この話を書く気持ちになるのは、ちょっと時間がかかりました。
実は、先月の15日、実家の愛犬が急死しました。
心臓マヒによるもので、1分程苦しんで、亡くなったそうです。
ポメラニアンのサリーを飼うことにしたのは、母の鬱病がきっかけでした。
最初の乳癌が見つかったのが、10年前、その3年後、もう片方の乳房にも
癌が見つかり、摘出。
その頃から、母の様子がおかしくなりました。
食欲がなく、気力もなく、ただ寝こんでいるだけ。
きっと、その頃、母は初めて「死」を意識したのでしょう。
いつか転移があれば死ぬ。
その恐怖と闘って、心が折れてしまったのでしょう。
病院の診察で「鬱病」と診断されました。
最近になって打ち明けられました。
何度も病院の屋上に上がり、飛び降りたら楽になると思うと、ふと私と兄の
顔が浮かんできてできなかった、と。
老夫婦だけの家の中は、静かで、特に無口な父は黙って母の介護をしていました。
この家の中に、小型犬がいたら、きっと少しでも癒しにならないか・・・。
そう思って、半ば強引に、兄に相談し、ペットショップに行きました。
その中でも、一番愛くるしい顔をしていたのが、ポメラニアンのサリー。
必要な物を全て購入し、実家に運びました。
父は嬉しそうでしたが、母は当初嫌がっていました。
その日から、7年。
優しい父に育てられたサリーは、ウルトラ我が侭犬に育ちました。
父が、体調を壊して入院した時は、いつもは無視している母の言うことをちゃんと
聞いてお利口にしていたそうです。
母も、父がいない不安をサリーによって慰められていました。
母の鬱病も時間はかかったけど完治し、癌の肺への転移が見つかった時も、母は
冷静でした。
サリーは気が強く、どうしようもないバカな犬だったけど、手がかかるほど、
両親には我が子のように可愛い存在でした。
元々、心臓が弱い子だったようです。小型犬にはありがちなことです。
母は、自分達より先に死んで欲しいが口癖でした。
その後のことを考えてのことでした。
ですが、実際に先に逝かれてしまった時の、喪失感は思った以上の打撃でした。
毎日毎日、母は泣いて。私はそれを聞いてやって。
父は黙っていたけど、一番辛かったはず。
誰よりも父になついていましたから。
サリーの死から3週間と少し。
最近、やっとサリーのことを口にしなくなりました。
私は、自分のしたことが正しかったのか、間違っていたのか・・・・。
いまだに分かりません。
癒しと思って連れて行ったサリー。
結果は、老いた両親に「ロストペット」という悲しみと寂しさを与えて
しまった。
サリーとの楽しかった日々を、両親が笑顔で語ってくれる日を、いまは
静かに気長に待っています。
実は、先月の15日、実家の愛犬が急死しました。
心臓マヒによるもので、1分程苦しんで、亡くなったそうです。
ポメラニアンのサリーを飼うことにしたのは、母の鬱病がきっかけでした。
最初の乳癌が見つかったのが、10年前、その3年後、もう片方の乳房にも
癌が見つかり、摘出。
その頃から、母の様子がおかしくなりました。
食欲がなく、気力もなく、ただ寝こんでいるだけ。
きっと、その頃、母は初めて「死」を意識したのでしょう。
いつか転移があれば死ぬ。
その恐怖と闘って、心が折れてしまったのでしょう。
病院の診察で「鬱病」と診断されました。
最近になって打ち明けられました。
何度も病院の屋上に上がり、飛び降りたら楽になると思うと、ふと私と兄の
顔が浮かんできてできなかった、と。
老夫婦だけの家の中は、静かで、特に無口な父は黙って母の介護をしていました。
この家の中に、小型犬がいたら、きっと少しでも癒しにならないか・・・。
そう思って、半ば強引に、兄に相談し、ペットショップに行きました。
その中でも、一番愛くるしい顔をしていたのが、ポメラニアンのサリー。
必要な物を全て購入し、実家に運びました。
父は嬉しそうでしたが、母は当初嫌がっていました。
その日から、7年。
優しい父に育てられたサリーは、ウルトラ我が侭犬に育ちました。
父が、体調を壊して入院した時は、いつもは無視している母の言うことをちゃんと
聞いてお利口にしていたそうです。
母も、父がいない不安をサリーによって慰められていました。
母の鬱病も時間はかかったけど完治し、癌の肺への転移が見つかった時も、母は
冷静でした。
サリーは気が強く、どうしようもないバカな犬だったけど、手がかかるほど、
両親には我が子のように可愛い存在でした。
元々、心臓が弱い子だったようです。小型犬にはありがちなことです。
母は、自分達より先に死んで欲しいが口癖でした。
その後のことを考えてのことでした。
ですが、実際に先に逝かれてしまった時の、喪失感は思った以上の打撃でした。
毎日毎日、母は泣いて。私はそれを聞いてやって。
父は黙っていたけど、一番辛かったはず。
誰よりも父になついていましたから。
サリーの死から3週間と少し。
最近、やっとサリーのことを口にしなくなりました。
私は、自分のしたことが正しかったのか、間違っていたのか・・・・。
いまだに分かりません。
癒しと思って連れて行ったサリー。
結果は、老いた両親に「ロストペット」という悲しみと寂しさを与えて
しまった。
サリーとの楽しかった日々を、両親が笑顔で語ってくれる日を、いまは
静かに気長に待っています。