タイの次はカンボジアにやって来ました。タイでは、チェンマイ、アユタヤ、ゴーゴーバーなど僕の行っていない見所がまだまだ残っていたのですが、先を急いでカンボジアへ行きました。
カンボジアといえば何といってもアンコールワットですね。この2年の旅で最後に残った超大物観光地です。世界3大遺跡といえば、ピラミッド、マチュピチュ、アンコールワットですが、僕の会った旅行者からの評判が最も良いのがアンコールワットであり、先の二つは会社員時代の短期旅行で既に見ているので、まさにこの旅の終盤を飾るにふさわしい最後の真打ち登場という感じです。
バンコクからアンコールワット(町の名前はシェムリアップ)への陸路の道は悪路として有名ですが、現在はかなり舗装されていて、どちらかといえば快適な移動でした。国境でカンボジア人のツアーエージェントが、カンボジアにはATMが無いとか、1ドル=3300リエルだと嘘の両替レート(実際は1ドル=4000リエル)を教えてきたりとかがあって、うざかったですが。
随分とならされたシェムリアップへの道
周りは360度草原で、空がとても広かったです。
このバスで日本人旅行者二人と知り合い、一緒にタケオ・ゲストハウスという日本人宿へ向かいました。その二人は、ヒロくん(爽やか)とヒデローくん(お笑い)といい、今後のシェムリアップ観光を共にすることになっていきます。ちなみにタケオという宿は武夫という日本人が経営しているわけではなく、オーナーはカンボジア人のおばちゃん(その名もモムさん)でした。名前のタケオというのも、武夫という日本人名とはどうも関係なくカンボジアの地名らしいです・・・。
そのタケオには、多くの日本人が泊まっていて、久しぶりに酒を飲みながら日本人とワイワイ騒ぐという場にめぐり会えました。いやあ、楽しいです。大勢で酒を飲んで騒ぐのなんていつ以来だろう。中国では日本人グループに会わなかったし、欧米人グループと出かけることもなかったし、インドやパキスタンはほぼ禁酒状態なのでそんな機会は無かったし、どうやら去年のイスラエル滞在まで遡らなければならないっぽいです。なるほど。やけに楽しく感じると思ったら、そんなに長く酒を飲んで騒ぐということをしてなかったのですね。そして、そこでは別のヒロくん(エロい)というのがいて、彼がタイのゴーゴーバーの達人で、ゴーゴーバーの話で盛り上がりました。ああ、そんなに楽しい所なのなら、行っておけば良かったと後悔しました。タイでは、あまり他の旅行者との出会いが無くて、「今日はゴーゴーバーへ行こう!」という機運が無かったのです。勝手が分からないのに一人で行くほど、行きたかったわけでもないし・・・。しかし、今思えば無理してでも行っておけば良かったです。そういえば、バングラデシュなどで一緒だったKヘイ・Kスケの関西ドレッド・コンビも「タイの見所はゴーゴーバー」と言い切っていたなあ。しかし、もう遅い・・・。まあ、将来の楽しみに取っておくことにしましょう。
そんなこんなで、Y談で盛り上がっているときに3人目のヒロくん(鬼畜)が現れて(日本人旅行者には本当に”ヒロ”という名前が多いです。この日ヒロ3人目の彼はなかなかの鬼畜でした。でもビールを奢ってくれました。)、明日ベンメリアというちょっと遠い遺跡に車をチャーターしていかないかと誘われました。ここで、ちょっとだけアンコール・ワット観光について説明すると、アンコール・ワットというのはもちろん遺跡の名前なのですが、その周辺には”アンコール遺跡群”と呼ばれる多数の遺跡があるのです。有名なアンコール・トムなどもその一つなのですが、アンコールワットを観光するというのは、そんなアンコール遺跡群をアンコールワットを含めて複数観光するのが一般的なのです。その中で、ベンメリアというのは、ガイドブックのお勧め度はかなり高いものの、シェムリアップから80kmも離れているので僕は行くのを半ば諦めていたのです。しかし、みんなで車をチャーターして行くのなら別です。これ幸いとばかりに、その誘いにみんなで乗っかりました。
翌日、結局参加者は日本人ばかり10人も集まったみたいで、チャーターしたハイエースに乗り込みベンメリアへ行きました。道中、たくさんの選挙カーや選挙バイクと出会いました。翌日がカンボジアの大きい選挙だったみたいで、カンボジア人はみんな大挙して道路へ出てきて自分の応援する政党の選挙活動に励んでるようなのです。そんな車やバイクの列が数キロに渡って続いていて、まるで暴走族のようでした。人数的にはシェムリアップという小さい町の半分くらいの人が参加しているのではと思うような大人数でした。
探検気分のベンメリア観光
森林の中にある遺跡で、自然と遺跡の融合が味わい深かったです。
日中は遺跡観光を満喫し、夜は一緒にベンメリアに行ったナミちゃん(富士の樹海で育った美女)とイトウさん(広告関連の会社に就職予定の野獣。というかオタク)コンビが北朝鮮レストランに行くというので、ベンメリア参加メンバーみんなで一緒に連れて行ってもらうことにしました。カンボジアはどうやら北朝鮮や韓国との繋がりが深いらしく、いたるところに韓国料理屋があります。なかでも平壌レストランというのが、北朝鮮政府直営の店で、あの有名な喜び組の歌と踊りのショーが見れるということらしいのです。
