イスラエル旅行記

旅行記が完成したので、あとは普通に。、

34.カナ

2006年09月04日 | Weblog
【写真:カナのフランシスコ教会】


「この建物はいつ頃建てられたものですか」
誰かが尋ね、倉田さんが答えます。
「これはですね、1881年に建てられたといいますから、まだ110年ぐらいしか経っていませんね」
すると、
「110年かぁ、カイザリアで2000年も前の遺跡に触れたせいか、110年って、ついこの間のような気がするね」
という人もいれば、
「そうね、イエスさまって、そんな遠い昔のことじゃないって気がしません?」
「うん、それにさ、おれが今イスラエルにいるってことが、不思議なんだよな」
という人もいます。

 さて、そこを出てすぐの所に、観光客用の古ぼけたお店があって、そこで宮本さんから頼まれた、お魚のキーホルダーを6個買いました。ウロコのつけ方が独特で、生きたお魚のように、くねくねと身をよじらせるキーホルダーです。去年子供たちにプレゼントしたら、大好評だったそうで・・・。買い物が済んで気がつくと、外はまだ、耳を覆いたくなるようなセミしぐれ。ミイ~ンミンミン。

 これで第一日目の見学はすべて終わりました。結構ハードなスケジュールでした。カナよ~、奇跡のカナよ~。イエスさまのことで胸いっぱいの私たちを乗せ、バスはホテルへと走ります。思えば、日本を発ってからまだ顔を洗っていません。暇つぶしに、あれほど飛行機のトイレを利用させていただきながら、そして今朝もダンホテルで、そのチャンスは十分あったにもかかわらず、不精な私です。何となく顔がこわばってきた頃には、日もどっぷりと暮れていました。

 いよいよ、ガリラヤ湖畔にたたずむ最初の宿泊ホテル、「ラマット・キネレット」に到着です。月明かりを静かに受け止めながら、チャロッ、チャロッと岸辺に忍び寄る優しい波の音。暗がりの中にそびえ立つ、雄々しい岩山、そしてホテルの柔らかい灯・・・旅情満点、気分最高の夜です。


※関連写真:2007/1/6

              
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33.カナの婚礼

2006年09月04日 | Weblog
 ナザレを後に、もと来た道を戻って「カナの婚礼の教会」に向かいます。予定にはありませんが、時間があれば行きましょうと、最初から倉田さんがおっしゃっていました。どうやらうまくいきそうですが、日はだいぶ傾いています。左手に再び「突き落としの崖」が見えました。
 やがて、ほとんど日が落ちる寸前に着きました。バスを降りて、狭い石だたみの緩やかな坂道を2~3分上った左手に、懐かしいその教会があります。進むほどに、まるで追い立てられるように、身体の芯まで響くセミしぐれ。ミイ~ンミイ~ンミン。

「ここはですね、イエス・キリストが婚礼に招かれ、水をぶどう酒に変えるという、伝道生涯で最初の奇跡を行った場所として知られています。(ヨハネ2:1~11参照) イエスの奇跡の多くは、人々を苦難から救うことでした」
 その言葉に、私は早くも癒しを得たように熱くなります。
「教会の床下からは3~4世紀頃の、アラム語による碑文が発見されましたが、この碑文からですね、当時ここには、確かにシナゴーク(ユダヤ教会)があったものと想像されます。またイエスはですね、アラム語を話していたのではないかと言われていますね」
「ほう~」
 碑文が発見されたという床下、それを見学できるように、切り取った床に厚いガラス板をはめています。また地下には、イエスがぶどう酒の奇跡を行ったという大きな石ガメが置いてあり、手が届かないように柵で囲んでありました。と言っても実際、イエスの時代のものではないそうですが・・・。説明は続きます。

「ぶどう酒に変った水は、土製の伝統的なカメではなく、石の水ガメに入れられたのだそうです。ルーブル美術館にはですね、『カナのカメ』といわれる容器が所蔵されていると聞いております」
 みなニコニコして聖書の世界に浸っています。奥の方には、埃をかぶった大きな素焼きのカメが、ごろごろと無造作に置かれていました。

※関連写真:2007/1/6
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