「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(アメリカ)下院「つなぎ予算」可決に見る議会模様<2023年11月

2023-11-18 20:58:12 | アメリカ合衆国

米下院が「つなぎ予算」可決、アメリカの孤立主義が加速する?
2023年11月15日(水)14時00分
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2023/11/post-1333_1.php

下院が多数派を握る下院は、最初の議長選出から波乱が始まり、1回目の「つなぎ予算」可決ではギリギリまでもめた挙句、前下院議長のマッカーシー氏が解任されました。

その次の議長選出でまたもめて、今回2回目の「つなぎ予算」がどうなるか心配されましたが、意外にも「ジョンソン議長の私案」を賛成多数で可決しました。

「連邦政府閉鎖」を回避するという大義名分のもと、民主党の大多数が賛成に回ったからです。
共和党保守派の環境対策であるとか、格差是正などの予算を大幅にカットすると言う主張を引っ込めて、その代わり「ウクライナとイスラエルへの軍事支援は含まず」との内容です。

軍事支援に関しては、共和党内でも民主党内でも意見が割れています。そこで「軍事支援」を「つなぎ予算」から外して妥協を促したわけです。議長が、上手くやったと言うことでしょう。

記事によると、ここから二つの側面が浮かび上がります。
一つは、共和党の分裂です。賛成が共和党主流派。反対が共和党保守派(ほぼトランプ派)95票。
共和党地方支部でも問題になっている共和党の分裂が、下院でも起こりました。
しかし、ジョンソン議長は議会運営に道筋を付けました。共和党主流派+民主党で法案は議決できます。その分、民主党の主張に配慮する必要はありますが、下院の空転は最終的に避ける見通しが立ちました。

問題は共和党にとって、来年の選挙イヤーです。大統領のみならず議会(上院・下院)、州知事、地方議会まで全部選挙があります。

大統領選では、さすがに予備選で選出された候補(現在はトランプ優勢)でまとまると思います。
それ以外の選挙では、分裂したまま選挙戦に突入する可能性が大きくなりました。
大統領以外は、民主党の総勝ちになりそうな気配です。そうなるとトランプの暴走には、一定の歯止めがかかるからその意味では、良いことだと思います。バイデンさんを見ていると、次はトランプの方が無難だと思います。バイデンさんは、イスラエル問題でもウクライナ問題でも大きなミスをしました。

筆者は、アメリカ外交の孤立主義の強まりを危惧しています。
『アメリカの世界政治への関与が弱まり、世界が不安定化する危険が高まる』

これは従来の通説的な見解です。
私の考えは、正反対です。

アメリカの世界政治への一極関与が世界政治を不安定化させました。そしてもめ事は、軍事力で解決する道筋を付けたために、今の戦争や紛争・過激主義者の世界的な拡散・戦争や内紛が大量の難民を生み出して(気象変動による部分もありますが)世界的な問題になっています。特にヨーロッパでは、社会の不安定化と貧困の増大・右翼系過激派の台頭を招きました。

私の考えは、アメリカは軍事力を背景に国際政治に関与する度合いを少なくするべきだと思います。アメリカが軍事力の行使や軍事力による問題解決を控えれば、自然に以前のように外交交渉と話し合いによる妥協を探る流れが、戻ると思います。

どうしても必要な時だけ国際社会からの多数意見と言う意味での合意を得て、軍事的な介入をするべきだと思います。こうするとアメリカ・NATOの意見で軍事力を行使するのではなく、国際社会の多数意見の色彩が強まりますから世界の警察官として期待される部分が増えると思います。国連軍的な意味合いも強まります。

つまり❓
今の国際社会の不安定化を招いているのは、記事の筆者の言う「通説的アメリカ外交論」です。ブッシュJr大統領の時代から極端にそれが強まりました。

それをクリントン大統領の時代まで続いた流れに戻すことは、世界にとっても大切だと思います。中国封じ込めにしても同じです。力で封じ込めようとすれば軍事衝突のリスクが高まります。外交と話し合いを交渉の道具にすれば軍事衝突は回避できます。
「中国封じ込め」は、単にアメリカがそうしたいだけで世界が求めているものでは、ありません。

その意味でも国際政治への関与を減らす傾向を持つトランプが、現在のアメリカの大統領としてバイデンさんよりも遥かに適性があると思います。

20年続いたドロ沼化していたアフガン紛争からの撤退を決めたのは、前トランプ大統領です。オバマ元大統領には出来なかったことです。オバマ・トランプ・バイデンの3人を比較するなら、アフガン紛争撤退を決断したという意味で外交では、トランプの果たした役割が最も大きいです。
ウクライナ紛争を結果として呼び込んだのは、オバマ~バイデン路線です。トランプの時代には、起きませんでしたネ❓

トランプは、ゲテモノのように見えますが国際政治ではオバマ~バイデン路線より、遥かにマシだと思います。



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