「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ドイツに見るヨーロッパの政治の変化<2024/10/08

2024-10-08 19:20:28 | ヨーロッパ

このままだと「ドイツは全体主義」に向かってしまう…いま現地で起きている「経済と民主主義」の危機
2024.10.05
https://gendai.media/articles/-/138687
川口マーン惠美

新聞やテレビでは絶対に今の世界の変化は分からないと思います。
あるいは欧米のメデイアでも同じかもしれません。
今欧米では極右勢力の台頭が言われています。
既存の政党が今起きている大きな社会問題と言うのか社会の変化に対応できていないからです。
アメリカのトランプ現象も考えてみると、極右化の一つの現れです。アメリカの場合は、元々共和党が極右に近い右派政党だから、あまり目立たないのだろうと思います。
民主党は、「民主主義の危機」と言ってトランプを排斥しようとします。
相当、ヒステリックに見えます。
何が理由なのかを考えてみると、今ドイツの政治で起きていることと同じであることに気が付きます。
既存の概念と異質なものに対する反射的な拒否感と、排除したいという反応だろうと思います。

ドイツでも似たような政治的な動きがあります。
ドイツの場合は、政党が沢山あるのでアメリカとは違う動きになります。

これまでドイツになかった極右政党「AfD」に対する既存政党の拒否感は、凄いものがあります。
ドイツの政権与党は、「社民党、緑の党、自民党」の3党です。ほぼ野合数合わせ政権と言うべきです。
前回の総選挙で長年の与党であるキリスト教民主同盟が議席を失ったために、この野合連立政権が出来ました。
それ以前からドイツの社会矛盾は大きくなっていました。それに対する批判が、野合連立政権の成立です。

そかし以前からあった社会矛盾は、この野合政権が一層酷くしました。単にひどくなっただけかもしれません。
その結果❓
『一方、ボロ負けしたのが、社民党、緑の党、自民党。
つまり、この結果は、どう見ても、チューリンゲン州とザクセン州の有権者が(おそらく全国民の意見を代表して)、この3年間のショルツ政権に落第点をつけた証拠だった。というのも、ドイツでは現在、倒産、リストラ、企業の国外移転という嵐が吹き荒れ、まさに坂を転げ落ちるような速度で不況に陥っている。

もちろん、これらの全てがショルツ政権(社民党)のせいではないにしろ、何もしないショルツ首相と、経済音痴のハーベック経済相(緑の党)の責任は大きいはずだ。』

ここに東西ドイツの色々な格差が絡んで、余計訳の分からに事になっています。
特に旧東ドイツ地区で極右政党「AfD」の台頭が大きいです。
これを全体主義の台頭だと決めつけて、ほぼ全党が協力して「AfD」叩きと排斥を行っています。

『つまり、全国的に人気が失墜している社民党における数少ない成功例の一つが、ヴォイトケ氏率いるブランデンブルク州だったのだが、もちろん、現在、ここでもAfDの追い上げは強烈だ。そこで、選挙戦の最終盤には、社民党はもちろん、CDU(キリスト教民主同盟)や、その他の党でも危機感が広がり、「AfDを勝たせてはならない!」という空気が超党派で強まった。

そんな中、奇妙なことが起こった。州外のCDUの大物政治家がブランデンブルク州の有権者に向かって、社民党に投票するようアピールしたのだ。必死で戦っていたCDUの候補者らにしてみれば、背後から味方の弾が飛んできたに等しい。』

ここまで行くと、どっちが独裁主義か分からないだろう❓
と言うのが筆者の主張です。
「AfD」が政治的に急速に台頭したのは、既存の政党がドイツ国内で大きくなった社会矛盾に対応しなかったからです。全体主義が支持されているわけでは、ありません。

既存の政党が「AfD」を全体主義だと非難して排斥するのは、既存の政党の既得権益を守ろうとしているのだろうと思います。

民主主義の基本は、排斥ではなく話し合いであり少数意見の尊重です。
民主主義の原則によるならば「AfD」を排斥するのではなく、「AfD」の主張を聞き政治に取り入れるべきでしょう。
だからドイツ政界で起きていることは民主主義の名をかたった独裁主義だと言えます。

そして、更に考えるとウクライナ紛争への対応でも同じことが見えます。
ウクライナ紛争は、ロシアとウクライナの戦争でありヨーロッパとロシアの戦争はありません。
しかしロシアを悪と決めつけて、一方的にウクライナに加担しています。
ヨーロッパの多くの国が、そうです。
EU政府は実際には隠れドイツですから、本来なら中立的な立場に立ち戦争の拡大を防ぐべき立場にあるEU政府が先頭に立ってウクライナ紛争を煽り立てています。

異質なもの(ロシア)を否定して排斥するのは、全く同じ構図です。
そして日本国内でも同じですが、一つの方向に一気に世論が動いてしまいました。
ヨーロッパの市民世論は日本とは違います。
戦争を止めて欲しいと願うEU市民は沢山います。

しかしEU政府もヨーロッパ各国の多くの政府も国民の意見は無視して戦争に邁進しています。
ドイツと同じ社会問題は、EU全体にあります。
社会問題に対処せず、外に目を向けて不満を外に向けて発散する構図です。
それにはロシアを極悪に決めつけてロシア叩きに励むのが便利だと言うことだと思います。

それでヨーロッパにある社会矛盾が解決することはありません。戦争の負担の重みが更に貧しさや社会不安を増大させ、より一層極勢力の台頭を招くでしょう。

この行きつく先は、戦争の拡大です。
今、ウクライナ紛争を見ているとアメリカではなくヨーロッパが戦争を拡大させたがっているように見えます。

川口マーン惠美さんの記事の内容とは、違う話になってしまいましたがヨーロッパは、今このような危機の中にいると思います。
ヨーロッパの政治家が自分たちの保身にウクライナ紛争を利用すれば、ヨーロッパ紛争に拡大するリスクが大きくなります。
その意味でヨーロッパは、今平和と戦争の分岐点にいるのかもしれません。

やや取り留めがなくなりましたが、日本でも同じ現象が見られます。日本の場合は報道の自由度が低い分、余計一気に世論が一方通行で動きます。
戦争を求めているような意見が、なんだか大きくなりましたね❓
「台湾有事は日本の有事」
こうやって嘘を言って軍拡をしようとする輩がいます。
少々、軍事費を増大したところで戦争は防げません。
周辺諸国との摩擦を避け、周辺の紛争のネタを起こさないように努力することが、一番の国防です。
「台湾有事」を煽り立てるなどは、以ての外です。
それは逆で台湾に中国との摩擦を大きくしないように働きかけるべきだと思います。
台湾を見ていると逆ですね。
摩擦を煽り立てて大きくしようとしているように見えます。
中国の軍事介入を誘発しようとしているように見えます。
台湾が、どうしてもそうしたいならすればいいです。
しかし、日本がそれに付き合う必要は全然ありません。
むしろ中立を守り関与しないことが大切だと思います。


※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


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