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神戸大学メディア研ウェブログ

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12月のキッズフェス 動画参加の学生団体募集

2021-07-26 09:27:50 | ニュース(告知)
 12月に行われる子どもたち対象のイベント「キッズフェスティバル2021」では、動画で参加するゼミやサークルなどの学生団体を募集している。兵庫県の多くの大学が加盟する一般社団法人大学コンソーシアムひょうご神戸主催で、参加費無料。締め切りは8月31日(火)。<佐藤ちひろ>

(画像下:一般社団法人大学コンソーシアムひょうご神戸より)


 「キッズフェスティバル2021」とは、地域の子どもたちを対象にイベントを企画、運営するイベントで、「スポーツ」、「音楽」、「食」、「あそび」、「ものづくり」などの小テーマを設定して活動する。例年、神戸市総合児童センター「こべっこランド」で開催され、訪れた子どもたちを対象に、学生が制作やダンスなどのブースを公開する。

 昨年からは、新型コロナウイルスの影響で会場参加者数が制限されたことを受けて、1 団体でも多く参加できるように動画形式での参加も募っている。
 今回募集しているのはこの動画での参加団体で、自宅でも「キッズフェスティバル」を楽しむことができるように動画で制作やダンスなどのコンテンツを提供する。イベント当日は会場に出向かず、動画制作のみを行う。各団体が作成した動画は事務局によってYouTube にアップロードされる。

 各昨年度の参加団体が作成した動画は、下記 URL から見ることができる。
http://www.consortium-hyogo.jp/event/2020/1206.html

《学生プロジェクト事業「キッズフェスティバル2021」動画編》
●動画公開日=2021年12月5日(日)。
●申し込み方法=別紙の「キッズフェスティバル2021参加申込書」を大学コンソーシアムひょうご神戸のホームページからダウンロードし、必要事項を記入のうえ、神戸親和女子大学 地域連携センターに申込む。大学コンソーシアムひょうご神戸ホームページ:http://www.consortium-hyogo.jp/event/2021/1205.html
●応募締め切り=2021年8月31日(火)※延長。
●主催=大学コンソーシアムひょうご神戸。
●問い合わせ=大学コンソーシアムひょうご神戸学生交流委員会事務局 神戸親和女子大学 地域連携センター(担当:金井さん・須郷さん)。〒651-1111 神戸市北区鈴蘭台北町7-13-1。TEL:078-591-2935。FAX:078-591-3113。E-mail:swans_kids_festival@ecip.kobe-shinwa.ac.jp。



六1キャンパスの課外活動 大学院定期試験で禁止日を設定

2021-07-25 23:13:29 | ニュース
 神戸大学生支援課は、法科大学院定期試験が実施されることにより、一部の日時で六甲台第1キャンパスでの課外活動が禁止となることを各課外活動団体に連絡した。8月4日(水) は終日、8月5日(木)、9日(月)、20日(金)は午前、6日(金)、19日(木)、24日(火)は午後が活動禁止となる。<塚本光>

 通知全文は以下の通り。

ーーーーーーーーーー

六甲台第1キャンパスの体育施設及び部室等を使用している団体の皆さまへ

学務部学生支援課です。

法科大学院定期試験が実施されることから、以下の日時について、活動が禁止となりますので
周知徹底していただきたきますようお願いいたします。

【法科大学院定期試験 :フロンティア館にて実施】

8月 4日(水)  終日禁止

8月 5日(木)  午前禁止 (13時以降 可)

8月 6日(金)  午後禁止 (12時まで 可)

8月 9日(月)  午前禁止 (13時以降 可)

8月19日(木) 午後禁止 (12時まで 可)

8月20日(金) 午前禁止 (13時以降 可)

8月24日(火) 午後禁止 (12時まで 可)


※各団体におかれましては、上記日時においては六甲台第1キャンパス内での課外活動を禁止をお願いいたします。
ただし、部室への入室を禁止するものでありませんので、必要な物品を取りに行くなど搬出入時で禁止日時に
部室へ入られる場合は、音出し・声だし等には十分配慮いただき、静寂な環境を保つよう周知徹底願います。

