安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

心のバトンタッチ

2006年12月04日 | 月刊ブログ
 やっぱり12月になると、灰色の風が、少しとがって肌を刺して吹いていきます。
 先日、「佐賀のがばいばあちゃん」という本を読みました。
 昭和30年代の、終戦から高度成長期に至る過渡期の頃で、みな、生きることに一生懸命の時代でした。
 本文のプロローグから少し引用させてもらうと、「お金がないから、不幸。今はみんなが、そんな気持ちに縛られすぎていると思う。大人がそんな考えだから、子供も健やかに過ごせるはずがない。・・・本当はお金がなくても、気持ち次第で明るく生きられる。なぜ断言できるかと言うと、俺のばあちゃんがそういう人だったからだ。」「幸せは、お金が決めるものじゃない。自分自身の、心のあり方で決まるんだ。」
 そして、とてもゆかいなばあちゃんと俺との心温まる生活が、時には抱腹絶倒し、時にはホロリとさせられながら、進んでいきます。私も、夜中に、お腹の皮がよじれそうになりながら読みました。
 偶然にも、同じ頃、「ALWAYS三丁目の夕日」がテレビで放映され、ここでも、その時代の、ものがなくても人情あふれる生活を見ることができました。貧しい暮らしの中で、人と人とのふれあいや思いやりがいたるところに表現してありました。
 この二つは、私の心をとても平和にしてくれました。
 ものが溢れる現代では、ぜいたくが基準で、それ以下だったら恥ずかしかったり、そこまで到達できないことでいらだったり、逆にそういう境遇をうらんだり、人の心を貧しくしているような気がします。
 でも、ちょっと振り返ってみると、私たちは毎日寝る場所があって、何不自由なく食事をして、学校に行って、暮らしています。そのことに、何の疑問も持たずあたりまえに過ごしています。
 あたりまえに普通に暮らしていけるそのことには、誰にお礼を言えばいいのでしょう。もちろん育ててくれているご両親に、そして家族に、地域に人たちに、そして、何よりも、自分が現在ココにいることができるのは、自分の中に流れているこの血を受けついできてくれた、たくさんの祖先の方々がいたからではないでしょうか。
 今、受け継がれたあなたの命を絶やすわけにはいきません。この命は、これからたくさんの子孫に受け継がれていくのだから。
 そして、私は、今失われつつある、「がばいばあちゃん」や「三丁目の夕日」に出てきた人たちの、貧しくても明るくたくましく支えあって生きる前向きな「心」をも伝えていきたいと思うのです。
 「命」と「心」を、次にバトンタッチして、幸せを伝えていきましょう。

 今日、早速、仕事から帰宅されたお家の方に、「お帰りなさい。お疲れ様でした」と言って肩でももんであげてはいかがですか?

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