喜び組の華麗なるダンス
しかもビールを注いでもらえる
でれでれ
写真撮影もオッケー
でれでれ
さすが将軍様のお眼鏡にかなっただけあって美女揃いで、男性人はみんなデレデレと鼻の下が伸びっぱなしでした。うふふふふ。でれれれれれ。
この平壌レストランでシコタマ酒を飲み、その勢いで宿に帰ってからもみんなで飲んで騒ぎました。いやあ、ほんっとうに宴会っていいですね。
<8月11日追記>そういえば、平壌レストランでは犬肉を生まれて初めて食べました。割と美味しかったです。
そんなこんなで夜遅くまで飲んだのですが、翌日は朝の4時に起きてアンコールワットの日の出観光に出かけました。バスで出会った一人目ヒロくん(爽やか)とヒデローくんとユリエちゃん(副社長)と4人です。
アンコールワット入口にてナイフを持って人間に凄みを利かせる門番猿
アンコールワットの次はこれもまた有名なアンコールトムへ。
さすが有名なだけあって見応えありました。
最後にタプロームという遺跡へ行きました。
ここは、遺跡が木に侵食されて崩壊しているという面白い場所でした。
夕方はプノン・バケンという遺跡兼夕日観光ポイントへ行く予定だったのですが、この日一日お世話になったサリーという可愛い名前(でも男)の日本語ペラペラのトゥクトゥクドライバー兼ガイドがトンレサップ湖というところの夕日が素晴らしいと猛烈にプッシュしてくるので、渋々そこへサンセットを見に行くことにしたのですが、これが予想外の大ヒットとなりました。
トンレサップ湖に向かう川に浮いている家とそこで生活する人
トンレサップ湖に関する情報が全く持ってなかったので、まさか人が水の上で生活しているところを見れるとは思っても見ませんでした。いや、びっくりです。船と家の中間のような建物が川の両岸にぷかぷかと浮いていて、それが長々と続いているのです。その多くの家が玄関ドアを開けっぱなしなので、中の生活が丸見えなのでした。台所で料理をしていたり、テレビでキックボクシングを見ていたり、ビリヤード台があったり、子供がハンモックで寝ていたり、驚きの光景の連続でした。ガイドが言うには、子供達は中学校までは水の上の学校に通うのだそうです。教会も水の上に浮いていました。生業はだいたい川魚捕りらしいです。家の底に網を張っておけば勝手に魚が捕まるらしいのです。なんて楽な。
中には船そのもののような家に住んでいる人も
移動はもちろん船のみ
水上教会
そして、そんな光景の続く川をひとしきり進んでいくと突然海のような見渡す限り泥水の場所へ出ます。そこがトンレサップ湖です。対岸が全く見えない広さで、まさに海のような感じなのですが、水が青じゃなくて茶色なのが異世界的な感じで痺れました。この時点で感動はかなり高まっていて、サリーの言うとおりにトンレサップ湖に来てよかったと大満足だったのですが、その後、帰り道で見たサンセットがかつて見たことの無い美しさで、感動はさらに高まって最高潮となって、この素晴らしい一日にふさわしい締め括りとなったのでした。
夕食はサリーおすすめの店でカンボジア風・焼肉とカンボジア風・鍋でした。うまかったです。
最初から最後まで本当に幸せな一日でした。
そんな楽しいシェムリアップの次は、首都プノンペンに移動しました。また一人旅です。着いた初日は3人目のヒロくん(鬼畜)と偶然再会して、駐車場のような場所の屋台で深夜まで飲んで、鬼畜トークに花を咲かせて楽しかったのですが、翌日、トゥール・スレーン博物館というポル・ポト派の虐殺について展示してある所へ一人で行きました。シェムリアップでの楽しかったムードは吹き飛び、いきなり重苦しいムードです。この博物館は元クメール・ルージュの強制収容所だった場所で、なんともいえない暗いムードが漂っています。
収容された人の写真が全員分展示されていました。
赤ちゃんと一緒に収容された女性
ポル・ポトは農村で働く人こそが本当の人民であるとして、当時の知識人や都市生活者を社会の悪として決めつけ、その多くを収容所送りにして次々と殺したのですが、ポルポトの経歴を見ると、フランスに留学して帰国後はフランス語教師で働いていたらしい、って完全に都市生活者の知識人やんけ!と思いっきり突っ込みたくなりました。
狂気の理想主義者ポル・ポト(左)
見学中にスコールが来ました。台風のような暴風雨で、窓が開けっ放しのこの博物館内にも激しく吹き込んできました。そして、上記のポル・ポトの写真が風によってばたんっと落ちたのが印象的でした。
雨上がりのプノンペンの町
そんなこんなで、現在はベトナムのホーチミンです。ベトナムではベトナム料理を食べる以外は特に何もする予定は無い(というか何をしたらいいのか良く判らない)ので、さっさと中国に戻ろうかと思います。今夜、2泊3日の夜行列車で首都ハノイに向かいます。