以上、くれぐれもよろしくお願いいたします。

未来へ一手 囲碁部・松本さんアマ本因坊決定戦へ

2021-07-25 22:35:39 | ニュース
 6月20日(日)、アマチュア囲碁界の全国大会である「第67回全日本アマチュア本因坊決定戦」の兵庫県大会の本選で、神戸大学囲碁部の松本直太さん(国人・4年)が初優勝した。10月に東京で開催される全国大会に出場することとなる。5歳から囲碁を始められ、囲碁歴はなんと17年にもなる松本さん。コロナ禍という厳しい状況の中、どのように練習や対局を重ね、本番の県大会に臨んだのか。その棋士としての心構え、囲碁への思いについて聞いた。<脇田結衣>


(写真:インタビューをうける松本直太さん)

 松本さんは1999年4月生まれで長崎県出身。現在神戸大国際人間科学部発達コミュニティ学科4年生で囲碁部に所属している。

久しぶりの一般大会 「上手く打てるか不安だった」

記者)県大会優勝、そして全国出場おめでとうございます。今の気持ちをお聞かせください。
松本さん)全年齢対象の一般の大会に出るのは久しぶりだったので、上手く打つことができるか少し不安でしたが、優勝することができてよかったです。
記者)優勝という快挙に対し、周りの方の反応はどうでしたか?
松本さん)家族や友達など身近な人にはあまり伝えてないです。大阪や京都での囲碁関係の集まりでは「近況は知らなかったけど、最近頑張ってるみたいだね」と言われました。

“コロナ禍”というイレギュラーな状況、どのように準備してきたのか

記者)緊急事態宣言発令時など、対面で練習や対局ができない時期があったと思いますが、そのような期間は大会に向けてどのように準備してきたのですか?
松本さん)無料で打てるネットの対局場があるのでそこで練習したりしていました。中国や韓国の人と打ったり、運が良ければプロの方と対局することもありました。
記者)緊急事態宣言が発令される以前はどのような練習をされていましたか?
松本さん)週一で関西圏の囲碁の強い人が集まる会があったので、大阪や京都、兵庫に行って対局していました。

勝っても負けても自分の責任

記者)囲碁を始めたのはいつですか?
松本さん)5歳の時です。保育園で囲碁教室があり、そこで習ったのがきっかけで、そのまま中学校に入学するまでその先生から囲碁を教わっていました。
記者)囲碁歴17年にもなるのですね。そんな松本さんにとって囲碁の魅力とはなんですか?
松本さん)勝負に運要素がほとんどないことです。自分が勉強した分だけの力で戦えます。だから、勝ったら自分の力で勝ったと思えるし、逆に負けたら自分の責任なので言い訳はできません。そこが魅力だと思います。
記者)対局していて楽しいと感じる瞬間を教えてください。
松本さん)相手の手によっていろんな発想を学ぶことができます。自分の打った手で思った通りの展開になり、勝てた瞬間が嬉しいです。

出るからには優勝を目指す

記者)最後に全国大会への意気込みをお願いします。
松本さん)代表として出るからには優勝を目指さないと県大会に出てた人にも失礼だと思うので、目標はやっぱり優勝することです。実力的には足りない部分もあるかもしれないけど、しっかり準備して挑みたいと思います。

 「第67回全日本アマチュア本因坊決定戦」は10月2日、3日の2日間、日本棋院会館(東京都千代田区五番町7の2)で開催される。

(写真下:オンラインでのインタビューに答える松本さん)





六甲祭ポスター原画 8月31日まで募集

2021-07-25 21:36:33 | ニュース(告知)
 神戸大の六甲祭実行委員会(@rokkosai)は、2021年度の六甲祭のポスター原画を募集している。応募資格は、神戸大の学生及び院生。同実行委員会の応募フォームから、ポスター原画の写真を投稿できる。採用者には3000円分の商品券が贈られる。締め切りは、8月31日(火)。<島袋舜也>


(画像:六甲祭のポスターを募集する六甲祭実行委員会のツイッターのスクリーンショット)

 2021年度に開催する六甲祭のポスターを、六甲祭実行委が募集している。応募できるのは、神戸大の学生及び院生。
 同実行委員会の応募フォームにメールアドレスを入力して、ポスター原画の写真(PDF形式でも可能)をアップロードすることで応募できる。締め切りは、8月31日(火)。採用者には同実行委員会から、商品券3000円分が贈呈される。

 六甲祭は、関西最大級の規模を誇る神戸大の学園祭。神戸大六甲台キャンパスで、毎年11月中旬に開催され、約4万人の来場者数を誇る。2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため、六甲台キャンパスでの開催は中止となり、ミスコンとミスターコンのみオンラインで開催された。
 2021年度の六甲祭のテーマは、「ソウゾウしよう、新たな祭りを」に決定したが、どのような形式で開催されるかは未定で、その動向に注目が集まっている。

