安藤先生の月刊ブログ 「きらめき」

何気ない毎日に"きらめき"を感じていますか?

伝わる

2008年02月01日 | 月刊ブログ
 やはり2月になると、この長崎県でも気温が10度を下回ることが多くなりました。
 今、当校では、学年末の試験が行われています。卒業や進級の掛かった大事な試験に、学生たちは真剣に取り組んでいます。
 先日、7年くらい前の卒業生が訪ねてきました。ずいぶんと回り道をしたけど、今年、理学療法士の資格を取ることができました。そして公共の医療機関の採用試験の1次に合格したとのこと。論文対策や過去の面接質問内容等参考資料をあげてアドバイスをしてあげました。試験当日夕方に、電話が掛かってきて、「今、無事試験が終わりました。いろいろとありがとうございました。論文は練習していたものと似たタイトルで、何とか書くことができました。練習していて良かったです。」
 
 7年前の彼の学生時代の様子が、いっぺんによみがえってきました。 
 彼は、これまでの卒業生の中で最も印象に残っている学生の一人です。
彼は入学して1年間は、本当に勉強をしない学生でした。しかし、1年間終わったときに、周りのクラスメートは自分よりはるか先を歩いていることに気がついたと、後になって私に話してくれました。それから、彼は人が変わったように一生懸命勉強に取り組むようになりました。当時ヘルパー2級の資格を取り医療機関の介護職として就職したのですが、病院の方の話によると、彼の周りにはなぜかお年寄りが集まるそうです。全体から醸し出す優しさが、言葉や態度以前に周りに伝わるのでしょう。
 彼は、介護職として仕事をする中で、一緒に仕事をしている理学療法士の仕事に興味を持ち、そこから一念発起し、働きながら夜間の専門学校に4年間通い、資格を取得し今年卒業することになったのです。ほんとによくがんばったね!当時の彼の様子と重なって涙が出るくらい感心しています。
 
 相変わらずにこやかで、しかし淡々と静かに話をして、時々彼の優しさが感じられるのです。
 言葉がうまくなくても、態度がオーバーでなくても、周りを心地よくさせてくれるその根源は一体どこにあるのだろうと、会うたびに感じさせる彼なのです。
 一生懸命伝えようとしても、全く伝わらないこともあるし、伝わったのかどうかわからない場合もあります。
 しかし、彼のように何も言わなくても優しさが伝わることもあるのですね。
 どこが違うのだろう。
 また、会いたくなるような人なのです。
 
 これからは、これまでの仕事の経験を生かして、学んだ知識や技術と、誰にも負けない向上心、それから、今のままの人柄で、ますますがんばってもらいたいと思っています。
 
 寒い日の、うれしい再会でした。

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