3月14日 (土)
朝食は昨日の残りのパンとジュースだけ。
7時少し前にリーチェンとホテルのロビーで4年ぶりの再会。緑の縁の眼鏡をかけている以外は変わっていない。
近くのコンビニでパンとお茶を買い、タクシーで上海8万人体育館へ向かう。ここが観光バスの発着地点である。前回の時はこの体育館の下のスーパーで買い物をした懐かしい場所である。観光地に向かうバスターミナルは相変わらずの混雑であった。
バスは9号車であるがどこに停まっているのか判らない。やっと探し当てバスに乗り込む。指定席である。リーチェンは昨晩23時の飛行機で海南から3時間かけ上海に戻ってきて、2,3時間しか寝ていないと言う。でも久しぶりの再会なので色々と話がはずむ。その内2人とも眠っていた。
目的地の木瀆(Mudu)ムードゥは上海の西側にある蘇州の大きな湖の近くにある。
http://www.mudu.com.cn/japan/
バスは7時30分に出発し、目的に着いたのは11時30分ごろである。バスが到着すると集合時間も聞かずにみんな勝手に歩きだす。傍に川があり手漕ぎの遊覧舟も出ているが混んでいる。厳家花園、虹飲山房、古松園、榜眼府邸などの史跡がある。みんな大きな庭があり独特の石が置かれ、池には金魚だとか鯉が泳いでいる。梅や桃、レンギョウ、ミツマタ、木連、椿などが咲いている。
地方からの観光客だと言うのがすぐ判る。話声が大きくてまるで喧嘩をしているような感じである。史跡の観光順路は矢印も無く狭いところでは人がぶつかり合う。私なんかおばさんに突き飛ばされてしまった。
川沿いに土産物屋や露店が並んでいる。露店の臭豆腐のアンモニアの強いような臭いがあちらこちらから漂ってくる。臭さには閉口した。露店ではいちご、川ガニの串差しの唐揚げ、パイナップルなどが売られていた。パイナップルは表面を剥いてポチポチを斜めに彫刻刀で斜め上にらせん状に削り、立てに4つ割にして割りばしを差して売っていた。
人ごみの多い狭い路地のような道をオートバイがクラクションを鳴らして通って行く。アメ横の混雑しているところをオートバイで走るようなもので考えられない。
厳家花園で会社の人たちのお土産として刺繍のストラップを25個買う(1個5元:75円)。25個も買うのだからまけろと交渉したが駄目だった。25個、同じものは一つとしてない。蘇州は刺繍で有名なところらしい。古松園の庭石に腰かけてお昼を食べる。観光地は高いし、衛生的でないと言う。確かに川から数メートルしか離れていない井戸から鍋で水をくみ上げていた。中国人の観光客はプラスチックの水筒を持ち歩いているのが目につく。
帰り道、川を間違えて道に迷ってしまった。果物屋でみかんとオレンジを買い、道を確認する。昔の宮廷衣装を着て写真を撮り合っている女性たちがいた。結婚式のお祝いかと思ったら貸衣装を着て写真を撮っているのであった。チャイナドレスとは違い素敵である。
バスの出発時間まで30分ほどあるので大きな通りの反対側に行くことにした。片側3車線もあるような通りを赤信号なのに無視して渡って行く。交通量も結構ある。さすがに自動車は徐行する。
通りの反対側にも道の両側に店が並んでいる。殆どがお線香を売っている。お線香と言っても30cmから60cmもあるような長いもの。普通の観光土産や射的、輪投げなどの店もある。
坂道を100mほど登ると真白な立派な山門が現れた。山門には「霊巌山寺」と書いてある。お寺はさらに山の上にある。参拝客の長い列が続いている。上まで行くと時間的に無理なのでバスに戻ることにする。
帰りにアクセサリーを売っている店に立ち寄る。誰もいなかったのに私たちが立ち寄ると人だかりができた。私が手に取ったブレスレットを戻したとたん若い女の子がそれを取り上げて幾らかと聞いている。前の店でもリーチェンが店に入ると他の客たちも続々と入って行った。店にとっては福の神のような存在である。会社の社長も同じことを言っていると言う。
バスは定刻の14時30分に出発をした。ところが1時間も走ったところで停車。運転手が外に出たまま戻ってこない。乗客も何人かが下りた。戻ってきた乗客の話では水が無くなったと言っているという。30分ほど停まっていた。途中でリーチェンに電話が入り、店の女の子がコピーの100元札で買い物をされたと言う。バスは体育館の反対側で停まり乗客を降ろす。リーチェンが降ろす場所が違うと文句を言う。口喧嘩となったが結局私たち2人だけを乗せて出発したところまで戻った。降りるまで言い合っていた。
リーチェンは18時に職場に戻ることになっていたが既に30分を過ぎている。食事を一緒にすると言ったが、体育館の下で今夜の食事として肉まんとケンタッキーの「老北京」2つとサラダを買う。この「老北京」は前回来た時に食べて美味しかったのでぜひ食べたいと思っていたものである。アスパラと唐揚げを並べ辛味噌がかけてあってパン生地で巻いたものである。
タクシーでホテルまで戻り、フロントでポットでお湯が沸かせないことを言うと電気担当者が部屋まで来た。故障だと思っていたがポットの持ち手の所にあるものがスイッチであった。恥ずかしい。
リーチェンは翌日6時までの勤務と言うことで戻って行った。リーチェンは5店舗の店長を兼務しているとかでその内3店舗が会社のベスト3に入る売上があると言う。夜間はメインの店舗勤務で日中は他の店舗を巡回していると言う。日本では労働基準法に完全に違反している。