安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

2015年09月08日 | 月刊ブログ

 9月になると、途端に日中の気温が落ち着き、吹く風に秋の気配を感じます。夕空に舞う赤とんぼは抒情的です。

 今日は朝からとてもいい気分です。早朝新しい空気を感じたくてベランダへのガラス戸を開けると、海際に大きな虹がかかっているのが見えました。久しぶりにくっきりとした七色の虹を見て、忙しかったこの夏の喧騒がどこかに消えていきました。自然の美しさに思わず息を飲んでしまいました。

 

 いよいよ初級程度の公務員試験が始まりました。国家一般職の前に決起集会を開き、私たち教員で、全力投球のエールを贈りました。

 校長先生のお話の後、『得点アップアドバイス』として、受験の心構えなど全員に向けて話をしました。試験会場では、通常の精神状態ではない自分がいて、普段通りの実力を発揮するのは、なかなか難しいことです。時間配分や、マークシートの確認、作文の注意点、持ち物の準備などなど。

 各教員も、学生に向けて熱いメッセージを送りました。

 私は、4月からずっと勉強に取り組んできたみんなほど勉強した人はいない、自信を持って臨むようにと励ましました。

 

 自信などとてもなかった私自身のことを振り返ってみました。幼いときは引っ込み思案で、授業中の発表など恥ずかしくてしたことがありませんでした。そのような子供時代を過ごしていた私が、今は、大勢の前で授業をしたり話をしたりしているのですから、自分自身が一番驚いています。

 関わってきた友人たち、影響を受けた高校の先生、学生時代の部活動、また教員になりたいという私の強い思いなどが作用して、現在の自分がいるのだと思います。いくつかの出会いやいただいたチャンスは、私の人生を大きく変えていきました。加えて、働く環境を支えてくれた家族の存在はそのベースとなっています。

 遠回りをしましたが、目指す職業に就けていることは、幸せなことだと改めて思います。そしてその年月を拠り所として、少しだけ自信がついてきました。

 

 「利他主義」という言葉を聞きました。対義語は「利己主義」です。何となく言葉の意味は掴めます。

私たちは大自然の中で生かされています。私たちが使う「自分」という言葉は自然の一部分という意味だそうです。

 自然現象の中で、植物連鎖や動植物の呼吸の現象は、お互いが「利他的」で成り立っています。人間を含めた動物は、酸素を吸収し二酸化炭素を排出しています。植物はその二酸化炭素を吸収して光合成を行い酸素を排出しています。相互に生かされているわけです。

 私たちは、生きていること自体が利他的なのです。また逆に周りの力なしでは成功はおろか、生きていくことさえできないのです。そう思うと、周りへの配慮、感謝を忘れてはいけないと思います。自分さえ良ければというわがままな考え方は利己的です。私も、自分に置き換え考えてみました。

 

 今日の虹は、私に忘れていた感謝の心を思い出させてくれました。今、周りにいる一人ひとりのことを思い、「ありがとう」と深く言いたくなりました。

 

 先週から公務員科では、上級、初級とも内定をもらった学生たちが、10月採用までの残された時間を、パソコンや社会人としてのマナーや文書の書き方を、別授業で勉強しています。いよいよ社会人になります。即戦力とまではいかなくても、一応のビジネスの常識を習得してもらって送り出したいと思っています。この特別授業で、公務員としての第一歩がスムーズに踏み出せればと思います。

 カリキュラムにはない授業ですが、ここを巣立つ学生たちに、私たちにできることはすべてやってあげたいと思っています。

 来月の今頃は、1次試験の結果が届いています。上級の内定も出揃う頃です。

 そのころにまた、美しい虹を見たいなと思います。

 

Photo by mizutani


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