安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

バラのかおり

2013年06月10日 | 月刊ブログ
 梅雨入り後ずっと真夏の陽気でしたが、今週はどんよりと曇り空が続いています。紫陽花もところどころで見られるようになりました。
 さて、入学後2ヵ月が経過して、長崎校の1年生は、今月から週3日、企業実習に入っています。毎日が緊張の連続ではないかと思います。この4月から2ヵ月で学んだビジネスマナーやコミュニケーションの大切さなどが活かせているでしょうか。
 佐世保校の学生たちは学校にも慣れイキイキとワイワイガヤガヤと学校生活を送っています。放課後も、多くの学生が自主的に残って公務員試験のための勉強をしています。先日は、海上保安学校学生(特別)の1次試験発表がありました。佐世保地区では、14名が合格し、内11名が本校からでした。いよいよ来週は2次面接試験です。練習はすでに始まっています。

 毎年6月第一日曜日には、佐世保市の市民大清掃に初中級科全員で参加しています。佐世保市役所職員を目指す学生にとっては、憧れの庁舎正面玄関で、間近に朝長市長の開会のあいさつを聞いて少々高揚していました。いくつかのコースに分かれて清掃がスタートしました。佐世保の企業や団体の方と一緒に、私たちは、佐世保川に沿ってアルバカーキ橋まで、空き缶やタバコの吸殻を拾ったり、雑草を取ったりしながら清掃をしました。去年の卒業生が、佐世保市役所職員となり環境部の一員として、忙しく動き回っている姿は、なんとも頼もしい光景でした。
 ひとつのイベントではありますが、普段の生活では体験しない奉仕活動は、公務員を目指す学生たちに、これから携わる仕事について何か考えてくれたのではないかと思います。

 人のために何かできるかと考えたときに、人間一人では、なかなか思うように行動できません。でも、何人かで集まることで、少しだけ形ある行いができそうです。
 ボランティア活動を個人で進んでやれる人は、本当に少ないでしょう。学校で、市の行事としてのボランティアに参加することで、今までやりたくてもやれなかった、「何か人のため」の行動ができました。佐世保川沿いはすっかりきれいになりました。学生たちの表情は、すがすがしく輝いて見えました。

 この佐世保の専門学校は、今年で創立26年になりました。県北を中心として地元の方々にこれまで利用していただいて、多くの卒業生を送り出してきました。
 先日、10年前の卒業生からメールが来て、「勤続10年の表彰を受けました。」と報告がありました。そして私が、「よかったねえ、よくがんばったね。」と返信したら、彼は、一言だけ「皆さんのおかげです。」と返ってきました。
 彼が在学していたころ、年齢的にもたくさんの悩みを抱えていて、病気で入院したり、自分の命についても間違った選択をしそうになりました。それが、10年も同じ場所で
福祉関係の仕事に携わってきたことに、私は本当に敬意を表したいと思います。そして彼の口からでた「皆さんのおかげ」という言葉に、大きく成長した姿を思い浮かべることができました。
 わたし個人では、何もできないけれど、この学校の一員として、入学してくる学生たちの夢をかなえるお手伝いができることは、何よりの喜びです。
 9月本試験まで、あと3ヵ月。時々は厳しいことも言いますが、学生たちは元気いっぱいです。色とりどりのバラの花のように、前向きな笑顔で勉強に取り組んでいます。

 今月の写真は、日本では古代から愛でられていたバラの花です。古くバラは「うまら」「うばら」と呼ばれ、『万葉集』にも詠まれています。日本には自生のバラの品種もたくさんあるとのこと、ちょっと意外でした。現在のように品種改良され大輪の香り高いものは明治になってからだそうです。6月の誕生花、ちょっと高貴で香り高いバラを飾って、どんよりした梅雨の時期を乗り切りましょう。

Photo by mizutani

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