韓国の俳優はどんな意識を持って演技力を磨いているのか
韓国芸能界において、俳優の層はそれほど厚くありません。
人口と比べても、ハリウッドはおろか日本にも及ばないでしょう。
そんな中でも、演技力を持った俳優が誕生するのは、
多彩な経験を積むことができるからだと言えます。
自分の感情を正直に表現する文化
韓国のドラマや映画に対する海外の評価の中には、
優れた俳優を讃えるものが多くあります。
他の国より決して多いとは言えない俳優の数にもかかわらず、
巧みな演技を見せてくれる俳優たちが続々と誕生しています。
これはまず、韓国人の習性に因るところが大きいでしょう。
韓国人は感情を表に出すのに慣れています。
自分の感情をありのままに表現するのは韓国人の一般的な習性です。
韓国人特有の精神疾患でファピョン(火病)というものがあります。
これは、鬱憤や怒り、ストレスなどを発散できない状態が続くと
身体的にも疾患が出るというものです。こんな特有な病気があるほど、
韓国人は普段から自分の感情を表に出しています。
逆に言うと、いつもは感情を自由に表現しているのに、
それができない場合は身体が耐えられないのです。
もちろん、西洋など自分の感情を正直に表現する文化圏は他にもあります。
しかし、それらの文化圏では個人単位での表現であり、
あくまでも自分の意思と感情を表すものですが、韓国人の場合は違います。
韓国人特有の共同体意識
韓国では単なる感情の表現にとどまらず、
交感と一体感を求める傾向が強くあります。
つまり、「私はこんなに悲しいんだ」を越えて、
「この悲しさを一緒に分かち合うことで負担を軽減させよう」
という行為にまでつなぐのです。
一見、面倒くさくて迷惑にも見えるこの習性は、
韓国人特有の共同体意識からくるもので、
共同体構成員同士の無限に近い信頼感を基にしています。
今は社会システムも変わり、共同体と言えるものすらなくなりましたが、
それでもこの特有の習性は韓国人に強く残っています。
感情の交感まで求める表現を習性とする韓国人は、
またその交感能力も高く、そのため演技に対しても
事実のように交感しようとします。
当然、演技の出来にも敏感になり、厳しい評価をするヘビーな観客にもなります。
このような習性と観客を持っている韓国の俳優たちは、
自然に高い演技力を身につけることができます。
そして、演技の実戦の場である映画とドラマの撮影現場において、
その技が磨かれていくのです。