるごとに有難く身に染みてきます。

 普段は、ご無沙汰ばかりの私なのですが、そうやって声を掛けてくれる長年の友人たちに、口には出さずとも感謝の気持ちでいっぱいです。

 この友人たちは、学生時代の体育会の部活動の同期です。昔は「同じ釜の飯を食った同士」という言葉で表現していたとおり、一日のほとんどの時間を共に過ごし練習に明け暮れ、家族よりも一緒にいる時間が長く、お互いの欠点も分かり合っている、それだけ密度の濃い時間をともに過ごした関係は、長い年月を経ても変わることのないことを、今の私は体感しています。

 

 学校では、先週、第32回入学式と合格祈願祭を執り行いました。今週から公務員合格を目指して、受験対策の授業がスタートしました。ここでの生活は、自分の人生を構築するために肩を並べて、しかし競い合って過ごす濃縮された夢への時間となります。

 今回初めて『合格者喜びの声、後輩たちへのメッセージ』という冊子を発行することになりましたが、これまでに寄せられた卒業生のメッセージを一人ひとり編集していくと、どれだけ頑張ったか、合格した時の喜びと安堵の様子が手に取るようにわかりました。たった1,2年の関係でも、この学校で過ごした密度の濃い時間、仲間たちと切磋琢磨した時間は、彼らの胸にも確かに残ってくれています。

 何年たっても会いに来てくれる卒業生には、私は、本当にこの仕事で良かったと感じる瞬間でもあります。先日訪ねて来てくれた卒業生は、そのお嬢さんがもう高校3年生になったと聞いて驚きを隠せず奇声を発して笑われてしまいました。

 

 学生たちのこれからの時間は、この先45年のための時間となります。苦しい時や辛いこともあると思いますが、同じ目標に向かって頑張る仲間たちと、最高の濃縮された時間を過ごしてほしいと願っています。

 

 今月の写真は、チューリップ(フレームズミステリー)です。鮮やかに2色に分かれる特徴あるユリ咲き最新品種。黄色と赤はミステリアスに花壇を彩ります。一般に春を彩る花は秋に種を蒔きます。そして冬の寒さを越えて開花するのです。桜の花も同じでした。冬の寒さがなければ、美しい花を咲かせることができないのですね。

 

 Photo by mizutani


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