イスラエルでは2週間過ごしました。素晴らしい観光があり、飲み過ぎて寝ゲロするほど楽しい夜があり、パレスチナ問題を考えさせられた夜がありました。一緒に過ごしたメンバーや親切な現地人にも恵まれたし、様々な面で刺激的な滞在となりました。
今回は、長くなったので前後編に分けて書きます。
イスラエル観光の基点は、”究極の聖地”エルサレムです。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という主要な3つの宗教の聖地が1km四方の狭い地域に集中しています。
↓隣り合う二つの宗教の聖地。イスラムの聖地・岩のドーム(左の金色の屋根)とユダヤ教の聖地・嘆きの壁
なぜこのような状態になったかというと(最近本で読んで知った付け焼刃の知識ですが)、これら3つの宗教はどれも似たような起源を持つ兄弟のような宗教だから、らしいです。イスラムの聖典コーランによると、ムハンマドよりも遥か先に存在していた預言者イブラヒム(アブラハム)の腹違いの兄弟がそれぞれユダヤ人とアラブ人の先祖なのだそうです。そして、キリスト教が生まれたのもユダヤ教からだとのこと。
そんなエルサレムの旧市街は、他のどの国とも明らかに違う特殊な雰囲気に満ちていました。周囲をぐるりと壁に囲まれた1km四方の旧市街は、イスラム地区、ユダヤ地区、キリスト地区、アルメニア地区の4つの民族の居住区に分かれています。そして、ユダヤ教の聖地の”嘆きの壁”周辺や、キリスト教の聖地の”悲しみの道”は、どちらも旧市街内のイスラム地区にもかかっており、こてこてのアラブ風商店街を、ユダヤ人の伝統的な格好をした人(黒い帽子、黒いコート、もみあげを異常に伸ばした髪形)や、キリスト教の牧師と信者たちが練り歩いている光景は、凄いものがありました。
・アラブ的空間を、キリスト教徒達が練り歩く。(週一回の宗教的イベント)
・嘆きの壁にて嘆くユダヤ人
・嘆きの壁にいたユダヤ人子供
・嘆きの壁は、毎週金曜日の週末にユダヤ人で埋め尽くされる。
祈ったり、嘆いたり、歌って踊ったり、知人と会話したり、みんながそれぞれの目的で集まっている。
・旧市街のそばのパレスチナ人地区に住む子供がかわいくライフルで撃つまねをしてきた。
・旧市街内の人のいない運動場で一人祈るムスリム
いろんな宗教の聖地だからこそ、テロ対策も厳しいです。そこら中にイスラエル兵が大量に配備されているし、セキュリティチェックポイントでの荷物チェックもあります。
・嘆きの壁にいた兵士たち。イスラエルの子供達にはアイドルのような扱いを受けていた。「キャー、こっち向いて!」みたいな感じです。
・町を歩いていた女兵士たちと。
女性兵士には、国境をはじめとする各地のチェックポイントでお世話になります。美人が多かったです。(写真の女兵士はそうでもないけど)
エルサレムの宿(ファイサルホテル)も、とても印象的でした。イスラエルのヨーロッパ並みの物価からすると、かなり安い一泊750円で、しかも夕食つき、インターネット無料、午前中お茶無料、という素晴らしいサービスです。共有スペースも広くて明るくて雰囲気もよく、ここでだらっと旅行者と話をしているだけで、とても幸せな気分になります。またこの共有スペースでは、オーナーが夜になると突然奇人に変身して、旅行者を無理やり巻き込んでのダンスパーティーも催されたりもします。ほとんどの旅行者は、そのオーナーを無視してるのだけど、それでもしつこく旅行者達を巻き込もうとするオーナーがとても面白かったです。
毎晩宿泊客みんなで晩御飯
妖怪に変身した宿のオーナー
<後編>パレスチナ自治区編へ続く