《2021年度六甲祭ポスター募集》
●締め切り=8月31日(火)。
●応募資格者=神戸大の学部生および院生。
●応募方法=応募フォームにポスター原画の写真(PDF形式でも可能)をアップロードする。
●応募フォームURL=
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdtRQNqO-0fKIpLOBsKa08h4NoQ8KOD72Ol9NyVZ2smZJLboQ/viewform
●問い合わせ先=神戸大 六甲祭実行委員会
メール:rokkosai65[at]gmail.com ( [at] を@に変更して送信)
Twitterアカウント:@rokkosai

▽過去の六甲祭ポスター

(画像下:2019年度六甲祭ポスター)



(画像下:2018年度六甲祭ポスター)


(画像下:2017年度六甲祭ポスター)


(画像下:2016年度六甲祭ポスター)




校舎を疾走するウリ坊 危険な親イノシシはどこに?

2021-07-22 17:17:09 | ニュース
 1匹のウリ坊が、校舎の廊下を疾走している16秒の映像。7月16日に法学部教授がツイッターにアップしたそんな動画が13万回も再生されて話題になっている。うっかりウリ坊に近づくと母イノシシが襲ってくることがあるから危険だと言われているが、取材を進めると、この春生まれたウリ坊たちが、親からはぐれて神戸大キャンパス内の某所に身を寄せているという。神戸大学のキャラクターにもなっているイノシシの子ども=ウリ坊たちは、これからどう生きていけばよいのか?<佐藤ちひろ、脇田結衣、塚本光、昌子奈未、島袋舜也>


(動画:ツイッターにアップされた、神戸大の校舎の廊下を疾走ウリ坊の動画。7月16日午前10時ごろ、藤澤貴和子さん撮影)

▼16秒の映像、再生13万回 廊下を駆け抜けるウリ坊

 7月16日19時37分に「これぞ神戸大学のウリ」というコメント付きで、ツイッター(SHIMANAMI Ryo @shimanamiryo )に動画がアップロードされた。
  このツイッター投稿動画は、7月21日22時30分現在、3760件のいいね、983件のリツイート、116件の引用リツイートがあり、動画の再生数は13万1000件を超えている。いわゆるバズっている状況だ。


(画像上左:廊下の向こうから走ってくるウリ坊。 画像上右:ドアから校舎外に飛び出す。鼻が突き出て瓜型の体形。いずれも動画から)


(画像上左:背中に白い筋状の模様が見える。 画像上右:ウリ坊は校舎の外の駐車場に姿を消した。青い車の右下に姿が見える。)

 投稿された動画は約16秒。場所は、学内のどこかの校舎と思われる廊下。
 体長40センチ前後。猫ほどの大きさの薄茶色の動物が、廊下の向こうから猛スピードで駆けてくる。
 不安そうに見守る人の脇を走り抜け、出入り口で構えていた撮影者の横をまっすぐ通りすぎる。その瞬間、背中には白い斑点か筋が見える。突き出た鼻が細く、まさに瓜のような体形だ。
 そのまま建物からピロティーに飛び出して、左にカーブし、駐車場の自動車の陰の生け垣に突っ込んで消えていく。
 イノシシの子であるウリ坊が猪突猛進する様子が、見事にスマホカメラに収められている。

▼この映像はどこで撮影されたのか

 神戸大の六甲台地区のキャンパスでは、植え込みの土を掘り返したり、フェンスに大きい穴を開けたりと、イノシシたちは堂々と日常生活を送っている。
 ウリ坊を引き連れたイノシシが出没するのもよくあることだが、ウリ坊が単独で、しかも廊下を疾走するシーンは珍しい。
 コメントや引用リツイートにも、「かわいい」、「ウリダーッシュ!」、「猪突猛進」など、ウリ坊の愛らしさについて触れたもののほかに、「屋内にまで入ってくるのはびっくり!」、「さすがに屋内で見た覚えはない」という、驚きの声もあがっている。

