イスラエル旅行記

旅行記が完成したので、あとは普通に。、

55. 誘惑の山

2006年09月16日 | Weblog
 さて、説明を受けているすぐ下に、エリシャの泉があります。ありますといっても中に入った訳ではなく、一軒のそまつな建物を上から見ただけですが・・・。昔、ここの水が悪く、流産する人が多かったので、エリシャが塩を投げ入れて、良い水に変えたと聖書に書かれていますが、この清めの塩に日本人のルーツを感じるのは私の考え過ぎでしょうか。
「今、誰か所有しているのですか」
「アラブ人のおじさんが座っていてね、入る度に入場料を取るんですよ」
 鈴木さんと倉田さんの会話です。

 昨年の12月に、ここで聞いた面白いお話を紹介しましょう。
「某テレビの取材で来た、歌手の○田○ニさんがね、断食してあの誘惑の山(写真)に登ったんですよ。彼はね、頂上に着いたとたんに、きしめんが食べた~いって叫んだそうです」
 そういうガイドさんの説明に、思わず笑ったのを思い出しながら、もう一度眺めますと、あのそそり立った岩山が、妙に優しく、懐かしく感じられるのでした。最初に来た時は、木も草もない山にただ驚き、二度目は少しリラックスして、そして今回は、イエス様の思いを感じるまでになったことを感謝しました。

 この後、昼食です。茄子のペースト、赤カブの酢漬、ひよこ豆、ヨーグルトに混ぜた細かく刻んだきゅうり、とにかく野菜が豊富です。それをピタという袋状のパンに挟んでいただくのです。フライドポテト付きのステーキや、デザートのオレンジも格別な味でした。また泉さんの計らいで、コーヒーが出ないようにしてくださったのも主の愛でした。

 食事が終って、同じ建物の中の売店に群がります。何といってもメインは、死海の泥んこで作った石鹸でしょう。普通肌用のソルト、脂性用のマッド、荒れ肌用のグリセリン。それぞれ5ドルですが、3種類ワンセットの場合は、15ドルのところを12ドルと割安になります。私は高くてもソルトだけを買い込みました。

 お土産が増えて、荷物がだんだん重くなりますが、その分満足感もあって幸せそうな顔、顔、顔・・・。その顔で、今度は死海写本が発見されたクムランに向かいます。
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54.エリコ 

2006年09月16日 | Weblog
「エリコ(写真)はユダの荒野にある「しゅろの町」とも言われるオアシス。亜熱帯的な気候と泉のおかげで、太古の昔から人類が定住したと言われています。ヨシュアに率いられたイスラエルの民が、ヨルダン川を渡って最初に攻め落としたのがエリコでした。6日間エリコの周りを回り続け、7日目に7度回ってラッパを吹くと、城壁が崩れたと書かれています」(ヨシュア6章)

・また火の車に乗って昇天したエリヤ(列下2:9~)
・エリシャが塩で水を清めたと言われる「エリシャの泉」(列下2:19~)
・取税人ザアカイの家の客になったイエス(ルカ19:1~)
・盲人バルテマイを癒したイエス(マタイ20:29~)
これらはみなエリコでの出来事でした。

 私たちは、古代のエリコであるテル・エ・スルタンという所に行って、紀元前3千~2千年のものと言われる城壁と、紀元前7千800年頃のものと言われる見張り塔を見学しました。
 西の方には、イエス・キリストがサタンの試みにあわれたという、誘惑の山がそびえています。高さ360mのこの岩山で、40日40夜、断食をされたイエス。いくら神の子といえ、こんな岩山で・・・。
 こういう古代のものを実際見たり、イエスにゆかりのあるものに心が触れると、イエス・キリストはそんな遠い昔の人じゃないって気がして、彼の苦悩が以前よりもっと理解できたように思いました。
「サタンよ退け。『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」と言われたイエス。(マタイ4:10)

 暑さをこらえてジイ~ッと見つめていますと、イエスの声が聞こえてくるような錯覚を覚えます。
「あなたがたは、主のためにといって働いてはいるが、本当はよく理解していない。もっとわたしに近づいてごらん。もっとわたしを知ってごらん。そうすれば、わたしがあなたがたに、何をして欲しいのか、どうして欲しいのか、分かるに違いない」
360mの茶色の岩山から、イエスの思いが伝わってくるようで、信仰の不足な私は、ここを訪れる度に胸が痛くなるのです。そして自分の抱えている問題の、あまりの小ささに恥ずかしくなって、いつの間にか問題が消えてしまうのですから、やはり特別な国に違いありません。

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