 動画をツイートしたのは、神戸大大学院法学研究科の島並良教授。大学院科学技術イノベーション研究科教授も兼務している。科学技術イノベーション研究科教授も兼務している。
 島並教授にDMで尋ねると、撮影したのは自身ではないとの返事。「工学部の職員さんが撮影した」、「直接の知人ではないので」という答えだった。
 この映像はどこで撮られたのか。この単独行動のウリ坊はその後どうしているのだろうか。

▼現場は工学部セブンイレブンからわずか50mの校舎だった


(写真:神戸大工学部キャンパス。この場所から50mほど右側奥が現場だ。2018年撮影)

 場所はすぐに特定できた。
 「工学部職員が撮影」という証言を手掛かりに、授業の帰り道に六甲台第2キャンパス工学部棟を歩いていると、動画とそっくりの茶色の校舎が見えてきた。工学部1E・1W棟だ。駐車場には、動画と同じ色の自動車が停まっている。
 ガラス扉からはC1棟とC2棟をつなぐ南北の廊下が見える。ウリ坊が駆けていた廊下のように見える。右手には、消毒液のスタンドもある。間違いなく、動画が撮影された現場だ。
 ウリ坊は、1階の「創造工学スタジオ1 C2-101」の前を通って、C1棟に面する扉から飛び出し、左の駐車場方向に逃げていったことがわかる。
 この扉を右に行くと、わずか50メートルでセブンイレブンや工学部食堂のある、工学部でいちばん人通りの多い十字路だ。

(写真下左:ウリ坊の走っていた廊下。写真下右:ウリ坊はここを飛び出し左にカーブした。提供写真)


(写真下:ウリ坊が飛び出したC2棟の玄関からパノラマ撮影すると、左に逃げ込んだ駐車場の植え込みが、右奥にはセブンイレブンのある2階建ての工学会館が見える。提供写真)


▼「アライグマやイタチが入ってきたことはあったが、ウリ坊は初めて」

 一方、撮影者を探して、別の取材班は工学部の事務室に電話で取材。
 やりとりを重ねるうち、撮影者につながった。工学研究科学務課教務学生係の藤澤貴和子さんだ。

 藤澤さんによると、この動画を撮影したのは7月16日(金)の午前10時ごろだという。
 ウリ坊が校舎に入り込んだことを他の職員から聞いて知り、廊下に出た。
 中庭のドアが開いているのを見て、ここから侵入したのではないかと思った。
 これまでアライグマやイタチが校舎に入ってきたことはあったが、ウリ坊は初めてだったという。
 藤澤さんは、記録のためにスマホの動画撮影機能を起動して構えた。

▼廊下で滑ったり、壁にぶつかったり ウリ坊はパニックになっていた

 「早く建物から出してあげたいという気持ちでした」という藤澤さん。ウリ坊は真っ直ぐにしか進むことができず、ガラスを認識できなかったのか、廊下の奥や手前のガラス扉にぶつかることを繰り返していたそうだ。
 蹄をチャカチャカ鳴らしながら廊下で滑ったり、壁にも何度もぶつかったりとパニックになっている様子だった。
 かわいそうに思った藤澤さんは、ウリ坊が外に出られるように、人が少ないほうのドアを開けて、「おいで〜」といったところ、一度反対方向に行ったウリ坊がくるりとUターン。そのあと藤澤さんの方へまっすぐ走ってきて無事ドアから脱出できたというのが、ことのてん末だ。
 こうした事情を聞くと、撮影された動画の音声や、ウリ坊の慌てようと、ぴったりシンクロする。
 学生たちは教室のドアからその様子を見ていたという。

▼疾走ウリ坊はどこへ失踪? 近くの調節池では5匹の集団発見

 藤澤さんら、工学部関係者によると、ウリ坊は6月下旬から六甲台第2キャンパスの馬場周辺で度々目撃されていたという。
 校舎内に侵入したウリ坊は1匹だけだったが、馬場で目撃されていたのは5匹のウリ坊集団。
 側溝の中を仲良く歩く様子が、学生や職員の動画に収められている。

(動画下:貯水池の中にいる3匹のウリ坊<音声なし> 2021年7月19日午後撮影。藤澤貴和子さん提供)


 廊下疾走のウリ坊の行方が案じられていたが、藤澤さんの動画撮影日から数日後、工学部食堂から百年記念館に向かう道沿いの、コンクリート製の約5メートル四方の小さな調節池で5匹のウリ坊が職員らによって発見された。
 記者が7月20日の帰路に通りかかった際は、2匹はコンクリート堤の上で寝ころび、残り3匹は調節池の内側で、ブヒブヒいいながら水をパシャパシャはねていた。水深は深くないようだ。
 コンクリート壁は2メートルほどで、まだ小さいウリ坊たちは登れない高さ。3匹はどのようにして調節池に入りこんだのか。

 藤澤さんによると、見つけてから数日間ずっとこの状態だということで、3匹は調節池の内側に落ちてしまったのか、または水路内への抜け道があってそこから水路に入ったのではないかと推測している。
 一方、この道沿いで勤務する警備員は、ウリ坊は雨で水かさが増したときに水路に入り、そのあと出られなくなってしまったのではないかと見ている。

▼いまは生後3ヶ月前後の赤ちゃん 秋口には20キロ超に

 一見、かわいいウリ坊だが、大きな危険が潜んでいると専門家は指摘する。
 イノシシの生態に詳しい兵庫県森林動物研究センターの石川修司専門員によると、廊下疾走のウリ坊は、生まれて3ヶ月前後の赤ちゃんだという。
 イノシシの子どものウリ坊は、基本的に4月から5月に生まれる。茶色い背中に白い縞模様の浮き出た、いわゆる「ウリ坊」の状態でいるのは秋口までで、秋以降はこの模様が消え、親と同じような見た目になる。12月ごろには、体重が20キロほどになるという。
 基本的には、ウリ坊の近くには必ず母親がいるという。

▼親イノシシが襲ってくることも ウリ坊には近づかないのが鉄則というが…

 注意すべきは、親イノシシだ。石川さんは、「子どものウリ坊に手を出すと親が怒って向かってくる。神戸大周辺のイノシシは人慣れしてるし、人をこわらずに接近してくることがある。そこで、かわいいと思って近づくと親の逆襲を受ける事になるので、(近づくことは)危ない行為。とにかく近づかない方がいいと思う」という。

 神戸では、度々、人間がイノシシに襲われる “事件”が起きている。
 なかでも有名なのが、2014年6月下旬の「テレビカメラマン襲撃事件」。
 神戸市中央区で女子中学生がイノシシに襲われ、その現場を取材していたテレビや新聞のカメラマンらに、大きなイノシシが突進。朝日放送のカメラマンに執ように襲いかかり、カメラマンは両足を噛まれて大けがをした。
 この様子は、他局のテレビカメラに収められ、その生々しい状況はYouTubeに投稿されている。

▼ウリ坊集団は親からはぐれたのか?

 気になるのは、母イノシシの存在だ。
 同じく兵庫県森林動物研究センターの野口和人専門員は、「基本的に、この時期にウリ坊が親が離れることはないと思う」という。
 基本的にイノシシは母系集団で行動するのが基本で、母イノシシが数匹のウリ坊を連れて行動する様子は、神戸大キャンパスでよく見かける光景だ。
 ウリ坊は、親と一緒に生活する中で捕食を学習するというのが通常の生態で、「親が周りに見られないということになると、はぐれていることもありうる」と野口専門員は指摘する。


(写真左:貯水池の水の中で身を寄せ合う3匹のウリ坊。写真右:貯水池のコンクリート製の堤の上で寝転ぶ2匹。周辺に母イノシシの姿は見られないというが、要注意だ。 2021年7月20日午後撮影 提供写真)

▼5匹はこれからの猛暑や台風のシーズンを生きていけるのか

 この5匹のウリ坊集団の周辺では、いまのところ親イノシシは目撃されていない。
「捕食行動がうまく取れない状況だと、栄養不足になってしまうことがあるかもしれない」と野口専門員。

 今は「かわいらしい」と思われているウリ坊だが、順調に育てば、後期が始まる頃には、体が大きくなっている。
 近くに親がいた場合は親から攻撃される場合もあるので、かわいいと思ってうかつに近づかないほいがいいというが、5匹をそのまま見過ごして良いのか、悩ましいところだ。
 7月19日には役所関係の人が来て、ウリ坊を調節池の中から脱出させる方法があるのか検討していたのを目撃した大学関係者がいる。

 動画に写っていた廊下疾走のウリ坊は、この5匹の集団の1匹なのか?
 そして、ウリ坊集団の親はどこにいったのか?
 この調節池周辺では、かつて大雨の際に死んだウリ坊がいたというから、心配だ。
 猛暑や台風のシーズンを前に、動画を撮影した工学部職員らはウリ坊たちの行く末に気を揉んでいる。